見出し画像

そろそろ、ひとりぼっちの旅をしよう |オランダへの旅を決めた日

昨日、飛行機と空港が嫌いだったという記事をあげた。

今では、当たり前のように飛行機に乗って日本を巡っていて、お仕事ではタイに行った。
そろそろ、自分の意思で行きたい国へ行く時期なような気がしていた。

数年前から今年の夏頃までは、オーストラリアにワーホリに行こうかななんてぼんやりと考えていたし、秋くらいからは、憧れていた北欧に行きたいななんて思い始めていた。

周りの友人たちや家族に、「そろそろ自分のために海外へ行きたい」なんて漏らしていた。

12月になって、そろそろ本格的に考えようかなと呑気に考えていた時、とあるお仕事の依頼をいただいた。
去年も同じ内容のお仕事をさせていただき、当時を知っている友人たちは、私がいかにその仕事に打ち込み、時にはもう撮れないんじゃないかと泣き、それでも自分の信じる作品を創り、自分の思いの丈を後悔なく動画作品に昇華させたことを、呆れるほどに知っていると思う。

私自身、体力やアイディアを含め、自分の人生の一部を切り取ったあの作品は、あの時あの瞬間だからこそ撮れたものだと思っている。

だから、悩んだ。
あれ以上のものを今の私は創れる気がしない。何を撮ればいいんだろう。

スケジュールの問題もあった。
もちろん他の仕事もある。
去年あれだけ時間がかかったものを、今年はそこまでかけられない。
私の映像は、ほとんどがショートフィルムのように物語が入っている。

撮影工程は、アイディアの絞り出しから構想、そのあとに脚本、演出、モデル手配、自らも出演、ロケ地探しと決定、小道具手配、衣装相談。カメラアシスタントの相談。遠出ならば、全員分の宿泊場所。免許は持っていないから、車を運転してくれる人。そして、編集では物語をどう繋げていくのかを慎重に考えながらの0コンマ単位のカット、物語とフィットする音楽と歌詞探し、音楽の編集、そして映像の色づくり。その他のこと、諸々。頭の中も、手も足もノンストップだ。
私の創り方は、どうしても時間がかかってしまう。それ以外に、他の仕事もある。去年はあと2人自分が欲しいと思った。倒れるかと思った。

できるのかな。

そうは思いながらも、こんな風に声をかけてくださることは本当に光栄でありがたくて。
いただいた電話を切ったあと、カフェで1時間悩んだ。

何が撮れるか。
何が撮りたいか。

ふと浮かんだのは、3つのシーン。

私は、映像を考えるときに、演劇的に考える瞬間と、映像のコマとして考える瞬間がある。今回は、後者だった。

撮るとしたら…

不安で、友人たちに相談した。
私にダメなことがあると「だめ」「やめた方がいい」などハッキリ言ってくれる長年の友人たちは揃って

「ノエならできる」

と言ってくれた。

「断ろうか受けようか、の悩み相談ではなく、何を撮ればいいのか悩んでいる時点で、ノエは受ける」「3シーン浮かんだなら、あんたは撮るよ」

図星、ぐさりともするし、撮ることになるのか…?と思わず頭を抱えそうにもなるし。

人にお仕事の相談をするとき、いつも0(ゼロ)のアイディアでは持っていかない、まっさらで持っていかない自分のことも好き。でも本当に嫌い。
すっぱり無理ですって諦めてくれよ、ってもうひとりの自分が思ったりする。(アイディア浮かんだならやれるだろ理論が出てきてしまうので)

「なんでそのシーンを撮りたいと思ったの?」と聞いてくれて
話しているうちに「んで、こういった距離感で撮りたくて…」とか話してる自分。

「撮りたくて」とか言っちゃってる。

まんまと友人の術中にハマったというか、わかっててハマっている自分。

「自分(友人)を相談相手に選んでる時点で、背中を押してほしいんだと思う」

う、ぐさ。

私にとって、家族みたいな距離感のもう1人の友人には、
「話聞いてると、絶対ノエの糧になると思うから受けた方がいいと思うし、あんたはやれると思うよ。これができたら、もっと自信がついて、あんたなんでもできるよ」

ただ私の体調の心配と、制作途中で一回泣き喚くだろうから、泣き喚いた時の電話対応の約束までしてくれた。ウケる。

ただ他の仕事のスケジュールの問題もあったから、2日、答えを待ってもらった。

結果、やっぱり引き受けた。
そういうやつだ、私は。
心のどこかでは、挑戦してみたいんだ。

引き受けたからには、やる。

ならば。
「自分がしたかったことをまずは優先」しようと思った。

周りの友人たちが、時間をやりくりして海外へ行っていたり、英語が話せなくても持ち前の性格で乗り越えていたり。

私は、少なくともある程度英語が話せるのに、行こうと思えば行ける時間もあるのに。
なんで行きたいと思いながら動かなかったんだろう。ださい。

ださすぎる。

ずーっと叶えたいと思っていた自分との約束。
それはいつかまた1人で海外に行くこと。
ずっと行きたかった国に、行ってみること。

動かないださい自分を、乗り越えること。

ちゃんと、味わうこと。
きちんと緊張すること。
そのうえで挑戦すること。
イギリスにいたときみたいに、自分に一生懸命になりたい。
自分を試したい。
自分が行きたかった場所で何を撮るのかを知りたいし、人と関わってみたい。
日常とは違う勇気を出したい。

