砂時計

砂が落ちる
のを止めることはできず
ただぼんやり
と眺めるまま

砂が落ちた分だけ
夜の暗さは深く濃くなり
月明かりがより鮮明に
空に佇む

静かな夜に読んだ
表紙が色褪せ
幾つかのページの端は折れ
鉛筆でメモが書き残された
古い小説は
とても苦かった

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