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【 占い師が語る本 】魍魎の匣(京極夏彦・講談社)

どうも、現実逃避野郎です。

いや、現実逃避好きの占い師です。


3ヶ月半で京極夏彦さんの
百鬼夜行シリーズを7冊読みました。


「その中でおススメは?」

と聞かれたら…

どれも大好きですが、

二冊答えると思います。


京極夏彦さんをご存知ない方には、

魍魎の匣
(もうりょうのはこ)


京極夏彦さんの本を読んだことがある方には、

陰摩羅鬼の瑕
(おんもらきのきず)

です。


今回は魍魎の匣について
サラっとお話します。

魍魎の匣、壮絶です。

活字で心をぶん殴られたい方、

大どんでん返しが
何たるかを知りたい方、

持ってこいの一冊です。


中央線の少女人身事故
関東各地で起こるバラバラ殺人
新人小説家の怪奇小説
三鷹の新興宗教


繋がることなどあり得ないはずの、

さまざまな事象が

「匣」の名の元に繋がり…

その線の先に待っていたのは、

衝撃に衝撃を累乗したような結末。


読み終わったときには

嘘だろ…?

こんなことあるか…?

と、しばらく動けませんでした。


この興奮を誰かと共有したい。


そう思い、あらすじ含めて

夫に感想を伝えようと試みました。

が、わたしの語彙では
表現できる訳もなく。


夫には「よくわからないけどすごいことは伝わったよ」とお粗末なリアクションを頂きました。

京極先生の文章が生み出す、
あの没入感と臨場感。

呼吸を忘れるような、
希望の欠片もない、
絶望を絶望で洗った
惨憺たる美しさは…

京極先生の文字に触れて、
初めて感じられるかなと思います。


あともうひとつ、
魍魎の匣に衝撃を受けた理由があります。

実は、大昔。
大学生のときにも読んでいるんです。

当時は

「え、すご」

程度の感想で終わりました。


年齢を重ね色んな経験を経た

「今」読んだからこそ、


ここまで心揺さぶられたのかなと思う訳です。

「年齢を重ねると感動が深くなる」

そんな素敵なことを教わった一冊でもあります。

絶対にKindleで読んだ方が良い本ランキング殿堂入りレベルのクッソ分厚い本ですが、読む価値アリです。

夏休みの自由図書にでもどうぞ。


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