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【NFTアートはじめました】作品の存在しないNFTの価値は?~ダミアン・ハーストの実験

NFTアートが盛り上がる中、現代美術家ダミアン・ハーストによっておもしろい実験が行われました。アート作品自体を燃やすか、NFTを削除するかの選択を迫られる、アート作品の販売です。私自身の考えでは「デジタルなものを唯一なものと証明できること」と言っている中、証明書だけが残るというおもしろい実験について、今回は触れてみたいと思います。

■アートとNFTめぐるダミアン・ハーストの実験 4800人が作品燃やし、NFTでの保有を選ぶ

まずは取り組みの内容を紹介。

今年7月、ハースト氏自身が制作した1万点の作品をめぐる、6年を費やした壮大なプロジェクトが閉幕した。ハースト氏は2016年に1万点もの作品を制作しながら、作品現物を1点も販売しなかった。代わりにネット上で販売したのが、各作品の所有権の証明となるNFTだ。

そのうえでハースト氏は、斬新なしかけを持ち込んだ。販売条件によると、購入者たちは今年7月の期限までに、ある決断をしなければならない。NFTを所有し続けるか、それともNFTを手放すことと引き換えにアート現物を入手するかという選択だ。

期限以降も引き続きNFTを所有することを希望した場合、アート本体は燃やされてしまう。NFTか実物のアートか、どちらかひとつしかこの世に残せないというしくみだ。単純に考えればNFTを選択した場合、これから燃やされることがわかっている作品の所有権を希望するようなものであり、価値はなさそうにも思える。だが、4800人のオーナーたちがNFTを希望した。

さらに興味のある方は、この記事の情報を教えてくれた、モリプトさんの記事もご覧ください。

■NFTの価値は?

この実験では、約半分は物理的なアート作品より、NFTを選んだとあります。
この「少し未来」の記事の中でも、NFTの本質は
・デジタルなものを唯一なものと証明できること
といってきました。なぜ人はNFTという証明書を選んだのか?

この実験はNFTに価値があるのか、アート作品に価値があるのか?と問いかけることもできます。しかし、私の解釈は、このアートはNFT自体も含めてアート作品となっているということです。
「アートとは何か?」という哲学に近づいてしまうのですが、アートは絵や彫刻のような物理的作品だけでなく、時代背景や、斬り口の前衛さ、世界で初めてやったというようなことを含めて評価されます。よく、ピカソの絵がわからないといいますが、絵の技術力だけでなくキュビズムという新しい技法に取り組んだことが評価されている一因です。

現代アートの本質は体験だと私は考えます。この、物理作品自体が燃えて無くなり、NFTという新時代の保証書だけが残るという体験自体が、今回のアートの本質と考えられます。そういった体験で残るNFTも、あえて物理作品を残しても価値があると思いますが、今回の本質を考えるとNFTの方が今後価値があがるのではないでしょうか。

もちろん、今回の世界初の体験に価値があるのであって、同じように物理作品を無くしたNFTは、二番煎じでは価値がないと考えられます。

NFTの本質を理解しつつ、それを壊して新しいおもしろ体験を提供することがアートとなっているのです。ただ、アートは世間の評価が評価額にもなってくるので、おもしろいからと購入しても、将来的に価格が上がるとは限りません。
作品のないNFTをみてニヤニヤするのもいいですが、私はNFTで見出せる価値はもっと他にあるのではないかと思い、それと探求していきたいです。

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