「言葉の慣れ」に気を付ける。
人間は「習慣の奴隷」です。
良いことでも悪いことでも、慣れ親しんだものは、あまり考えずに続けられるようになります。
勉強や運動も習慣になると、逆に止めることがストレスになります。喫煙や飲酒、時には虐待までも、習慣になります。
同じくして、「言葉」というのも、最初は衝撃的なものでも、慣れてくると、何も感じなくなってしまうものです。
医療用語で、私が慣れてはいけないと思う用語があります。
それが「帝王切開」です。いまや日本でも出産時の帝王切開比率が20%を超えています。
ブラジルやエジプト、トルコなど高い国では50%を超えています。
もはや、医者に「自然分娩」にしますか?「帝王切開」にしますか?って言われたら、するっと大きな感情が出てこないくらい私たちはこの言葉に慣れ親しんでいます。
いやいや、帝王切開ってかなりの大事故ですよ!
江戸時代で言えばハラキリ!医者じゃない人がやったら懲役5年とかになるくらい、重傷の傷害罪です。
全然さらっと流すわけにはいかない言葉!
後遺症で、慢性的な下腹部痛、膀胱の機能障害、腸閉そくなど腸の機能障害、月経異常、強い生理痛、生理以外での出血、不妊などの原因になります。
お腹を切るということは、これだけ大それたことなんだということを、しっかりと認識して、判断すべきです。
決して、分娩中の切羽詰まったときに、「赤ちゃんの安全のために帝王切開しますか?」なんて、ひどい二択を迫らせてはいけません。
赤ちゃんの命と天秤に懸けられたら、お母さんが拒否できる訳ないじゃないですか。
そもそも、医者は、人の健康を司るのが使命でしょう。であれば、お腹を切らずにどうやったら安全に分娩ができるのかを、優先順位一位で当たり前に考えなきゃいけないよ。
これだけの後遺症がある大手術を簡単に選択するべきではない。お母さんの術後のQOLを著しく下げるのですから。
「帝王切開」という言葉も、なんとなくかっこよくしてるのもいけない。
ちゃんと「例外的開腹分娩手術」的なことが伝わるネーミングにしとかないとダメです。
人間以外の動物はずっとずっと自然分娩なんです。男性の立場から強制はできないですが、あまりに言葉に慣れ親しみ過ぎて、簡単に「帝王切開」を選択できてしまう、現在には警鐘を鳴らしたいと思います。
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