ネヨシノブナリ

コトリボイスという小さな声優プロダクションを作りました。音声の収録やプロモーションのお…

ネヨシノブナリ

コトリボイスという小さな声優プロダクションを作りました。音声の収録やプロモーションのお手伝いもしています。裏方ではありますが、ここで自分の考えていることをこっそり書けたらなと思っています。

最近の記事

声優はお金持ちになれますか?

なれないと思います。今後も出演料の相場は今後も下がり続けるので、従来の"声優"という働き方では厳しいです。既に成功している大御所の方と同じ才能に恵まれていたとしても、お金持ちになることは出来ないでしょう。 "声優"と呼ばれる皆さんの主な収入源は、出演料です。世の中はインフレ基調ですが、出演料の相場が上がる気配はありません。この記事では、この理由について様々な方面から考えてゆきたいと思います。 なぜ出演料の値上げ交渉が出来ないのか 人気声優へ依頼するケースを除いて、多くの

    • 声優のマネージャーになれますか?(募集は終了しました)

      はい。この度、私が代表を務める株式会社コトリボイスでは、所属声優たちのマネージャーを募集します。興味のある方は、ぜひこの記事を読んでください。(* 3月1日に募集を締め切りました。ご応募、誠にありがとうございました!) 当社でマネージメントしている声優たちをサポートして貰います。会話やメールでのコミュニケーションが大切な仕事です。老若男女、様々な性格の他人と接することが苦にならない方、「人」が好きな方に向いています。未経験の方を大歓迎。人に会ってお話をすることはもちろん、パ

      • 事務所(プロダクション)と制作会社、一体どっちなんですか?

        どちらでもあります。両方とも、とても大切な事業です。しかしながら、表立って「どちらもやってます」とは言っていません。この記事では、声優プロダクション事業と音声制作(=音響制作)事業の関係を整理してみようと思います。音声に関わる仕事の中でもデリケートな問題で、あまり語られることはありませんでした。私も会社を興してからずっと、毎日このテーマを煩悶しています。 最初に、音声を扱う仕事の過程をおさらいしておきましょう。前回の記事もご参照ください。ご自身のゲームや映像作品に音声が必要

        • 音声(ボイス)を録ってくれる会社なのですか?

          答:はい。コトリボイスはお客さんから注文を受けて、ゲームソフトに登場するキャラクターの声やプロモーション動画のナレーションを提供しています。"音声制作(音響制作)"という仕事です。今回はこの仕事を説明します。 これまでの記事は、声優や声優志望の方、また声優の世界に興味のある人たちを対象にしてきました。一方で今回は、映像作品のディレクターさんや個人、少人数でアニメやゲームを作られているインディー系クリエーターの皆さんに向けて書かれています。ご自分の作品にキャラクターボイスやナ

        声優はお金持ちになれますか?

          声優になることを目指しています。どう思いますか?

          答:声優になる=”アフレコで得られる報酬で、生活を成り立たせる“という目標は、速やかに見直すべきです。実現することがほぼ不可能だからです。目標の設定を見直しましょう。声優として活動を続けるためには、安定した収入を得られる別の職業を持つことが望ましいと思います。 ”声優になる”という「夢」に燃えている若い方にとっては、大変つまらない回答になります。そういうことを聞きたいんじゃない、と思われること必至。ある程度年齢を経て”声優"という進路に関心を持たれ方、もしくはご自分のご子息

          声優になることを目指しています。どう思いますか?

          ワークショップはやらないのですか?

          答:現在のところ、やるつもりはありません。将来実施する場合は、慎重に設計をします。「声優になりたい人」から、出来るだけお金を受け取らないようにしたい。養成所を作らないのと同じ理由です。この記事では、私が知る限りでの、声優の世界のワークショップのお話、特にキャスティングを目的とした「キャスティング・ワークショップ」についてお話をしたいと思います。 音楽や舞踊、手芸や美術にも"ワークショップ"はあります。何人かで集まって講師を頼み、知識や技術を得るための集まりです。合同練習会や

          ワークショップはやらないのですか?

          声優業界で、上手くいくと思ったのですか?

