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英彦山・雪山登山で南岳登頂してみた【梵字岩、四王寺の滝(氷瀑)、南岳】

雪山登山ビギナーが雪の降り積もる英彦山で23年12月23日に友人と2人で登頂しました!

梵字岩、四王寺の滝(氷瀑)、南岳の順番で登ったので順に紹介しています。これらのスポットが気になってる方にも雰囲気が伝わるように書いてみました。

前回の福岡の白銀世界!雪山登山ビギナーが英彦山の景色に息を飲んだ話では、登山計画の概要から登頂までの流れをさっと紹介しました。登るきっかけや登ってみた全体的な所感が気になる方はこちらも読んでみてください。


登頂までの所感

実際に登っていると予定していた場所だけでなく他のスポットもついでに見てまわりたい気持ちが出てきました。それだけ体力を消耗することもあり多めに持ってきたつもりの水も下山時の途中には飲み干してしまいました。

登りは特に疲れも感じていないのであちこち行きたくなりますが、結構疲れるので体力に自信がない場合は控えた方が良いのだろうなと思います。

そして意外だったのは登山中の体の熱さ
天気予報の最低気温は確かマイナス5度ほどで登頂付近では体感温度がさらに下がっていたかもしれません。じっとしているとすぐに寒くなりますが、着込んでいるだけあり動いている間は暑いです。

そのため登山中は汗をとてもかかき、喉がすぐに乾きました。

梵字岩【世界最大の梵字が彫り込まれた岩のある場所】

初めての雪山登山の景色を楽しみながら1時間ほど登ると、1つの立て看板を見つけました。「世界最大の梵字」「ここより200m西方に梵字岩があります。」と記してあります。

本来のルートを逸れてしまいますが、「これはぜひとも見たい」ということで、梵字岩方面へ。

雪道を進むと、何やら鳥居が。
「世界最大」と言われたらそりゃ気になるに決まってます笑
そり立つほどの急勾配。
でもガシガシ進む。

10分ほど傾斜を進むと、雪で覆われたまっさらな景色の中にお堂らしき建物が目に留まりました。そしてその背後には、圧倒的なスケールの岩壁が!

写真ではわかりづらいですが、岩面に3つの巨大な梵字が確かに刻まれていました。
一体どうやって掘り込んだのだろう…!!

まさに大自然ともいうべきスケール3つの梵字を探すと、岸壁に大きく掘り込まれていました。

お堂の中には磐座(いわくら、大きな岩にしめ縄が張られている)が安座されており、その光景は「数多の修験道たちがここで祈りを捧げ、厳しい修行を積んだのだろうか」と、往時に思いを馳せその様子を想像させてくれる、タイムスリップしたような気分になれる、まさに聖地というべき場所でした。

磐座(いわくら)。
石碑にしめ縄が張り巡らされています。

しばし梵字を眺めたあとは、お堂の雪を払ってお参りしとても清々しい気持ちになりました。

【余談】
立て看板によると『この梵字は俗に弘法大師の仕業と考えられている』とのこと。
3つの梵字はそれぞれ「大日如来」「阿弥陀(あみだ)如来」「釈迦(しゃか)如来」の三尊を表し、梵字の直径は約3m、岩の高さは約60mの高さがあるそう。


四王寺の滝【絶景の氷瀑】

ここまでの道のりで雪景色を全身で感じ、梵字岩を拝観し、余韻に浸りながら早くも「来てよかった」という気持ちで胸いっぱいの中、今回の目的の一つである「四王寺の滝」を目指して再出発しました。

「気候条件が整った時だけ『氷瀑(ひょうばく)』と呼ばれる、凍った滝を拝むことができるらしい。」という友人の一言から、これは一生のうちに一度は見ておかねばと、期待を募らせながら向かいました。

小さいが看板があるので、それとMAPを頼りに進む。

道中にはいくつかの渓流があり、澄んだ水と流れる音の清らかさに心が癒されました。 道中で何組かの登山者の方々とすれ違ったのですが、驚くことに70代のご夫婦の方がいました。

何度も登っているのか、こなれた感じで登られていて雪道に不慣れな私たちよりもエネルギッシュでした。

適宜YAMAPアプリで現在地を確認しながら、そろそろ見えてくる頃かな〜と考えながら登っていると、傾斜の先に登山者が数組集まっている様子。
そしてその先に…念願の氷瀑!

見えてきたぞ!!
なんだこれは…!!
滝に流れる水が凍って氷柱となったもの。やばい。やばすぎる。

圧巻です。私のボキャブラリーでは表しきれない荘厳さでした。
友人と喜びを噛み締め、興奮を抑えながらしばし眺めたり写真を撮ったりと時間を過ごしていると、後からも続々と登山者の方々が登ってこられました。

近くにいた70代ご夫婦の旦那さんの方に、次なる南岳までのルートを相談すると「雪は深いが、何人か登って行ったようなので、足跡を頼りに進めば問題なく進めるだろう」とアドバイスをいただきました。

アプリで確認したところ、このルートは掲載されていないものの、いくつかルート上と思われる場所に登山者の写真投稿があったので、このルートで出発することにしました。

【余談】
四王寺の滝をはじめ、英彦山を流れる水は古来より「不老長寿の水」として多くの人たちに親しまれているそうです。
名水百選にも選ばれ、道の駅「歓遊舎ひこさん」で「山霊の水」として販売されており、購入可能とのこと。

