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今までの努力を無駄にしたくない方へ>ピンクのパイナップルに考える「温故知新」の活用

【今日のポイント】

切って見ると中身はピンクのパイナップル。結構驚かされますね。
このバイオなど先端技術で実用化される新製品は、今後も登場してきますが、そこに、過去の研究開発や事業開発の事例を組合せる「温故知新」は、今後更に重要となり、そこでは、自社の今までの取り組みとその成果を整理して活用することが、「自社の見えない強み」にも繋がるものと考える次第です。


1.ピンクのパイナップル?

2023/9/1の1日5分ビジネス英語( https://matt-english.com/category/podcast )に、以下の記事が掲載されていました。

『ピンクパイナップルの台頭 The Rise of Pink Pineapples』
https://matt-english.com/podcast/20230901

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『コスタリカで主に栽培されているこのピンクパイナップルは、見た目は普通のパイナップルだ。
スライスしてみると、鮮やかなパステルピンクが顔を見せる。
黄色いパイナップルよりも甘く、酸味が少ない。
特筆すべきは、このパイナップルは天然のものではなく、そのユニークな色と味を出すためにバイオエンジニアリングされたものだということだ。』

2023/9/1の1日5分ビジネス英語 https://matt-english.com/podcast/20230901 

このパイナップルはデルモンテが開発・商品化したとのこと。
上記の記事には、動画も紹介されていますが、確かに切った断面を見るとピンク色でびっくりしました。

 かなり以前に、出荷のときの箱詰めがしやすいように、直方体に育てた果物のニュースを見たことがありますが、
色々な色や形の変わったフルーツや野菜が今後も出てくるものと、興味深く感じた次第です。


SecurityによるPixabayからの画像

2.最新技術と過去の研究開発事例との組合せによる「温故知新」

 上記の記事や、Googleなどの巨大IT企業も参入して進めている農業の自動化システム、最近の都市型農業への各国での取り組み、やはり1日5分ビジネス英語に掲載されていた、電気刺激による野菜の成長促進と品質向上(18~19世紀の研究開発の復活)などの記事を読むと、

「IoT、ロボットなどの先端技術と過去の知見が組み合わさって、農業の進化を加速する」様子が窺えると感じます。

『過去を蘇らせる:電気は植物の成長と風味を高めることができるか? Reviving the Past: Can Electricity Enhance Plant Growth and Flavor?』
2023/5/11の、1日5分ビジネス英語の記事。
https://matt-english.com/podcast/20230511

 カラフルな色などのファッション・デザイン(外見)や風味をバイオテクノロジーや従来の品種改良などで実現して付加価値をつける事は、最近デパートなどでも見かける白いイチゴなどの例からも、農業のマーケティングや収益性向上の面から幅広く使われている方法と思います。

 この様な見た目の美しさや面白さに加えて、栄養価や生産性向上、環境負荷の低減など農業に関するあらゆる課題について、
Googleの自走型ロボットや野菜工場などの先端技術が、上記の電気刺激の研究や、以下の記事の研究事例のデータベースなどに掲載されている今までの研究内容を新しいニーズと技術で復活させる「温故知新」にも活用されて、農業の高付加価値化や生産性向上などを推し進めるものと感じた次第です。


『果実の品質構成要因の解明と評価法の開発』
2023/8/12の、農林水産省のサイト「アグリサーチャー 農業研究見える化システム」( https://agresearcher.maff.go.jp/ )の記事。
https://agresearcher.maff.go.jp/kadai/show/48004


u_wqqh87ok4gによるPixabayからの画像

3.自社の今までの取り組みと得られた知見をデータベース化し、関連する技術分野の過去及び現在の取り組みなどの情報収集に活用する

上記は農業での先端技術活用の事例でしたが、各分野で、AIやDXなどを始めとした先端技術の利用が進んでいることは、普段のニュースや自社の周りの状況などを見ても感じていらっしゃることかと思います。


また、特許庁の特許情報データベース 「J-PlatPat」( https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ )の様な公的データベースや、Google Scholar ( https://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja )のような検索サービス

先日のブログトピックス『知的資産経営報告にみる、中小企業のDXの工夫』でご紹介した、知的資産経営報告書などの他者事例など、
自社業界や新規市場開拓を考えている分野などごとにも今までの取り組み事例の情報はネットからも利用しやすくなって来ているかと思います。


最新技術の情報に加えて、世の中の今までの技術開発の情報を取り入れる
ことは、「温故知新」の活用としても重要ですが、
その際には、まず、自社の今までの取り組みについて、その技術や開発途中で得られた知見を整理して、
・似たシーズやニーズについて他者ではどの様な技術開発を行ってきたか、
・また自社の技術では解決出来ない(出来なかった)課題を解決するために必要な技術開発事例はないかという視点で情報収集を行うことを、
自社の今後の技術開発に有用な知見を得る上でも効率的かつ深い洞察を得られる「自社の見えない強み」の取得の上でも、お勧めする次第です。

Arek SochaによるPixabayからの画像

【今日のまとめ】

・ビンクのパイナップルのように、野菜や果物の新製品の開発余地はまだまだ大きく、そこではバイオなど最新技術も活用されている

・最新技術と過去の技術開発の知見を組合せる「温故知新」は、AI、IoTなど汎用性の高い技術が出てきており、最近のニーズ変化が激しい現代には更に重要となってくる

・過去の技術開発事例などを探す際には、まず、自社の今までの取り組みとその成果を整理して、似た事例や補完してくれる事例・技術を探すことが有効と考える


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