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今日思ったこと

10年くらい前の乳がんが分かってすぐの頃の話。

20歳頃から強い希死念慮を持っていたのに、死ぬかもとなった途端にすごく怖くなった。
とてつもない痛みとか苦しみとか恐怖を感じながら、自分の心臓が止まることを想像していた。

そう遠くない未来に、そんな現実がやってくるかもしれない。
怖くて怖くて仕方なくて、そんな現実から逃げたくて逆に死にたくなっていた。

意味分からんよね。
心では生きたいと願っているのに、体は死に向かってさ。そのギャップを埋められなくて、生きていられる自信もなくて、死んだ方が逆に楽になれるなぁって。

心と体がバラバラで、本当に分裂しそうなくらい息ができなくて、アパートの屋上から飛び降りたい気持ちと飛び降りたくない気持ちが葛藤して、泣きながら一人で柵にしがみついたことがあった。

その時私は、付き合う前の元彼に「助けて」と電話した。

その時のことをふと思い出した。
と言うのも、職場の尊敬している女性の先輩に、私が乳がんを経験していることを今日初めて話したからだ。その先輩のことをMさんと呼ぼう。

Mさんはよく私のことを見ていてくれるし、褒めてもくれる。本当の母や姉よりも、ずっと母や姉だと感じられる人だ。

今日の午後、職場にMさんと私の二人だけになった。

色んな話をしていた流れで、「私自己肯定感だけはあるんですよねー」と話した。

そしたらMさんから、「のーこさんの自己肯定感はどこから来てるの?」と質問された。

どうやら普段の私から確固たる自信を感じていて、「まだ30代で若いのに不思議だな」「只者じゃない」と思っていたらしい。

私だって仕事がめんどくさい時がいくらでもあるし、自信がない時だってある。
でも自分は物事をどうにかできると知ってるから、率先して色々とやってしまう。その方が早いしね。私がそれで失敗してもさ、私が責任負うだけでいいわけですし。
死ぬことに比べたら、大体のことが怖くないからさ。
Web会議で社長が手を振ったら、私一人だけ笑顔で振り返してるからね。何も考えてないだけなんだけどね。

「理由かー何だろー」って考えて、「私も中学生時代はめちゃくちゃ人見知りで、今とは全然違いましたよ」と話した。
「高校時代は楽しく過ごそうと頑張り始めて、バイトで接客業を経験したからですかねぇ」なんて、当たり障りない範囲で答えていた。

でもね、Mさんが感じていることは、そういうことで身につくものじゃない部分を言ってるんだろうなぁと思った。
なので「一番大きいのは乳がんを経験したからですかね」と素直に答えた。

隠すつもりはないんだけどさ、話す必要もないからね。
私の人生色んなことがありすぎて、嘘だと疑われるのが嫌だから敢えて話さなかったりするんだけど。

そしたらMさんは「全て腑に落ちた」と言った。

Mさんは本当に全てを包み込んでくれるので、つい話してしまうのよね。
「乳がんになったら結婚は無理ね」と言った私の母上に爪の垢を煎じて飲ませたい。人間性がいい方向に変わると思うんだ、マジで。

生きるか死ぬかをずっとずっと考えてきて、五年間の乳がん治療を何回も途中で辞めたいと思った。
女性ホルモンの分泌がストップしてたからね、基本的に鬱状態になるのよ。
「再発するかもしれないのに、今こんな辛い思いする意味あるのかな」って分からなくて。

でもその時の自分が決めていたことが一つだけあって。

生きることだけは絶対に自分で辞めない。
これだけは絶対に守ると決めていた。

どんなに堕落してどうしようもない人間になっても、それだけは辞めない自分を偉いと褒めることにした。

ずーーーーーーっとニートだったしね。精神薬に頼り切ってたし、メンヘラってたし、どうしようもない人間なのよ。のーこってやつは。

でも今はそれでいい。仕方ない。治療だけを頑張ればいいと開き直ることにした。
20代の時は自分以外に家族の死もあって、地獄を味わって、すったもんだを乗り越えて今に至っている。

そんな自分がさ、主観でも客観でも素直に「すげーわ」って思うんです。
人に頼り切っていた自分が、今は人を支援する仕事をしながら、自分の力で生きている。
こんなことができるなんて微塵も思ってなかった。

これは色んな分岐点で「生きる」という選択をし続けた結果だと思う。

いやー、すごいね。私。
映画作れるって自分で思うもん。

でも生きるってめちゃくちゃめんどくさいよね。今でも生きるの辞めてぇなって思うもの。

でも結局楽しいんだよねー。色んなことが。
仕事もそうだし、好きな音楽を聴くのも、ゲームをするのも、漫画を読むのも、YouTubeの動画観るのも、美味しいもの食べるのも、オシャレをするのも、恋をするのも、友達と話すのも。

ただ楽しい。それだけでいい。
終わりなんて勝手に向こうからやってくるんだからさ。始まりだけ自分の力で動けばいい。

そんなことを思った今日でした。おわり。


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