見出し画像

後継者が見つからない方へ>M&Aや事業提携とDX推進に考えるシステム統合の課題

見出し画像:Gerd AltmannによるPixabayからの画像

【今日のポイント】
中小企業でも、新型コロナによるオンライン化やAIなどの新技術の発展により、DXに取り組む機会が増えてくるかと思います。

また、事業承継などの面からM&Aや事業提携などの機会も増えて来ていますが、
この2つが組み合わさったときの、システム統合などの課題も今後さらに重要性を高めその対応を今から想定しておく必要性も出てくるのではと考える次第です。


1.中小企業のDX推進

中小企業においても、個別の部署業界や業務から始まって、企業全体、さらにはサプラーチェーンなど社外まで含めたものまで、様々なレベルでデジタル化(DX)は、欧米などと比較すると遅れてはいますが、それでも少しづつですが進み始めていると、昨今のニュースや、以下の総務省の白書、中小企業白書の記載などからも感じることが多くなってきています。

●出典:総務省 『令和5年度 情報通信白書(2023年7月)
第2部 情報通信分野の現状と課題_第11節 デジタル活用の動向_2 企業活動における利活用の動向_(1) 各国企業のデジタル化の状況

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd24b210.html

『大企業では約25%、中小企業では70%以上が「未実施」と回答』企業規模によって、DXの取り組み状況に差異が生じていることを指摘しています。

●出典:経済産業省 『産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)』

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html

産業界のDX推進に向けて、2022年9月に改訂された「「デジタルガバナンス・コード」やDX認定制度などの施策を紹介しています。

●出典:経済産業省 『2023年版中小企業白書・小規模企業白書をまとめました』
2023/4/28の経済産業省のリリース記事。

https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230428003/20230428003.html

⇒中小企業のデジタル化に向けて、各種支援等の見える化や支援機関同士の連携促進などを目的とした共通基盤の構築について触れています。

●出典:経済産業省 中小企業庁 『中小企業白書(2023年版)_第2部 変革の好機を捉えて成長を遂げる中小企業_第3章:中小企業・小規模事業者の共通基盤』

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap3_web.pdf

デジタル人材の不足など、中小企業のデジタル化、DX推進における課題と施策や取り組み事例などについて記載しています。


また、行政に対する申請などのデジタル化も以下の特許庁の記事のように進められています。

●出典:経済産業省 特許庁 『申請手続及び発送手続のデジタル化について(概要)』
2023/9/25の特許庁のリリース記事。

https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/tetsuzuki_digitalize.html

中小企業でも新型コロナによるオンライン化やデジタル技術の進展に伴い、DXに取り組む必要性は高まることが予想されます。

また、国や自治体の行政に加えて、民間のDX推進機関や企業によるDX推進サービスも色々な形で始まっているので、今後の展開に期待する次第です。


Joseph MuciraによるPixabayからの画像

2.中小企業のM&A(事業承継など)

DXとは別に、M&Aスタートアップの出口戦略や、大手企業の新規分野参入に加えて、事業承継の手法などとして、中小企業でも少しづつ定着し始めていることが、以下の経済産業省の記事などからも窺えるかと思います。

●出典:経済産業 『「中小M&Aガイドライン」を改訂しました』
2023/9/229の、経済産業のリリース記事。
https://www.meti.go.jp/press/2023/09/20230922004/20230922004.html

この『中小M&Aガイドライン(第2版)』( https://www.meti.go.jp/press/2023/09/20230922004/20230922004-b.pdf )では、M&Aを進める上でのシステム利用として、M&Aプラットフォームを取り上げています。

●出典:経済産業省 中小企業庁 『中小企業白書(2023年版)_第2部 変革の好機を捉えて成長を遂げる中小企業_第2章 新たな担い手の創出_第1節 事業承継・M&A』

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap2_web.pdf

事業承継前後における後継者の取組やM&Aで期待した成果を出すための取組について分析しています。

M&Aについても、DXと同じく、行政に加えて、民間の支援サービスなども始まっていることは、各種プレスリリース記事などからも、つとに感じるところです。


Gerd AltmannによるPixabayからの画像

3.銀行その他のシステムトラブルとの類否による今後の課題

上記のように、中小企業においてもDXとM&Aは進みつつありますが、

かなり前になりますが、大手銀行の合併時に、銀行システムの統合において多くの課題が発生したように、

中小企業においても、個々のDXやデジタル化が進むと、その内容やレベルは各社異なるだけに、M&Aや事業提携においては、システム連携などにおいても多くの課題が発生することは予想に難くないかと思います。

前述の、経済産業省の中小M&Aガイドライン(第2版)( https://www.meti.go.jp/press/2023/09/20230922004/20230922004-b.pdf )でも、M&Aの最終契約締結や各種決済(クロージング)終了後の一定期間内に行う経営統合(PMI(Post-Merger Integration))の中で、経営統合として行う作業として、
業務フローの引継ぎ・業務管理体制の構築やIT 統合等にも触れています。

なお、上記のM&Aガイドラインの中で紹介されている、『中小PMIガイドライン~中小M&Aを成功に導くために~』(2022年3月 中小企業庁) ( https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/pmi_guideline.pdf )では、ITシステム分野についても相手企業の調査であるデュー・ディリジェンス(Due Diligence、DD)の項目や、PMI(経営統合)の作業項目の一つとして記載しています。


上記のように、すでに、中小企業のM&Aにおいても、システム統合などのIT関連の課題は認識され、取り組みも始まっていますが、

現在のように、AIやオンライン化など、DXの技術とその適用が急速に発展し、中小企業にも及びつつある状況では、この、M&Aや事業提携時にDXが及ぼす影響も更に大きくなることが予想できるかと思います。

現時点でM&Aなどは必要ないと考えている中小企業でも、今後の状況変化では、自社が他企業やその事業の一部を取り込む可能性を想定して、DXを進める際のITベンダーや、システムの選択において、検討項目の一つに加える必要性が、今後高まってくるのではないかと感じる次第です。


Gerd AltmannによるPixabayからの画像

【今日のまとめ】


・中小企業でも新型コロナによるオンライン化やデジタル技術の進展に伴い、DXは官民の支援も後押しして進み始めることが予想される

・また、事業承継などのニーズから、中小企業のM&Aも定着が進むことが予想される

・すでに、M&Aや事業提携時におけるITシステムの統合の課題は認識され、対応も始まっているが、今後は更にその課題は大きくなり、現在M&Aを考えていない企業でも、DX推進時に考慮する必要性が高まる可能性を感じている


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?