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身近な場所ほど、ドラマが溢れている。

 映画「almost people」で、脚本家の男性がボイスレコーダーに身近な場所の会話を録音して集めているという場面が出てきたが、私も以前から同じような事をしていた事を告白する。因みに私の仕事は書く事に纏わるものではなく、あまり深い意味もなく面白い会話を聞くと、携帯電話のメモに残したり、手帳を持っていたら、その場で書いたりしていた。

 それらを集めて後から読む事で、人間の持っている深層に迫る事が出来たような気持ちになってしまっていた。また、人のやり取りの中で、偶然に居合わせてしまったけれど、その行く末が凄く気になり、こちらまで緊迫した心境になりその結果、経緯を書き記した事もある。

 先日、筋トレのインストラクターの方にその話をしたら、「〇〇さん、そんなことしてるんですか!面白いっすね」と言われた。やはりあまり良い趣味ではないかもしれない。

 先日、こんな事があった。20歳そこそこくらいの、学生と思われる女性が3人で世間話をしていた。私は、側で履歴書を書いていたように思う。彼女たちはメイクの方法について話したり、コスメ用品について詳細に意見交換をしていたので、興味を惹かれて聞いているつもりは無かったがいつの間にか耳はダンボのようになっていた。

 わいわいと話も佳境に入ると、彼女たちの1人がこう言った。「ほら、私って童顔じゃん?」すると他の2人は全く今の発言が聞こえなかったかのように、互いに喋り始めた。私は「あれ、今のは聞こえなかったのかな?」と思った。すると、始めの彼女が再び「ほら、私って童顔だからさ」と言う。

 他の2人は、全くそれには触れずに、会話を続けていた。これはどうなってしまうのだろうか?!スリリングな展開になってきたぞ!そう思った瞬間「これ、面白くない?」と何やら画像を他の子が見せて会話は180度違う物へと変化していった。多分私は、こういう時の人が抱く心境や、相手がいればその様子などに興味が人よりもあるのかもしれない。

 多分彼女たちはまだそこまで親しくはない。もし距離が近い間柄ならば「童顔って程じゃなくない?」とか「そうかも、でも普通自分で言わないよね、さすが〇〇」など明確な返しがある筈なのだ。今回はそれは無く、しかも全く違う会話に移行していった。

 人と人との関係性は言葉だけでは推し量れないが、それと同時に相互の間柄をやり取りの中から見出す事も出来る。それって物凄く興味深いし、ずっと私が好きな事かもしれないな、とぼんやりと思った。そんな火曜日。

 石川さゆりさん、お誕生日おめでとう。パフィーの由美ちゃんお誕生日おめでとう。私、誕生日おめでとう。そして祖父の命日。頑張って楽しい歳にするぞ!と床にゴロゴロしながら今日もぐうたらする。


 

#almost people

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