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「街の小さな映画館」第9回 大分 シネマ5

塚本晋也が撮る!ミニシアターの魅力を伝える動画「街の小さな映画館」第9回は、大分市内唯一のミニシアター、シネマ5さんです!閉館する映画館を館名もそのままに継承するかたちで昭和最後の日である1989年1月7日に開館した映画館。代表の田井肇氏は地域の映画・映像文化を担う組織が中心となって構成されるコミュニティシネマセンターの代表もつとめています。初公開時、『野火』を自主配給することにした塚本監督が同団体主催の「全国コミュニティシネマ会議」(全国各地で映画上映を行っている人たちの情報交換と交流の場)のパーティーに自ら売り込み営業に行った際に、真っ先に上映を決めた劇場さんのひとつでもあります。

公開された動画では、隠れ家感のある入り口から、清廉と整えられながらも探索心をくすぐるつくりのロビー、喫煙ルームに飾られた市川崑監督の『股旅』のポスター、趣のある映写室などを辿ります。インタビューでは代表の田井肇氏が現在そして今後の社会において映画館で映画を観ることの意義を語っています。

第9回 シネマ5

【塚本監督からシネマ5へ】
ビルの小さな入り口に入り、階段を上ると、落ち着いた雰囲気の映画館が待っている。丁寧に長い時間大事にされてきた静謐の空気がある。
支配人の田井さんは、全国に広がるコミュニティシネマセンターの代表理事を務められ、動画のコメントでは田井さんらしく謙遜されているが、色々な映画館から「田井さんに助けてもらった」、「田井さんに優しくお声がけいただいた」、という声をよく聞く。
喫煙室には大好きな「股旅」のポスターが貼られてあり、心をくすぐる。大人の人の手がかかったミニシアターの中のミニシアター、です。

シネマ5
大分県大分市府内町2-4-8 若竹ビル2階 TEL:097-536-4512
シネマ5bis
大分県大分市府内町3丁目7-7 セントラルプラザ地下1階
http://cinema5.gr.jp/
座席数:シネマ5・74席/シネマ5bis・168席
 
昭和天皇崩御の日である1989年1月7日開館。映画最盛期、大分市だけでも20館近くの映画館があったが、1980年代にはロキシーが経営する映画館5館と、セントラルが経営する4館のみとなっていた。当時、ロキシーが経営していた映画館のうち、最も小さかった5番目の劇場「シネマ5」を閉館することになり、湯布院映画祭の中心メンバーだった現代表の田井肇氏がそこを借り、それまで映画サークルが上映するのみだったミニシアター系の映画を上映する映画館としてリスタートすることになった。こけら落としは『ベルリン・天使の詩』。続いて2011年代に閉館を決めたセントラル劇場のうちの1館を借り受け「シネマ5 bis」として2011年3月12 日にリスタート。(bis=ビスは、2番目の意味)こけら落としは『英国王のスピーチ』。代表の田井氏は、フィルムライブラリー及びアーカイブ、美術館、地域型映画館、公共ホール、映画祭、自主上映団体、図書館、学校など、地域の映画・映像文化を担う組織が中心となって構成されるコミュニティシネマセンターの代表理事もつとめている。
 
【『野火』上映記録】
2015:7月5日(先行上映)/7月25日~8月21日 *舞台挨拶:8月5日
2020:8月8日,9日,13日,14日
2022:8月12日

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