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【ポムポムのえる#1】2021年春作栽培記(前篇)

はじめまして、三宮のえると申します。物書きの端くれの端くれですが、縁あって芋研ゼミに加えていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

芋研ゼミにおける私の担当は、じゃがいも栽培実習、ということになりましょうか。栽培できる品種を片っ端から栽培して紹介してみよう、というのが趣旨です。知識の側から品種の世界を覗かれたい向きには、以下からひじきさんの記事をどうぞ。

【出会い】じゃがいもストーリーは突然に…

きっかけは昨年末に遡ります。何年も休んでいたじゃがいも栽培を次の春こそは再開しようと決めていた筆者は、Twitterで物書きの知人のRTから、ひじきさんのじゃがいも擬人化掌篇(SS)に出会い、思わず感想を呟いたところ、期せずこんな反応をいただいたのです。

既に種苗会社のカタログを入口に、日本いも類研究会さんのじゃがいも品種詳説を読み漁っていた筆者は、まんまと品種酎への道へと引きずり込まれたのでした。(だいたいが蒐集癖の徒であり、凝り始めるとリスト片手に集め始める。古典落語しかり、変化朝顔しかり)Twitterでのやりとりを繰り返すうち、よし、じゃがいもの品種ってあんまりあれこれ食べたことないけど、手に入る限り育てて記録してみよう、となったのです。

【準備】種芋の入手と浴光催芽

まずは種芋の入手について触れておきます。今春はコロナ禍での家庭菜園ブームと昨年の不作が重なり、種芋の入手難が発生したようですが、その点では筆者は動きが早く抜かりなかったと言えましょう(ただいてもたってもいられなかっただけ)。植えつけが近づいてからの入手で十分と考えていらした方が割を食ってしまったようですね。そもそも「種芋がなければ食用の芋を…」という方もおいででしょうが(注)、芋研ゼミ読者にはおなじみのシストセンチュウもさることながら、ウイルス病防除の観点から検査合格品の種芋として売られているものを強く推奨します。(注:洒落ついでに。マリー=アントワネットがじゃがいもの花の髪飾りでじゃがいも普及に一役買ったというのはまた別のお話。ザ・ギロチンズとか名乗って「♪花咲く〜娘たちは〜」とかどっかでやってたら、まーたのえるがと笑ってやってください)今回の入手経路は通販と近くのホームセンターです。

12/15にデジマ、はるか各1kgを予約していたところ、1月半ばに行きつけのホームセンターに比較的メジャーな品種の種芋群が登場、男爵、メークイン、キタアカリの3巨頭を外してワセシロとホッカイコガネ各1kg購入、ネットで見つけた初見の赤皮種・あかね風1kgも。ひじきさんと出会って挑戦を宣言した時点で5kgは予定の行動でした。

引き続き浴光催芽。植えつけ前に昼間だけ日に当てては取り込むを繰り返して芽出しをするのですが、この行為をしたのは今回が初めてです。

#ポムポムのえる

いよいよ植えつけに及ぶに至って、予定どおりTwitterで記録を開始したのだが、タグを「ポムポムのえる」としました。今回この道に迷いこむきっかけとなったひじきさんと、じゃがいもと併せてりんごの話もしたからで、フランス語だとりんごが”pomme”でじゃがいもが ”pomme de terre” (ポム・ドゥ・テル/大地のりんご)、いずれりんごに迷い込んでもいいように、とか何とか思いついてポム×ポムになった次第です。

植えつけは2月末、種芋切りナイフ代わりの山菜掘りを買いに行って、ついに我慢ならず男爵薯、メークイン、キタアカリのバラ売り種芋を追加購入して栽培スタート。詳細は以下からスルスル辿っていただければ。ちなみにこの時のホームセンター、その後300gくらいのバラエティに富んだ種芋を展開されていたので来春はぜひと誓ったのでした。(もう来期に向けた種芋ドラフトは始まっているのです。

出芽と失敗、追い種芋

2月末に男爵薯、メークイン、キタアカリ、あかね風の4品種でスタートし、芽出しがもう少し必要と思えたり、届いたばかりだった品種はしばらく植えつけを待ち、3月14日に植えつけました。この時点でレア品種オホーツクチップの種芋を見つけ、圃場の残り区画も考えず追い種芋してしまいます。(1kg売りだったので全部は無理だと、ゼミ長ひじきさんに3個押し付けました。)

まずは3月20日にあかね風が無事に出芽します。(じゃがいもの場合「発芽」は芋から芽が出ること、植えつけ後に地上に芽が顔を出すことは「出芽」ないし「萌芽」と呼びます。)

その後、メークイン、男爵も出芽しますが、キタアカリは種芋が腐って失敗してしまいます。(最初は気がはやるせいで地面から顔を出す芽をじゃがいもと誤認することたびたび。ドクダミが先に陣取り始めたのでした。)バラも袋もキタアカリの種芋はもう売り切れ、ネット上で探していたらまたレア品種に出会ってしまいます。

マチルダとおまけのグラウンドペチカがやってきました。

失敗の原因ですが、たぶん最初の植えつけ後に水をやってしまったことです。春作では不要、ぐらいに書いてあるケースもありますが植えつけが早い時期なら特に「やってはいけない」レベルなのだと実感しました。キタアカリが煮崩れる肉質なのも悪い方に作用したかもしれません。

このあたりでいったん切り、後篇を品種篇として各品種の生育特性、開花、収量あたりを書こうと思います。逐一追いかけてくださる奇特な向きはTwitterをご覧ください。

たぶんメインになるであろう後篇の品種篇でまたお会いしましょう。






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