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映画「ジュラシックパーク」で気付いたこと。

こんにちは。アーティストのノブです。

今回は映画「ジュラシックパーク」をミニッツライナーしてみたので気づいたことを記そうと思います。

まずはじめにミニッツライナーとは、
映像の一分間を一行ずつに文章化し、まとめていく作業です。2時間の映画なら120行を要することになるのです。
このミニッツライナーとは岡田斗司夫さんが名付けたものです。
※発案したわけではありません。元々海外ではやっているトレーニングだそうです。

これをやっているといろいろ気づくことができました。

まず、この映画をどんなジャンルと説明すると、おそらくSFパニック映画というジャンルになるかと思います。

まず「映画の構成」です。

まずこの映画がどんな映画か、どんな雰囲気か。を本編スタートからわずか3分で説明しています。
そして、パニック映画ですのでそこで観客を引きつける演出がうまくできていました。
次に映画の基本である登場人物の説明をしています。
しかし、この映画のすごい所は映画の目玉である恐竜の登場が開始約20分まで登場しませんでした。
恐竜の存在だけを感じさせ、すぐに出さず、飽きさせないのはスピルバーグ監督の演出力の高さでしょう。もちろん比較するのも失礼ですが、素人の監督ならおそらく目玉をすぐに出したくなるはずです。

そしてなぜ恐竜が現実に存在しているのか?という疑問をすぐに説明してくれる方法になっています。
観客が疑問を持たずに映画の世界に入れるようにうまく作っています。

そして、この映画のベースにある「パニックの演出」もまた工夫がうまくできております。

この映画の中では似た演出を3回見せています。
まず「恐竜の足音と振動」です。
足音は音で演出できますが、振動というのは映像で表現できるのは難しく、例えば大地震のような表現をしようと思えば、それはわざとらしくなり、観客も冷めてしまいます。しかし、やはりスピルバーグの演出がうまいですね。車の中にあるコップの水の振動を映すことによって、振動と恐竜が近くにいる事を表現したのです。そして、それが恐怖を助走をつけさせる効果となっていました。
2回目はまた同じく振動ですが、今度は地面にある水たまりを映すことにより、同じ効果を生み出していました。
そして、最後の3回目はゼリーです。
これもまた振動ではありますが、その前の2回とは意味合いの違う振動です。壁に映る恐竜を映すことで近くにいることを示し、そしてレックスという少女の持つスプーンの上のゼリーの震えによって、恐怖からくる体の震えの振動をナチュラルに大きくわかりやすく表現していました。

物をつかって振動を表現する演出はこうやってミニッツライナーをしないと気づかないものです。一分間見て、映像を止めて、言語化する。
その作業によってこの一分間を数分間じっくりと考えることができ、はじめてそういった演出の工夫に気づくことができるのです。

じっくりとパニック演出の時間帯を見てみると
冒頭に一回、そして、映画の中盤でかなりパニック演出を多用し、その後は緩急を使って恐怖に導く演出をしています。
恐怖を感じさせる演出の密で言えば、中盤が一番濃いと言えます。

どちらかと言えば、イメージでクライマックスのために最後の方にそういった演出を詰め込んでいるのかと思っていたので、かなりこの結果には驚いていました。
終盤に関しては登場人物の心の変化など伴い、緩急を使い、恐怖心を倍増させていたことがわかります。

ボクシングに例えると、
冒頭…軽いあいさつ程度の一発
中盤…ジャブを繰り返し放つ。
終盤…緩急を使ってパンチを放つ

といったイメージです。

やはりミニッツライナーをやらないとわからないことがわかりました。
ぜひ皆さんも興味があればやってみてください。





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