          答:はい。十分なチャンスがあると思いました。一般の人たちによく知られていない世界です。根拠の分からない権威やヒエラルキーがあります。声優の力を借りたいお客さん(クライアント)はお金を払った上、業界独自のルールに従わなければなりません。面倒なことが多いんです。その面倒を何とかすれば、やっていけるんじゃないのか。今回は、私がこのような直観を得られたエピソードを紹介します。 前回の記事でお話した通り、webコンテンツを作るベンチャー企業で働いていた頃のことです。私は初めて"声優"

          声優業界で、上手くいくと思ったのですか?

          どうして会社を作ろうと思ったのですか?

          答:「こんなこと出来ませんか」と頼まれた仕事をしている内に、自然と会社になりました。「よし、声優プロダクションを作るぞ」と意気込んで登記所に向かったわけではありません。オフィスを構え、スタッフも増えて、いつもの間にか会社らしくなりました。今回は、私が代表を務める"株式会社コトリボイス"が創業された前後のあらましをお話ししたいと思います。 三十代半ばに東京で暮らし始めた当時、私は渋谷のベンチャー企業で働いていました。十名くらいのスタッフでwebサービスやゲームを作ったり、運営

          どうして会社を作ろうと思ったのですか?

          声優プロダクションは儲ってるの?

          答:いいえ。これまでずっと赤字です。しかしながら、五年間で少しずつ収益は伸びています。ようやくマネージャー一人分のお給料を払えるかな、という額に近付いてきました。今回は会社側の視点から、声優プロダクションという事業を掘り下げてみたいと思います。 声優とプロダクションはタッグを組み、"声"を必要としているお客さんにサービスを提供し対価を得ます。なので、お客さんから受け取った報酬は声優とプロダクションの間で分配します。声優はそのお金を生活費や、その他のプライベートなことに充てま

          声優プロダクションは儲ってるの?

          どんな事務所(声優プロダクション)なんですか?

          答:小さい事務所です。他の声優プロダクションに比べて、所属声優の人数は少ないです。付属養成所もありません。スタジオは持っていますが稽古場はなく、受付とかデスクと呼ばれる人も雇っていません。"コトリボイス"なんて名前からして、いかにも小じんまりとしていそうでしょう。 所属している声優の年齢層は高く、それぞれのペースで活動しています。仕事のオファーがある人や、何かやりたいことのある人とはよく会って話をします。人間関係はそれなりに良好ですが、それほど和気あいあいとしているわけでも

          どんな事務所(声優プロダクション)なんですか?

          付属養成所はないのですか?

          答:ありません。今後も作らずに、このままやっていけたらなと思っています。 声優プロダクションを運営していると「貴社に(声優の)養成所はありませんか?」という問合わせがよくやって来ます。声優プロダクションは、付属の養成所を運営するのが一般的とされているようです。会社を作った当時の私は、そのことに思い当たりませんでした。声優養成所とは、文字通りプロフェッショナルの声優を養成する機関です。あるプロダクションで声優としてデビューしたければ、先ずはそのプロダクションの付属養成所に入り

          付属養成所はないのですか?

          どんな会社で仕事をしているの?

          答:声優プロダクションやキャスティング、収録など音声に関係する仕事をする会社です。誰かに大切なことを伝えたり、楽しませたりする"作品"づくりを、人の声を使ってお手伝いする会社です。 すみません。noteを始めると思い立ったが2019年の秋。一年と半分が過ぎての始動です。改めまして、子吉信成(ネヨシノブナリ)と申します。株式会社コトリボイスという会社で、代表取締役として働いています。テレビの番組やネットの動画、DVDやゲームアプリにも入っている「声」。お芝居だったりナレーショ

          どんな会社で仕事をしているの?

          なんでnote始めるの?

          答. そろそろ喋っとくか・・と思ったから。 初めまして。ネヨシノブナリと申します。コトリボイスという会社を五年前に作りました。声優をマネジメントしたり、音声の収録をしたり、イベントのお手伝いをしたりしています。よく『変わったお仕事ですね』と言われます。私も、いざ始めてみるまではどんな世界かよく分かりませんでした。 こんな会社です。声優プロダクションなので、声優が象徴です。看板であり、商品でもあります。彼女ら彼らのイメージが会社のカラーを決めます。私は一応会社の代表ですが、

          なんでnote始めるの?