撮るなら、今までみたく「何を撮るかで場所を決める」んじゃなくて、
「私がここに行くからそこで撮ろう」、をしてみようと思った。

今の想いは、それだ。

と、いうことで

12月の後半は、オランダのアムステルダムに行くことにしました。

12/7にお電話を受けて、8日にオランダに決めて、9日にホテル、10日に飛行機を取りました。動くと決めたら一瞬だ。

構想当初は、自分の誕生日が12/19なので、誕生日をあっちで過ごすのもいいなぁと思っていたけれど、色々と都合が合わず断念。

12/22-28の期間で行くことにした。

なんでオランダなんだって言われると、なんでなんだろう。

オランダは、ゴッホがいた国。
たくさんの人にとってゴッホは特別かもしれないけど、私も、まるで心の友人のように一緒の時間を過ごしてきた。今まで何度も、彼が見たであろう景色を見てみたいと思った。

だからだと言ってもいいし、そうじゃないと言ってもいい。

そもそも私は寒いことが苦手。
一番嫌なことは何って聞かれたら、「寒くて眠れないこと」と答えるかもしれない。(イギリスにいた頃は、寮が時期にならないと暖房を入れてくれない時があって、寒すぎてドライヤーでずっと足の先を温めていた思い出がある)

今の時期のオランダは、基本的に曇りだし雨は降るし雪も降る。おまけに風も強いらしい。
決して天候がいい時に行くわけではない。
それこそ、当初に行こうと考えていたオーストラリアの方が、12月はあったかいし過ごしやすそうだ。

それでも。
旅を決める時ってどうやって決める?
距離?値段?気候?景色?食べ物?
全部だと思うけれど、とにかく今は、ときめく方へ。

行ってみて、がっくりしてもいい。

ただ、私は今回、オランダに惹かれたんだ。

だから、最初の一歩はここへ。

私の去年の作品を超える必要はないと思った。
別のものを創るんだ。
今の私が撮りたいと思うものを、過ごしてみたい場所で。

なんとクリスマスをひとりでオランダで過ごすことになります。
わー。これもやってみたかったことの1つで、大学生の時にやってみたいリストに書いていたような。

去年はたくさんの、本当にたくさんの友人たちが協力してくれて出来上がった作品だった。そうでなければ、絶対に完成しなかった。今でも感謝と嬉しさは消えない。

だけれど、今年は、ひとり。

もちろん、ちょこちょこと頼る部分はあるし、きっと精神面ではずっと頼りっぱなしだ。
だけど、オランダでの撮影は、ひとり。
どうしたってひとりだ。

不安はある、緊張もある。
今、頭の中で考えている構想は、私が勇気を出せたら撮れるものばかりで、現地に行ってその勇気が出なければ、おじゃんだ。
天気だって、外に出られないような天気だったらどうしよう。

でもやってみたい。

私はやれるのか、試してみたい。

自分のための旅をしたい。
そこで、私が何かを感じることができて、撮れるものを残したい。
去年ほど何かに対しての想いはもうないなんて思っていたけど、小さな灯に気づいたら、どんどん大きくなっていった。

(気づかせてくれたのは、友人たちなのだけれど。
やっぱりどうしようもなく友人たちには恵まれていると思う。)

私の周りは、お仕事でもプライベートでも、海外にぽーんと行ってしまう人が多い。そのバイタリティやフットワークの軽さには憧れるし、すごいなあと遠くから眺めている。

イギリスに何年も住んでいたとはいえ、私が最後にプライベートで行ったのはサイパン。コロナ禍前の2019年。お仕事で、今年の4月にタイへ行ったけれど、それでもカメラアシスタントとして友人がついてきてくれた。

私もいつか、海外を当たり前に行き来するような人になりたい、と思う。

他の人と比べると、私の勇気や新しい挑戦、なんていう仰々しい言葉はかすんでしまいそうな気分になる。そんなに大したことをしていない気持ちになったりする。周りがすごいから。

でも、きっと今私から見て当然のように飛び回っている知人たちも、最初の一歩があったんだ。
私も、この最初の一歩を大事にしたい。大事にしなきゃいけないと思う。

きっとひとり旅から帰ったら、結果がどうであれ数年経っても宝物になるような気がしている。

お仕事にも、きっと、もっともっと自信が持てるようになる。
何より、自分に。

だから、恥ずかしがらずに自分の素直な気持ちを残していきながら、ひとり旅をするんだ。

そして実はこんな大層なことをベラベラ話しているけれど、パスポートの更新がまだ。今日更新の手続きに行く予定である。
間に合うのか不安になってパスポートセンターに連絡したら優しい声で「その日程なら間に合いますよ〜」と言ってくれたので、信じてもう飛行機を取った。

これで間に合わなかったら、笑ってほしい!笑
(今日の昼間に更新に行ったら、受け取りが18日と書いてあったので間に合いそうだ)

間に合わなかったら、その時はその時、また考えよう。
そういうのも全てタイミングだと思うから。
そしてこういう思い立ったらすぐ!というドタバタも嫌いじゃない。

でもきっと行けると思うから、そしたら私がどんなものを撮るのか、そもそも撮れるのか。
ぜひ一緒に楽しみにしていてください。

新たな挑戦だ!

サポートいただいたお金は、舞台制作、旅先で素敵なときめきと出会う、他にも自己投資のために使わせていただきます。使い方は全てツイートします。また、サポートして下さった方をTwitterで紹介させていただきます。noteを読んでいいなと思ったら、ぜひサポートよろしくお願いします!