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ワープが出来ないまま終わった

私のテレビゲームに対するセンスの無さは周りですら異常ではないか、と心配になるレベルだ。単純にテレビゲームが壊滅的に出来ない、出来ないというレベルをゆうに超え今ではもうコントローラーにすら触れたくないと思う。いつからこんなにゲームが出来なかったのかふと記憶を振り返ってみた。


小学生の頃、我が家にはゲームボーイアドバンスがあった。クエスト系のゲームが流行り私も姉妹で貸し借りしながらやっていた。ゲームのストーリーには最初の村で一通り住人と話し森の中ヘ進むと橋が見え、その橋の先に進んだ場所でワープをして冒険が始まるのだが私だけワープが出来なかった。どんなに頑張ってもワープが出来ず姉に助けを求めゲーム機を渡すとすぐにワープをして冒険が始まる。なぜ自分だけ出来ないのか不思議だった。友人の家でマリオパーティーをやればいつもビリですぐに脱落してしまうので、することがなく見てるだけで終わるのがほとんどだ。思い出せる記憶で友人宅でハリーポッターのゲームをやったのだがお店に入り何かに見つからないように逃げなきゃいけないところ、何度頑張っても見つかり店に監禁状態にされたこともある。


中学生の頃、友人の家にお泊りをして一緒にバイオハザードというゲームをやった。二人で協力してゾンビと戦うのだが私だけすぐに死んでしまう。始まったと思ったら画面が血に染まりいつの間にか死んでいる。全然関係ない電車にまで轢かれたりと友人がその都度、驚きなぜ死んでるのかと聞いてくるが私にもわからないのだ。一生懸命やっているが絶対に死んでしまう。ここでも最初の街から出られずゾンビに追い掛け回され散々な目に遭った。あまりにも進まないので最終的に見てる側に回り夜が更ける少し前まで友人の見事なコントローラー捌きを眺めた。


高校生の頃にもなるとソシャゲと言われるスマホアプリのゲームにハマり課金をしたりレベルが三桁を超えたりと意外にも強くなり育成や音ゲーと言われる類がとても得意だった。ほかにもDSの逆転裁判や一人でプレイする謎解き、推理系といった頭を使うゲームが得意で高校生の頃が一番ゲームにハマっていた気がする。ここまでくるとゲーム下手も流石に克服できたと自分で確信していたが討鬼伝というゲームでもワープに似たその動作が出来ず今もなおその村から出られずクリアできていない。


社会人になり久々に友人とマリオカートをやったが逆走に気付かずビリになり、スマブラではなぜか自ら落ちていき、ボンバーマンでは自分で置いた爆弾で爆撃を食らい、ドンキーコングでは壁に上れず立ち往生し、十三年越しのバイオハザードは相変わらず初対面のゾンビに追い掛け回され死んだ。


こんなにもゲームが出来ないのはある意味センスの塊だと周りに言われる。自分ではすでに気付いていたがスマホゲームと違ってコントローラーを握ると途端にポンコツになってしまうのだ。一時期大ブームとなったスプラトゥーンというゲームは流石に私でも出来るだろうと試したがそれ以前に画面酔いをして自分がどこにいて、何をしてるのか分からずゲームどころではなくなってしまった。

これまでありとあらゆるチーム戦のゲームで常にお荷物だった私は今の世の中では当たり前になったオンラインゲームが怖くて更にゲームが出来なくなった。ゲームが出来る人は心から尊敬するしコントローラーとテレビ画面を両方見ながら操作するなど私にはやはりできない。

私がゲームから学んだ事はどれだけ挑戦しても世の中には出来ないことがあるということだ、センスや感覚、ポテンシャルが高く最初からそういう素質を持ってる人もいればどれだけ頑張って努力して積み重ねても容量が悪く実らないこともある、決してゲームが得意ではないことに大きなコンプレックスやショックを受けているわけではないがうまく説明のできないこの気持ちに名をつけるなら、さくらももこさんのエッセイのタイトル、そういうふうにできている、ということ。


ただ不思議なことに私は知恵の輪だけが得意でどんなに難解な知恵の輪でもするりと外してしまう。知恵の輪が好きになったきっかけは母と小さい頃に訪れたディスカウントストアでたまたま見つけたおもちゃコーナーで無造作に置かれていた知恵の輪がきっかけだ。

これは何だろうといじっていると突然カチャッと外れ、それがなぜかとても気持ち良く感動した。中学生の頃にお泊りした先ほどの友人宅に行った歳、大人向けの難解な知恵の輪がテーブルに置いてあり何となくいじったらすぐに外せてしまった。最近ではなかなか見かけなくなったが百均などで知恵の輪を見つけると買ってしまう。会社の休憩時間にわざわざ買って事務所でやっていたら働かせすぎておかしくなってしまったのではないか、と上司に心配されたこともあった。今は自ら進んで知恵の輪をやることはほとんどないが手にすると簡単に外せてしまう。仕事の人間関係も含め特技は何ですかと聞かれたら知恵の輪の早外しと答えるようにしている。

コントローラーを触らせたらポンコツな私も知恵の輪を触らせたら誰にも止められない。

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