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【シゴト論】心に残った言葉シリーズ①値付けと商品価値の話

お客様にとって予定した以上の人数を採用出来たのは良いことだよ。でも、それが商品の価値を下げる可能性があることについては考えている?

新卒で入社した会社で求人広告の法人営業をしていました。当時は確度の高そうな案件は上司に同行してもらいクロージングを狙うということもあり、その時移動中に頂いた言葉です。確か田町だったなぁ。
※数年前ということでうろ覚え部分があるのと、特定を避けるため一部編集していますが、書きたい趣旨は変わりません。

当時私は自動車整備士の求人を担当しており、掲載が始まって数週間、広告の制作担当から電話がありました。

「予定採用者2名のところ4名採れたぞ!」

この電話に私はかなり喜びました。そのお客様の会社ではそもそもの応募数が少なく他媒体では苦戦しており、採用まで至らないケースが殆どだったためです。

そんな私の様子を見て、冷静に上司が冒頭の一文を私に言ってくれました。けれど当時の私は採用出来たうれしさだけが頭の中を支配しており、最初は全くピンと来ていませんでした。採用出来たのになぜそんなことを?と。そんな私の様子を見て上司は続けてくれました。

上司「今回の広告掲載料はいくらだったのかな?」

私「20万円です。」

上司「ということは先方の予定採用単価は10万円だったんだよね?」

私「そうですね。」

上司「今回4人採用出来たということは先方にとっては採用単価は5万円になっている。採用出来たのは喜ばしいことだけれど、先方の中ではそれがベースになっている訳で、スタートで握っていた採用単価の半額になっているよね?つまり相対的に商品価値は落ちることになる。だから今後も採用をお手伝いするのなら、そこを擦り合わせないといけないよ。」

この言葉に目から鱗が落ちる思いがしました。恥ずかしながら当時は売上を立てること、そして一度掲載されればお客様が採用出来るか否かだけが私の関心時でした。けれど、お客様と長く付き合っていくためにも商品自体の価値を考えることはしっかり考慮しなくてはならないと学んだものです。

さて、2019年現在なぜそれを思い出して書いているかというと、今新規事業の値付けで毎回のように悩むからです。

前職の報酬体系が大体頭に入っているので、それをベースにしつつ諸経費と私の人件費、案件の難易度等を考慮し利益が出るか否かを踏まえて判断しています。

ただ、正直今は値段以上に実績が喉から手が出るほど欲しい!

という思いもあります。

前職までの実績はあくまで会社の実績と見なされがちですし、また私秋田県の鑑定士の中で最年少なんですよ(34歳なのに)。若そうだけど大丈夫?と見られることもままあります。

だからこその実績、独立以降こういう案件をやってきましたという事例が欲しい。そのためには価格は低位でも良いのではないか?そんな自問自答を繰り返す中で、いやいや待てよとブレーキを掛けてくれているのが冒頭の言葉です。

こちら都合のディスカウントはお客様には一切関係がありません。それこそ下げた金額自体がお客様にとってのスタンダードになる。そしてこれは経験則ですが価格は下げるのは簡単でも、上げるのはめちゃくちゃ難易度が高い。

だからこそ、最初の局面で安易な値引きはしない。するなら相応の理由を付けて常態化しない。というのを今一度自分に言い聞かせたいと思います。目先ではなく、長い目できちんとお客様に貢献出来るためにも商品価値って大事だなというお話でした。がんばろ!

#シゴト論 #心に残った言葉 #仕事 #上司 #価格設定

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