【勝手に人生相談 No.63】看護、介護の日々にむなしい(東京都・50代女性)
雑誌や、新聞などに掲載され、高名な先生方の回答済みの人生相談の中から、この【勝手に人生相談】にピックアップ。身の程知らずの<やまのぼ>が、その相談に対する、独自の回答を試みています。
▼ご相談内容▼
50代の主婦。
10年前、息子の受験のために仕事を辞めましたが、まるで私の退職を待っていたかのように、それから看護、介護ばかりの日々でした。
まず知人が大病し、1年看護してみとりました。続いて伯母が脳梗塞で倒れ、入院先へ数ヶ月通いました。
やがて義父の介護が始まり、私の父も認知症を発症。父は母が介護していますが、母をサポートしなければなりません。
近年は交通事故に遭った伯父の世話にも関わりました。いずれも子どもがいないか、いても頼りにならないのです。
逆に言えば私をかわいがってくれた人が多いということで、恩返しだと考えて頑張ってきました。
今、父母以外の親族は施設へ入居し、以前よりは少し落ち着いて過ごせるように。しかし、私は本来の人生を生きていないように思えてしまいます。
なぜかやる気になれず、一日を無為に過ごし、むなしい気分になります。どうすればよいか助言が欲しいのです。(東京都・50代女性)
▼やまのぼ回答▼
人生には、その人の越えられない壁は、その人の前には立ちはだからない!と、しばしば言われたりもします。
が、ご相談者の次から次と、押し寄せてくる艱難辛苦な境遇に対して、「お察しします!」という慰めの言葉の非力さに、己の忸怩たる思いが多分にあります。
でも、あなたの考え方には、ひとつだけ間違いがあります。
あなたは、本来の人生を生きていないように思えてしまいますとのこと。
ですが、あなたが思い描かれている「本来の人生」とは、どういう人生のことなのでしょうか?
楽しく可笑しく、何の苦労もなく、平々凡々の毎日を送ることが、「本来の人生」なのでしょうか?
人間と生まれたからには、苦しみも悲しみも、無縁ではありません。あるのは、その大小の違いです。でも、その違いは心の持ちようで、なんとでもなるもんだと信じています。
翻って、あなたの看護と介護の日々は、受けた人々に、どれほどの安堵や癒しを与えられたことでしょう。
あなたのように、みなさんに悦んでもらいながら、恩返しができた人生こそ、「本来の人生」で、なかったのでしょうか?
むなしい気持ちなど捨てて、充足感に浸りながら、人生の折り返し点で、美味しいモノでも頂きながら、これからの素晴らしい未来を描いてみてはどうでしょう?
★次回の【勝手に人生相談 No.64】は、京都府・20代女性のご相談です。「友人に結婚祝いをなぜ?」を、予定しております。★
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