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DPoS(Delegated Proof of Stake)は本当に優れたコンセンサスアルゴリズムなのか?

僕らの番組でも何度か登場するDPoS(Delegated Proof of Stake)について、もうちょっと詳しく調べてみたので、まとめてみましたよ。

DPOSは一言でいえば間接民主制のようなコンセンサスアルゴリズムです。

DPoSでは、間接民主制という名前の通りまずはそのブロックチェーンに参加する全てのノードがブロック生成における承認者を選びます。
その際、1ノード=1票で投票が行われてしまうと、ある1人がノード作りまくって多大な影響力を持ってしまうという不正が可能になってしまいます。

そこで、投票の重みづけはそのブロックチェーンにおける基軸通貨の保有量(=Stake)に応じるようにしているわけです。

ちなみに、必ずしもブロック生成の承認者=その基軸通貨を大量に持っている人というわけではないようです。

むしろめちゃめちゃ基軸通貨を持っている人から投票されれば、そんなに基軸通貨を持っていない人でも承認者になることができます。
虎の威を借る狐というか現実の選挙戦みたいですねw

そして承認者からすると、信頼を得られないと投票によりその地位から引きずり降ろされてしまうので、不正せずにちゃんとブロック生成するインセンティブが働きます。
無能な上司を部下がクビにできるシステムだと考えるとすごい画期的な感じがします。会社ではそんなことできないですからね~。

また、このブロックチェーン上のルール(ブロックサイズやブロック生成の際のインセンティブ)の変更を提案する人はブロック生成者とは別に選びます。
これにより、このコンセンサスアルゴリズムを用いるブロックチェーン経済圏のガバナンスをさらに強固なものにしていると言えます。

以上より、DPoSのメリットは以下の4つと言えるでしょう。

1. 取引速度が速い
理論上、1秒100,000件も捌くことが可能だとか。
VISAやMasterCardもビックリの速さです。
100,000件が本当に可能はともかく、PoWや通常のPoSと比べると遥かに多くのトランザクションを捌くことが可能です。

2.電気を使う必要がない
これはPoSにも同じメリットがありますが、PoWと比べると間違いなく言えるメリットでしょう。

3. フォークの必要性がない
PoWや通常のPoSだと、プロトコルの変更にはフォークが必要になります。
しかし、DPoSならプロトコルの変更が提案され、それがノードの投票により可決されれば、フォークすることなく無事にプロトコルが変更されます。

4.より分散的である
これは賛否両論あるポイントです。
今のビットコインは、少数のマイナーがマイニングしており、非常に中央集権的じゃないか!という批判がある一方、DPoSでも特定の集団に承認作業を任せてしまうことに不安が残ります。(ただし、投票でクビにすることは可能。)
そのため、どちらがより分散的かは議論の余地が残りますが、なんか書いてるうちにDPoSはやはり優れたコンセンサスアルゴリズムのような気がしてきました。(voicyで配信した時は割と批判していたくせに。。。)
あと必要なのは問題が起こらないよ。ということを証明する時間だけですかね。。。?

ちなみに、DPoSを採用している通貨で有名どころはLisk, Bitshares, Steemit, EOSあたりです。まだまだ少ないですね。

それでは良い仮想通貨ライフを!

参考資料

Why DPoS is not really a PoS, but rather a PoA protocol

Difference Between Traditional and Delegated Proof of Stake

Explain Delegated Proof of Stake Like I’m 5

Delegated PoS vs Proof of Work

【Twitter】https://twitter.com/nogacrypto?lang=ja
【voicy】https://voicy.jp/channel/545

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