初心者のソロ連句遊び(半歌仙)
俳句を始めた。
知識は漫画で得たくらい。
ちょっと講座みたいなものをすこーし受けたくらい。
で、ひとりで連句、歌仙を巻く挑戦。
諸先輩からすれば鼻で笑われるような無茶、或いは愚かな真似でしょう。
でもいいんです。やってみたいからやる。このレベルの段階でやる。経験にはなるはず。
もし自分が続けていけばいずれ、「あー、初心者のときのこれ、めちゃくちゃだなあ」と懐かしく思ったりするかもしれません。それもまたきっと楽しいさ。
連句のルールは大まかに漫画と、それからネット検索のお世話になりながらやりました。
解釈が違ったりシンプルに大きく間違えたりしていてもあたたかくご容赦を。
参考:やまぐち連句会様
http://www.local.co.jp/renku/1.html
(表六句)
枯葉踏む靴音の呼ぶ幼き日
風の巡りて押される背中
ブラックの味を覚えた座席にて
時間忘れて語り合う友
茜去り見れば音もなく浮かぶ月
窓なき部屋に輝ける菊
(裏)
朝寒の道に駆け行く家の猫
三軒隣にいつもの挨拶
世間話で探る君の好み
昨日買った本が一緒
店員だけが知る客の趣味
独自の色合わせ 派手で何か悪い?
艶やかに咲く月へ飛べ夏の蝶
短夜の夢忘れる前に
筆取りて描けば異なる形
心を写すカメラはありませんか
残れるは勿忘草のちさき青
春の虹から零れた滴
以下、歌意。
発句 五七五(挨拶句、時と所)
枯葉踏む靴音の呼ぶ幼き日
先日受けた俳句講座で提出して助詞だけ直してもらった句。重くもなく、先生の目も通ったということで既存作から選んだ。
脇 七七(発句の季節、時刻、場所。補完)
風の巡りて押される背中
「幼き日」から巡った時間を風に置き換え、年月が進んだことと押されて先へ進む様子。
第三 五七五(転じる。発句から題を。て、に、にて、らん、もなし、で留める)
ブラックの味を覚えた座席にて
公園のような場所から店内へ転じた。「幼き日」から「ブラック」で成長したニュアンス。
※第三は句またがりが嫌われると知る前のやつ(「ブラックを知った行きつけのカフェにて」)の意味合いを何とか残して書き直した。
四 七七(さらりと軽く)
時間忘れて語り合う友
喫茶店とかで喋ってるのいいよね。
五 五七五(発句が冬なので秋の月を詠む)
茜去り見れば音もなく浮かぶ月
時間経過。喋りすぎてもう夜だよ。
六 七七(続けて秋の句、軽くテンポよく。ここまで表六句)
窓なき部屋に輝ける菊
場所を転じて屋内、おそらく自宅へ。菊は黄色くて丸い月の見立て。最初は「ひっそりと菊」としたけど、テンポよい感じにならないか? と輝かせた。
裏
一 秋の句
朝寒の道に駆け行く家の猫
場所を屋内から屋外へ、時間を夜から朝へ、静から動へ。
二 無季雑 独自
三軒隣にいつもの挨拶
今時はほぼなくなった、外猫みたいな飼い方。ネコチャン、いろんなおうちでご飯もらってたって言うよね。
三 無季雑 恋
世間話で探る君の好み
近所に住む幼なじみ。長く知っている君のこと、実はあんまり知らないかもね。
四 無季雑 恋二句目
昨日買った本が一緒
話していたらそんなことが判明して嬉し恥ずかし。
五 無季雑 独自
店員だけが知る客の趣味
あのお客さんたち、また同じ本買ってるわ。
六 無季雑 独自
独自の色合わせ 派手で何か悪い?
すごい組み合わせで服を買って、店員がどう思ってるかわからんけど、私ゃこういうのが好きなんじゃ! 悪いか!(悪くない)
七 夏の月の句
艶やかに咲く月へ飛べ夏の蝶
華やかな服装を蝶に例え、月明かりのなかを軽やかに飛んでいく姿とした。
八 夏の句
短夜の夢忘れる前に
夏の蝶が夜に舞うのはまるで夢のような光景。ほんの一瞬の景色、すぐに忘れてしまうかもしれない。
九 無季雑 独自
筆取りて描けば異なる形
夢に見たものを絵に描いてみようとしたけど、むずい。
十 無季雑 花はダメ
心を写すカメラはありませんか
こう……心のなかでは完璧なんで……心にあるこれを写して人に見せたいんですけど……
十一 春の花の句
残れるは勿忘草のちさき青
心を写すカメラはないので、記憶に残るのはもう小さな花の色だけだ。
十二 春の句
春の虹から零れた滴
見上げれば空には春の虹。小さな青い花はまるで虹の滴です。
長考しすぎず一気に進める、というのでやってみましたが、ひとりでやると似たような連想しちゃうし、だと言うのに使える題材は減っていくし、しんどいですね。
でも楽しい。
後半も挑戦したいところです。
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