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再び、フンザへ

再び、フンザへ
 2024年3月12日、関西国際空港から、再びフンザに向けて出発した。フンザは、昨年11月以来。マイナス20度にもなる厳しい冬を越して、そろそろ、アーモンドが薄ピンク色の花を咲かせる頃だ。
 今年のフンザでの目標は、カフェの赤字経営を脱すること、これに尽きる。
 正直なところ、昨年は8月1日にカフェをオープンしてから、フンザを離れるまでの約3ヶ月間、ほとんどお客さんが来ず、一番多い日でも3、4組。ノーゲストの日が一週間近く続いたこともあった。店構えやメニューやお店の宣伝等々、改善すべき点が多々あるとは思っていたが、なかなか思うように進まず(このことについてはまた改めて記述しよう)、9月も半ば頃には「もう今年はカフェをオープンできたから、めでたしめでたし。あとは来年頑張ろう」という気になっていて、メニュー開発やお店の宣伝、外観の改善、スタッフのトレーニングなどはなあなあになり、雄大な山々を眺めながらご近所のお友達とおしゃべりする毎日だった。
 そんな風に去年が終わっていたので、今年こそは本番営業という気持ちで頑張らなければならない。ということで、日本にいた冬の間には、九州一とも評判の鹿児島の城山ホテルの厨房にアルバイトとして潜り込み、大学時代以来の調理の仕事をして勉強。その一方で、図書館で和洋中、様々な料理本を借りて、フンザにある食材で出来そうなメニューを考案した。フンザ産マスを使ったエスカベッシュ、ヤク肉のプルコギ風ライスピザ、挽肉入りモリーユキノコのパスタ、チェリーチップで燻製した鶏肉のアプリコットオイルアヒージョ・・。
 ただこのメニュー作り。エンドレスな作業だった。お客さんがどのくらい来るか分からないから、▽おいしい、▽見た目が良い、▽フンザの食材を使った「物語がある」ことのほかに、▽提供時間がそれほどかからず、▽保存も利き、▽仕込みが大変すぎないことなどを踏まえて考えるのだけど、次から次へとメニューを考案したが、だんだんめんどくさくなり、結局、「フンザに行って試作しながら一品ずつ増やしていけばいいし、そうするほかないでしょ」と、またまたのんびり構えることになったのだ…。
 そんなこんなで、今シーズンは試行錯誤しながら勝負の一年になりそうだ。最低限でも、スタッフのモンシーンとナビーダさんの給与、食材費、光熱費、ネット代は売り上げたい。つまり毎月最低10万円くらいは・・・。なんとしても・・・!

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