今回は道の駅には立ち寄りませんでしたが、いつか飲んでみたいですね。
英彦山の渓流から連なる英彦川はふもとの添田町に続き、さらに下流では一級河川の遠賀川に合流しています。

ほかにも東西に英彦山を源流とした川や沢がいくつも流れており、筑豊・北部九州の水分(みくまり)の地とされている所以を目の当たりにし、私たちの生活の一端を支えてくれているのだと感謝の念が込み上げました。


南岳山頂を目指して

四王寺の滝に向かって右手の山道を進み、南岳山頂を目指します。
ルートに入ってすぐ急傾斜
になっていて、5分ほど進んだところで後ろを振り返ると先程の四王寺の滝に集まる人たちがとても小さく見えるほどの高さがあります。

めっちゃ高い。高所恐怖症の方は振り返らない方が良いかも…笑

ここからは分岐点も増えて迷いやすそうな印象でした。なので地図をよくチェックしながら進むと吉です。 先達が木に巻いてくれたテープや看板を目印に、こまめにYAMAP地図を確認しながら進みます。

またこれまでの道のりと違って、鎖場(ロープや鎖が渡されている)を登り降りする箇所が増えてきました。
結構体力を使うので、こまめな休憩と、登り始める前に必ず安全確認をしましょう。(ロープや鎖を引いて外れないか&鎖が滑らないか確かめる、上までの足場を確認しておく)

写真の様に絶壁と言っても良いほどの傾斜にはロープや鎖が繋がれています。

途中で一人のご年配の方と出会いまして、お話を聞くと数十年ぶりに英彦山登山に挑戦したところ昔のように登れないそうで「こりゃあいかん」と笑いながら話されていたのですが、山頂手前の傾斜45度以上ほどの急斜面をものともせず登っておられて、尊敬の念を抱きました。

一面雪景色のなか木のロープや地面の表杭(ピンク色でした)を辿り、山頂を目指してさらに進みます。

しばらく進むとそこは雪のトンネル。
「いよいよ山頂が近づいてきた!」とばかりの雰囲気に期待が募る。

ついに南岳山頂に登頂!【標高1,200mの白銀世界】

登山開始から約2時間、ついに南岳の山頂に辿りつきました!
開けた場所を進むと、標高を記した看板を見つけました。

標高約1,200m、スタート地点の奉幣殿からの高低差は、アプリによると723mもの高さを登ったことになります。
このレベルの登山は初めてです。喜びを噛み締め、友人とハイタッチ。

標高1,199.5m!!
色んな意味で、今までで「一番天に近づいた」瞬間。
この日は寒波の影響でかなりの寒さ、あたり「一面雪」のエクストラステージ。

看板の脇にはお地蔵さんが祀られたお堂がありました。
早速お参りして、ここまでの「道中の安全への感謝」を捧げ、「無事の下山」を祈りました。

頂上にはお地蔵さんがいらっしゃった。
お賽銭箱に賽銭するも、中の雪に埋もれてしまいました。

時間もちょうどお昼だったので、40分ほど休憩をとり、山頂で昼食を摂ります。お堂の脇にベンチがあったのですが、ぽっくりと雪が積もってまるで"かまぼこ"のような状態に。。笑
除雪をして支度します。

積もりすぎでしょ

足先に冷たさの残る中、昼食をサッと食べましたが本当に五臓六腑に染み渡る食事でした。一口食べた瞬間からみるみる身体が温まっていき、元気が湧いてくるのを実感しました。

【英彦山の洗礼】
昼食を摂っていると、私たちとは反対側の登山道から一人の方が登ってこられました。

その方も昼食のために同じベンチで相席することに。
お話を伺うと、ずいぶん下の山道からすでに膝上まで雪が積もっており、それを掻き分けて登ってこられたそうで、体温が冷えかなり消耗されていてガタガタ体を震わせていました。
おそらく低体温症の初期症状に近い状態だったように見えました。

これまでに英彦山は数十回は登っているが、この規模の積雪は初めて」とのこと。「またとない雪景色の時に来ることができてよかった」などと呑気に考えていましたが、この後の下山の事を考え、襟を正します。

お互いの無事の下山を祈る言葉を交わしてお別れし、手早く片付けしてから下山を始めました。

南岳を登頂してみて

絶景はあるもののやはり英彦山だけあり頂上は鳥居とお地蔵さんがおいてある質素な風景でした。さすがは修験道。
他に登っている方々も登頂後は静かに礼拝しては軽く休憩をとりさっと帰っていました。

四王寺の滝で軽くお話しした70代のご夫婦を南岳で礼拝している姿を見たのですが休憩も取らずにそのまま下山されていったので元気さに驚きしかありませんでした。

また、雪山の時期ということもあり登山客は少なかったのも修験道としては良い機会だったと思います。


今回は、登山中に通ったスポットと登頂までの登山記でした。
次回はラストまでの道のりを紹介した記事を投稿する予定です。
ぜひいいねか何かで記録でも残しておいてもらえればと思います。

前回:〜登山開始まで

次回:「材木石」〜大南神社(大南窟)〜鬼杉〜玉屋神社(玉屋窟)〜下山

【最後に】
現在、X(Twitter)では神仏習合に関して学んだことや実践したことなどを友人と一緒に発信しています。
過去にお手軽にひらがなを神代文字に変換するサイト(神代文字変換メーカー)など作っています。
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