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2015年10月の記事一覧
証明写真の〈写真化された自分〉について感想を述べよ
受験票に貼付された証明写真を見つつ〈写真化された自分〉について感想を述べよ。('92年・武蔵野美術大学)
受験生全員が必ず机の上に提示している受験票を試験の題材に使うとは、なかなかのグッドアイデア。多摩美の問題みたいにコーラやら手袋やら、いちいち配る手間も省けるし。が、受験生たちが一斉に自分の写真とにらめっこしてる図ってのは、ちょっと笑える。
それに〈写真化された自分〉ってのもナゾ。単に「写
あなたの前に一本のコカ・コーラが配られています。
あなたの前に一本のコカ・コーラが配られています。それによってあなたの中にひき起こされる自由な考えを、1200字以内で記しなさい。
('98年・多摩美術大学)
さすが美大というべきか。小論文のテーマも一般の大学とは一味違う。コカ・コーラの瓶から、いったいどんな考えが引き起こされるというのだろう。
パッと思いつくのは、映画『ブッシュマン』(古くてすみません)のオープニング。自家用飛行機を操縦し
10年後の国会では何が争点となっているか
10年後、日本の国会では何が争点となっているだろうか。現在観察できる社会的事実をもとに推論しなさい。(600字程度)
('00年・群馬大学)
こんな国際情勢も経済情勢も激動の時代に、10年後の国会の争点なんてわかるわけないって! 「現在観察できる社会的事実をもとに」って、そりゃそれ以外に判断材料ないもんなあ。でもまあ、社会的課題と国会の争点とは別物だし、文字通り十年一日のごとく、10年後も靖国
「生きる」という題で600字以内で論じよ
「生きる」という題で、具体例をひきながら、600字以内で論じよ。
('99年・京都教育大学)
うーん、いきなりそんなこと言われてもねえ……。古今東西、数多の哲学者や宗教家や作家が生涯をかけて考え続け、それでも答えの出ないようなテーマを、18歳や19歳の受験生にたった600字で論じさせようなんて無茶な話。
しかも、これが国語の第1問なのだ。緊張でドキドキしながら席に着き、問題用紙を開いた途端、