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日本からフンザへの行き方

フンザってどうやって行くの??

 フンザへの行き方が分からない、というお声が寄せられているので、概略を説明します。


①まずはイスラマバードへ


 フンザには、パキスタンの首都、イスラマバードを経由して来るのが、一般的なルートです。中国のウイグル自治区から国境を越えて来る旅行者もいるようですが、その方法は僕にもよく分かりません。

 日本からイスラマバードに来る方法として最も便利なのは、バンコクを経由するタイ航空です。バンコク⇔イスラマバード便は、2024年3月時点、月、水、金、土の夜に飛んでいます。これらの曜日であれば、成田や羽田、関空、福岡空港を午前中に出発し、その日の夜にイスラマバードに到着することが出来ます。タイ航空以外にも、中東経由のカタール航空やエミレーツ航空なども利用可能です。


②イスラマバードに着いたら


 タイ航空を利用した場合、イスラマバードに到着するのは夜10時頃です。イスラマバード空港にホテルはないので、イスラマバード市内か、隣接するラワールピンディのホテルに宿泊することになります。ホテルは、インターネットの予約サイトで簡単に予約することができます。一方、ホテルまでの移動手段は、予め車両を手配していない限り、空港のその辺にいるタクシー(向こうから勝手に声をかけてくる)を使うことになります。空港からイスラマバード市内は、2023年時点で、大体3000~4000ルピーです。値切ればもっと安くなるかもしれません。


③イスラマバードからフンザへ


 イスラマバードからフンザへ行く方法は、大きく分けて空路利用、陸路、の二つがあり、それぞれ長所・短所あります。

 まず、空路利用の場合、イスラマバード空港からフンザの最寄りの空港であるギルギットまで、パキスタン航空(PIA)の国内線で飛び(所用約1時間半)、ギルギットからフンザまで、タクシーかバスで移動します。費用はイスラマバードからギルギットへの飛行機代が片道25000ルピー(13000円)くらい。ギルギット空港からフンザまでは、タクシーなら4000円、バスなら500円、所要時間は2,3時間といったところです。

 空路利用は、最も安全かつ、所要時間も短い上に、白く美しいヒマラヤ・カラコラム山脈を眼下に望むことが出来るので、おすすめです。特に、イスラマバード→ギルギット間は右側、ギルギット→イスラマバード間は左側に座ると、間近にナンガパルパット(8126m)を望むことが出来ます。

 空路利用の難点は、欠航になることが多いことです。僕がこれまで経験した上での肌感覚では、2~3割くらいの確率で欠航になっています。山の天候が主な理由ですが、旅客数が少ない時にも欠航するそうです。予定していたフライトがキャンセルになった場合は、翌日以降のフライト(これも欠航する可能性あり)を待つか、陸路で移動するかの判断を迫られます。

 なお、ギルギットから車で約4時間のスカルドゥにも空港があります。こちらの空港はギルギット空港よりも滑走路が大きく、飛行機の欠航が少ないとのこと。そのため、ギルギット空港の欠航リスクを回避して、スカルドゥ空港を利用するというのも一案です。


 次に、陸路移動について。イスラマバードからカラコラムハイウェイ(KKH)を利用するルートで、フンザまでは約690kmあります。ラワールピンディのピールワダイ(Pir Wadhai)バスターミナルから出ている夜行バスに乗ると、所用約17時間、約3000円で、フンザに到着します。あるいは、タクシーを手配してフンザへ向かうルートもあります。こちらは費用約15000~20000円といったところです。

 KKHの多くは断崖絶壁を通るルートなので、車の転落事故が絶えません。バス移動の際にはどうしようもないですが、タクシー移動の際には、スピードを出しすぎないよう、ドライバーに注意することをおすすめします。ドライバーは早く到着したいのでついついスピードを出しがちですが、多少お金を多めに払ってでもゆっくり走ってもらった方がよいと思います。また、夜中の移動にはさらなるリスクが伴うので、途中で一泊するのがおすすめです。ベシャームやチラースにはホテルがあり、中継地として一般的です。

 一方、日が長い夏場などは、早朝4時頃にイスラマバードを出発すれば、明るい間にKKHの最も危険な区域を通過し、日没前にギルギットに到着することも可能です。その後、ギルギットからフンザまでは十分道路が整備されているので、夜9時頃までには安全にフンザに到着できるでしょう。

 なお、夏の間には、KKHをショートカットし、イスラマバード~フンザ間の所要時間を約4時間短縮できる、バブサル峠のルートが開通します。標高4173mの峠道は景色も大変素晴らしいです。途中にある、ナランの町で一泊するのもおすすめです。


④まとめ

 空路移動は欠航によって、陸路移動も時に崖崩れ、ダム工事による交通規制、デモ等によって足止めを食らうことがままあります。空路も陸路も、不測の事態に備えて、余裕をもって旅程を立てることが肝要です。

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