見出し画像

採用選考に準備するモノ

前回の投稿で、「選考にはいろんな要素が絡み合っている」みたいなことを書きましたが、今回はそのことについてお話ししようと思います。

ゲーム会社での選考では、まず履歴書や自己PRなどの書類、各企業が用意したエントリーシート、そして作品の3つがメインとなってきます。

作品についてはこれまでお伝えしてきた通り、ある一定のクオリティが求められるので、そのラインを越えるよう頑張るしかありません。

じゃあ、履歴書やエントリーシート、面接はどうなのかという、より一般的な選考についてお伝えします。

ではまず、企業はどうして選考をして採用しているのかというところから。ゲーム会社っぽくゲームに例えてみます。

会社組織は人の集まりなので、働く人によって会社の属性や規模、レベルが決まってきます。

会社というのは営利目的のギルドですから儲けなくてはいけません。基本的に、毎年レベルアップすることが課せられます。

そのために屈強な戦士を雇ったり、優秀な魔法使いを仲間にしたり、また、素質のありそうな駆け出しの冒険者を採用したりするわけです。

どこのギルドでもそうですが、所属した冒険者にはできるだけ長期間、クエストをこなしてほしいと思ってます。

そうすることでギルドがレベルアップし、様々なパーティーを編成でき、新たなクエスト、難易度の高い依頼をクリアできるようになるからです。

こういった好循環を生み出して組織を強くしていくのが企業の使命。同時に、街に出没するゴブリンを倒したり、社会貢献もできますしね。

つまり!我々ギルドは、常に勇敢な冒険者を募集しているわけですよ!

…とまあ、これ以上ファンタジックに続けると訳が分からなくなるので、このあたりで話を現実に戻します。


クエストの履歴

さて、新卒採用。例外はありますが、新卒採用に臨む多くの人が社会人経験のない学生の方々です。

仕事の経験があれば、これまでの実績が大きな判断材料になるのですが、経験がないとなれば、当然見るべき実績もありません。

じゃあ、企業側は何をどう判断しているのかというと、これはもう「この人が仕事したらどうなるんだろう」と、予想するしかないんですね。

会社に入ったらこんな感じで頑張ってくれそうだな、とか、この分野で特に力を発揮してくれそうだな、とかとか。

つまり、これまでその人が歩んできた人生を見てこれからの人生を予測し、そしてそれが会社にとってプラスになるかどうかを見てるわけです。

過去の人生をどう評価するか、未来をどう予測するか、会社への影響をどう考えるか…これ、ひとつひとつの要素をみても基準があいまいですよね。

選考する人や面接官によってどう判断するか賛否がわかれるところだし、そもそも未来のことなんて誰もわからないしねー

だから「学歴」なんかは、過去の人生を評価するのに記号的な意味合いがあるわけで、もちろんスポーツや文化活動でも良いのですが、

何かしら客観的に明確な成果を提示することができれば、選考の場では企業に対する大きな説得材料になります。

客観的成果とは、どんなクエストを行ってきたのか、そこで何のアイテムを獲得したのか、討伐したモンスターな何だったのか、ということ。

逆に選考する側もそういう成果を知りたいわけで、そのために履歴書やエントリーシートを用意して書いてもらっているのですよ。

何も応募者を煩わせるためにエントリーシートを書かせてるわけじゃないんだからね…!だからみなさん、存分にアピってくださいね。


運のステータス

運よく書類選考が通過したら、今度は面接です。

今、「運よく」なんて言葉を使いましたが、選考は運ではありません。もちろん運の要素もあるでしょうが、運が働くか否かは運次第です。

ここで言う「運よく」は「たまたま」「思いがけず」という意味ではなく、「選考側の判断にフィットした」という意味です。

あらためて言いますが、面接は当てモンやバクチではなく、各企業はちゃんと採用理論みたいなのを持ってるんですよ。(たぶん…)

前述した通り、選考は検討の仕方によって何通りもの判断が可能なわけで、またその時の会社状況なども含めると、無限の選択肢があるわけです。

それをかいくぐって面接に到達したのなら、それはもう運よくというしかありません。ちょっと大袈裟な言い方だけど。

その上であらためて言いますが、僕が選考を担当して感じること。それは、面接を「出たとこ勝負」のようにとらえてる人が多いということです。

そういう要素があるのは否定しません。僕も過去に2回ほど、面接室の扉を開けた瞬間、「あ、採用!」と感じて、その後内定にいたった人がいます。

ただ、10年以上も面接を担当して、そのうちのたった2回だから、これは「たまたま」と言ってもおかしくない確率。

逆に、扉を開けて顔を見た瞬間、「ん?ダメかな…」と思うこともあります。こちらのケースは圧倒的に多くて、何回あったか覚えてません。

最近はオンラインでの面接が中心だから、そういう感覚的なものはないけど、リアルでも画面越しでも、最初の印象は超大事。


戦士→腕力、魔法使い→知力、開発職→???

少し話がズレてしまいました。そうそう、面接!
面接に臨むには準備が必要ですよ、というお話。

ここで言う準備とは、この質問にはこう答えようとか、自己アピールの文章を考えておこうとか、そういう直前対策的なことではありません

何を言いたいかというと、選考の評価対象のひとつ、「過去の人生」を準備しておく、ということです。

過去の人生なんて準備できんの?どうやんの?そう思うのも無理ありません。そうです、過去の人生なんていまさら準備できません。

元も子もないことを歯に衣着せずに言いますが、過去の人生で十分な成果を残せていない人は、企業の選考において、大いに不利になります

うわ、やっべ!オレ、なんの成果も残してねーわ。と思ったアナタ!
安心してください。その対策についてお話しましょう。

みなさんが目指す業界は、ゲーム業界(やクリエイティブ業界)なので、もう一つ選考に関わる大きな要素があります。

それが作品。

作品のクオリティ、ボリューム、制作に対するこだわり、これらはその人のポートフォリオを見れば一目瞭然です。

そして、そのポートフォリオの良し悪しは、その人の過去の人生をダイレクトに伝えてくれるアイテムでもあります。

「学歴」の裏側にその人が猛勉強した実績が隠されているように、「作品」の裏側には、その人のやる気や熱意、そして覚悟が見てとれるのです。

仮に、小・中・高でたいした成果を残せていなくても問題ありません。ゲームしながら平々凡々と過ごしてきた…それで構いません。

ただ、ゲーム業界に行くと決めたのなら、それに向かって真剣に作品制作に取り組んで欲しいと思います。

どれだけ作品に情熱を傾けたか、どれほど制作に時間を費やしたか、そういったことを面接で伝えてください。

選考が始まる直前までが「過去の人生」になるわけですからね。


というわけで、ちょっと話が長くなったのでまとめましょう。

  1.  履歴書やエントリーシートには過去の成果を存分に書く

  2.  作品は精一杯、熱意とこだわりを詰め込んで制作する

  3.  面接では、上記 1、2 の内容を丁寧に伝える

…あれ? むちゃくちゃ普通のこと言うてるやん。
と、とりあえず作品つくるならNAオンライン使ってね!(雑)

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
ついでにスキを押してくれ人、ギルドへの加入待ってるぜ!