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PMで大事だと思っている3つのコト

何者でもない相葉と申します。
相変わらずnoteの使い方に右往左往しています。

突然ですが、皆さんは人に仕事を押し付けるのって得意ですか?
私は結構得意です。
(何ていう切り出し方…)

アニメ会社で激烈な制作進行を経験し、ゲーム会社でもその洗礼を受けた私が思う、PM(プロジェクトマネジメント)におけるの大事なコツを書いてみたいと思います。
今までの経験から、2024年時点でコレだ!と思っていることなので、もしかしたら数年後には変わっているかもしれないけれども……
(あと、PMの仕事論や思考論は、腐るほど出ているだろうから、ご自身に合うものを参考にして頂ければよいかと思います。)


ゲーム会社におけるPM業務

ひとえにプロジェクトマネジメント(他の業種ではプロダクトマネジメントと呼ぶこともあるでしょうか)と言っても、業務内容は会社によって、かなり差があると思います。
ここで定義させて頂くゲーム会社のPMは、
各セクションとコミュニケーションを取りつつ、スケジュールやコストを管理して、プロジェクトを完遂・納品すること
です。
もちろん、業務の中には品質管理も重要な要素ですが、
あまりにも納期がヤバすぎる案件は品質管理とか言ってられない時が多々あるので……ひとまずそれは置いておき…

ざっくり言うと上記の通りなのですが、
もう少し嚙み砕いて言うならば、
○○さんに△△までに□□をやってもらうようにお願いして、
状況をちょいちょい確認して、期日△△までに成果物をもらってくる

っていう感じだと思う。(思っている)

アニメの業務で例えるなら……
アニメーターAさんに、8月31日までに、第1原画をやってもらうようにお願いして、8月28日頃に「状況どうっすか?」って聞いて、8月31日に原画取りに行くって感じ。
で、その上がり原画を次の工程に持って行くのが制作進行の仕事かな。
(ゲームで例えようとしたけど、素材があまりにも多くて難しかった。アニメの例で失礼します…)


PMで大事だと思っている3つのコト

①手元にボールを持たない
②単純接触効果
③+少しの賄賂

私が経験した中で大事だと思っている3つはこんな感じ。


①手元にあるのは時限式爆弾かもしれない

制作進行を行う上で一番大事なのは、手元に素材を持たないこと。
例えばゲーム内で使用するイラストの制作を進めているとして…

①ラフの制作(グラフィッカー)
②ラフ上がりをチェックしてもらう(ディレクター)
③ラフOKだったら彩色をお願いする(グラフィッカー)
④彩色上がりをチェックしてもらう(ディレクター)
⑤OKだったら、ゲームに組み込むために素材を送る…(デザイナー)

みたいな行程が必ずあります。
(上記はあくまでも一例ですし、担当もプロジェクトによって違うので念あしからず…)
ラフの上がりをディレクターに連絡するのが遅れてしまうと、その分、完成までにより時間がかかってしまいます。当たり前だけど…
なので、制作進行に求められるのは、一秒でも早く、素材を次の工程に進めること。

見出しで時限式爆弾って書いているとおり、素材は結構な頻度で爆発することがある
実はこの素材が後々になって、めちゃくちゃ重要な素材に指定され、確認先が急に倍増したり(=スケジュールが遅延する)、スケジュール通りに進んでいるなヨシヨシと思っていたら、突然担当のグラフィッカーが辞めて1から制作し直すことになる…など、爆弾的要素を孕んでいる可能性がある。

どこで爆発するか分からないので、手元に来た時点で、次の人にさっさと投げてしまうのが吉。
そうすれば、「あの素材どうなってる?」って突っ込まれた時も、「あ、既に○○さんにお願いしてます」って言えますしね……
定例(アニメ進行時代は吊るし上げ会議と呼ばれていた…)でされる、この追及が意外と怖いんですよね…


②単純接触効果

スケジュールを相談して、その期日までに作業をしてもらうようお願いして、成果物を受け取ってくる……という業務が基礎だとすると、
必然的に人と話す必要があり、コミュニケーションが不可欠になります。

比較的ゆとりのあるスケジュールで進められているプロジェクトならお願いもしやすいですが、現実としては、中々厳しいスケジュールで作業をお願いしなきゃいけない事も多々あるわけで……
当然、厳しいスケジュールで作業してくれ!と言われる身になれば、
PMの人が、どんな雰囲気で仕事を持ってくるか…が重要になるわけです。
威圧的な態度で「これ△△までにやってください」って言われたら、
絶対やりたくなくなるよね……
(まぁ会社所属だと拒否権もないんだけどさ……)

