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ブラック・ミラーの「ランク社会」は既に実現されている(もはやそれ以上?)

どうも、Netflix中毒者です。

僕の大好きなNetflixオリジナルドラマ「ブラック・ミラー」第3シーズン1話目に「ランク社会」という話があります。
この話では自分の行動が常に評価されており、SNSでたくさん「いいね」をもらったり、他人に良いことをしたりすることで自分のスコアが上がり、逆に悪い行動をすればスコアが下がる社会を描いています。

良いことと言っても大抵はエレベーター内で、
「あら~、○○さんは今日もお綺麗ね~~。」
「ありがとう~~。あなたのナチュラルメイクも素敵よ~~。」
お世辞を言い合ったり猫と水着美女の写真をSNSにアップしたりするだけです。
これだけでスコアが上がります。スーパー気持ち悪い社会です。

ちなみに主演はジュラシック・ワールドでクリス・プラットのお相手役だったブライス・ダラス・ハワードなので、彼女目当てで観てみるのもいいでしょう。

さて、この社会ですが自分のスコアが低いとスコアの高い友人の結婚式に招待されないし、飛行機のいい席もとれないし、ヒッチハイクすらさせてもらえません。

そりゃ、必死にお世辞も言い合うわw

そんな社会ですが、実は既に中国で実現されつつあります。
というか半分くらいは実現しています。それが「Social Credit System(SCS)」です。

このSCSには政府だけでなく、TencentやAlibabaなどの巨大資本が参加しており、例えばAlibabaはゲームばっかり買ってるような奴は恐らくニートだろうと判断するし、17歳の少女が赤ちゃん用のおむつを買っているとやはり彼女も社会不適合者ではないか?と判断してスコアを下げています。

また、SCSには犯罪の記録なども残っているので、既に1,200万人が"悪い行い(=交通違反や料金の支払い遅延)"を理由に国内旅行を止められたことがあります。(うち900万人は航空券そのものが買えず、300万人はビジネスクラスの利用が禁じられた。)

さらに、罰せられた人はオンライン上で晒されるようです。やめてくれ~。

このように、今のところは私企業での利用、政府も旅行などの一部の行いを禁止する程度に留まっており、まだ本格的に用いているわけではありません。(既にだいぶヤバいけど。。。)

今後はこのSCSに基づいた行動制限が子供の教育や職業選択、ホテルのグレードなど日常生活のありとあらゆるところに広がる見込みです。
逆にスコアの高い人は行動制限なく自由な生活を謳歌できるようになる。。。らしい。

いやいやもうリアル・ブラック・ミラーやんw

さらに"悪い行い"には今後、禁煙スペース内での喫煙や不正乗車、フェイクニュースの投稿などが追加されます。まぁこのあたりなら一般感覚的にも”悪い行い”ですが、この"悪い行い"が政府批判、体制に不都合な行いにも適用されてしまうことが懸念されています。

実際、軍事訓練を拒否した学生が高校進学や研究の継続ができなくなったという事例もあったようです。

仮に「北京の大気汚染は政府が規制をしっかりしないからだ!」とSNSで呟いたとしましょう。はい、アウトです。スコアダダ下がりです。

その代わりに、政府広報の言うことをそのままリツイートしましょう。おめでとうございます。スコア爆上げです。

ここまで来るとブラック・ミラーで描いた社会より怖い。というかある種の洗脳と嘘が日常的に蔓延した状態になってしまいます。

さらに、このSCSは中国版イーサリアム「NEO」と結びついて、ブロックチェーン上に永遠に残る記録になるのでしょう。一生を監視し続けるランク社会の完成です。
そうなる前に人権団体的なところが抗議とかするのだろうか。。。

参考資料

China has started ranking citizens with a creepy 'social credit' system — here's what you can do wrong, and the embarrassing, demeaning ways they can punish you

China's 'social credit' system bans millions from travelling

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