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富士見台トンネルについて

はじめまして、名城大学建築学科佐藤研究室3年の横井悠介です。
今回は12月3日に見学させて頂いたノウサクジュンペイアーキテクツの富士見台トンネルについてお話させていただきます。

3日の午後に国立駅に集合して、能作さんの案内のもと富士見台トンネルに向かいました。
20分ほど歩いたところで、見覚えのあるのれんが目に入ってきました。

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2面の大きな開口で囲われた奥行きのある内部空間は、まさにまちに現れたトンネルのようでした。

前面のガラス面には、各プレーヤーが行うお店やイベントの予定がぎっしりと書いてありました。

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実際に中を見学させていただいたのち、能作さんに淹れていただいたCORAL COFFEEとともに、富士見台トンネルのことや実際の運営の方法など様々なお話を頂きました。

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その中で今回は、富士見台トンネルの空間の作られ方についてお話しします。

このシェア商店でとても興味深かったのは、まちの人全員を平等に対象にしていないことです。拒みはしないけれど、大々的に開くことはない場として運営されています。

緩やかな境界づけの手法として、特徴的なのれんとガラスの建具で内外を境界づけています。読めないロゴののれんは、好奇心の強い人を受け入れ、それ以外の興味が薄い人が入らないようにしています。また、床から梁まで届く大きな片開き戸は大きな動きをするために、中にいる人へ自分が来たことを知らせます。そのため、戸を開けるハードルを上げています。

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内外の境界部に小さなハードルを設けることで、拒むことはないけれど、大々的に開かない空間を形成しています。実際に、街ゆく人々は中で話す私たちを不思議そうに見つめているのみで話しかけに入ってくることはありませんでした。この絶妙な距離感は自分の中で、あまり感じたことはなく、これからの設計において新たな視点となるような気がしました


内部空間でも、キッチンのあるボックス前面とそれ以外の空間で緩やかに領域づけられていました。

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キッチン前面に座ると、キッチンに立つ人が主役のステージを見ているように感じました。
奥のワークスペースからは、少し距離を置いてキッチンの前にいる人たちと空間を共有している感覚でした。


今回の見学では、建築を実際に見に行くことの大切さを再確認しました。実際に案内していただいた富士見台トンネルも、入ってみて初めてわかることだらけで、紙面との情報量との差を痛感しました。このコロナ禍で難しい状況ではありますが、実際に空間を体験できる機会を大切に過ごしていきたいと思いました。

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