私がケロロ軍曹だった頃

小学3年生の頃、私はケロロ軍曹だった。

当時、アニメ「ケロロ軍曹」にハマっていた私は仲の良い友人たちを巻き込んで、休み時間に
“ケロロ軍曹ごっこ”をしていた。

どんなきっかけで集まったかは覚えていないが、

私を律義に「軍曹さ〜ん♡」と呼んでくれるタママ役の女の子

何かと銃をブッ放ってくれるギロロ役の男の子

その子自身もメガネかけてたのもあり、かなり解釈が合ってたクルル役の男の子

傷つきやすい面まで丁寧に演じてたドロロ役の女の子

彼ら彼女らと共に私はケロロ小隊を結成し、アニメの最新話のマネをしたり、オリジナルの設定を考えたりしていた。

あまりに私たちが楽しそうにやるもんだから、この小隊にドンドン仲間が増えていき、ちょっとした劇団のようになっていた。
夏美役、冬樹役のアニメにレギュラーで出ている役の子もいれば、零夜叉役やアリサ=サザンクロス役など、かなりマニアックな役の子もいた。
今は思えば、登場回数少ないキャラも抑えなきゃいけなかったということは、この遊びに参加してた人数は不定期参加込みで30人以上いたんじゃないかと思っている。

なお、配役や設定、演出などは全部私が決めて、その場を動かしていた。小学生だから、リーダーのように場を仕切っているという状況が気持ち良くてたまらなかったことをなんとなく覚えている。

しかし、その快感は長く続かなかった。

私が仕切っていることが嫌だったのか、思ってた遊びと違かったのか、途中参加して2回目くらいの子が、
「ねー、足引っ張りゲームしない?」
と言い出した。
足引っ張りゲームとは、当時小学校で流行っていたゲームで、鬼になった子が壁に背中を付けたまま足を真っ直ぐにして座っている子たちの足を引っ張って自分の仲間にしていく、というゲームだ。
私はこのゲームを全く好きではなかったが、人気のゲームだったのでその子の提案に他の子たちが乗っかった。
そして案の定、鬼になった男の子が足をズボンごと引っ張ってパンツ見えそうになったという理由で女の子が泣き出して空気が盛り下がり、その日の休み時間は終わった。

それ以降、ケロロ軍曹ごっこをした記憶がない。
小学生ながらに、自分が仕切っている遊びで泣いた子が出てしまったことに責任を感じてやる気がなくなってしまった結果、私のもとに自然と誰も集まらなくなってしまった。
何の言葉もないままケロロ小隊は解散した。





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