そんなとき、制作進行の人柄がモロに影響してきます。
日頃からコミュニケーションを取って、そこそこ親しくなっておくと、
仕事がダンチで依頼しやすくなります。
意外とこの業界、「仕事の話でしか、自分のデスクに来ない人間」に対してちょっと厳しい。
だからといって、突然しゃべりに行ってダラダラ話しても邪魔だし、
共通の話題を探すのにも時間かかるし、そもそも年代も性別も違えば、何を話そうか悩むよな~、そもそも人と仲良くなるの苦手だな~という方は、是非「単純接触効果」をトライしてみて欲しいです。

単純接触効果: mere exposure effect)は、(閾下であっても)繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。

Wikipedia先生

いわずもがな、これですね。
恋愛じゃなくて、ゲーム業界の仕事に合わせると以下の通り。

①1分くらいで良い
通路ですれ違ったとき、リモートなら本題に入る前のちょっとした時間。
出社していたら、その人のデスク近くに行ったとき…など。
会話を長く続けようとしなくていい。
ただ、迷惑ではないタイミングで話しかけること…

②話題は何でも良い
天気、休日の過ごし方、プロジェクトのちょっとした話……
私は、相手の好きな作品を知ってたら、その作品の話を振ってたかな…
「今週の○○見ました?めっちゃ良かったですよねー」くらい。
あとはシンプルに挨拶ですかね。

③回数を重ねる
とにかく回数が大事。次第に相手も質問を返してくれたりする。

下準備としては、結構時間がかかりそうなものですが、
出社していたりすると、意外とチャンスは多く訪れます。
(私は、近くのコンビニで遭遇した時や、出社してドリンクサーバーにいた時などで声をかけていたことが多かったですね)

相手も人間ですから、やっぱり自分に興味を持って話しかけてくれる人には、優しくなってくれます。
「これ……スケジュールめっちゃ厳しいんですけど…すません…」
とお願いしに行ったとき、少しでも関係値がある人だと「しょうがないな~」って渋々ながらも引き受けてくれることがありますので、
是非日頃から単純接触しまくってみてください。悪いことは何もない…はず…!


③+少しの賄賂

上述の単純接触効果に加えて、結構利くな…!と思っていたのが、
「ちょっとした賄賂」もちろん、お金ではありません。
私は、小さめのお菓子を渡したりしていました。

ゲーム会社、アニメ会社のいい所は、割と自由な時間にお菓子を食べることが出来、オフィス内にお菓子やスナック、飲み物などの「オフィス置き菓子」の業者さんが入っていることですね。もちろん会社の方針で入っていたり、いなかったりはありますが……
昨今の健康志向的に賛否はありそうですが、コンビニに行かなくても小銭さえあればお菓子を買えるのは嬉しいものです。

そのお菓子(~100円くらいで買えるもので良いと思います)を買って、
手渡したり、デスクに置いたりしていました。
もちろん毎日ではなく、たまに、ですが…

アニメ制作進行のときに、作画監督さんから「この間のクッキーめっちゃ美味しかったわ~」と言われた時には、良かった~!(効果あったわ~)と思いましたね。
(ちなみにこの時は、かなり無茶なスケジュールで依頼してたので、少しお高めのクッキーをプレゼントしていたのでした…)

相手がイラっとするような納期、トラブルがあったときなどは、
そっとデスクに置いておくだけでも効果あります。


プロジェクトを円滑に進めるとPになれる…カモ!?

ゲーム会社の進行管理は、クリエイティブな仕事じゃないしな…と敬遠されている方、そんなイメージも強いかと思いますが、
実はプロデューサーの一歩手前の業務です。

というのも、仕事の出来る敏腕プロデューサーは、
本当に人に仕事を押し付けるのが上手い!
感心してしまうくらい、マジで上手い

しかも、割とそういう人って、笑顔でニコニコしながら「ごめんね~お願い~」って言ってくるし、立場関係なく、フレンドリーで気さくに話してくるから思わず「しょうがないですね~」って引き受けてしまう。
(…で地獄を見る)

進行管理の仕事術は、かなり多くの方が、それぞれ持論をお持ちだと思うので、これという正解はありません。
再三申し上げますが、業種によっても、会社によっても、案件によっても違うからです。
ですが、プロジェクトが無事に終わると、自身のキャリアアップや自信、そしてモチベーションにも繋がります。
是非、ご自身のコレだ!というPM術を模索してみてください。
(そして是非私にも教えて頂きたいです!)

ちなみに私は、プロデューサーもディレクターも経験しておりまして、
1本ローンチからリリースまでの全工程をまるっと、やりきったことがあります。
(死ぬほど地獄でしたけど…)
なので、今回noteに書いたことは、きっと、多分、そこそこ活きている…はず…

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