ブロックチェーンが発展するためのカギ
海外記事を読んでいると、今ブロックチェーンがどれくらいの段階にいるのかが書かれています。
どうやら1994年~1996年のインターネット黎明期と同じ段階にいるようです。
ビットコインは2009年から始まっていますが、ブロックチェーンの可能性を大幅に広げたスマートコントラクトを実装しているイーサリアムはベータ版がリリースされたのが2015年7月なので、確かにまだ黎明期なんでしょうね。
さて、今回はまだまだ黎明期であるブロックチェーンが今後どうすれば、インターネットのように世界中の皆が使うものになるのか?についてその障害になるもの、達成すべき課題についてまとめてみましたよ。
逆にこれらが達成できなければオワコンになるかも。笑
1. スケーラビリティ
通常の中央集権的なサービスならユーザーが増えたら、とにかくサーバーを増強すれば解決できました。
しかし、ブロックチェーンに使われているP2Pネットワークの仕組みの場合、サーバーが増えれば増えるほど、キュリティは厳重になりますが、スケーラビリティの問題には何の貢献もしません。残念無念。
ただ、イーサリアムにおいてはPlasma, Sharding, Raidenといったスケーラビリティ拡充プロジェクトが進行していますし、ビットコインではLightening Networkのβ版が既に稼働しています。
2. 2つの中央集権的ボトルネック
現状のクリプトエコノミーには2つの中央集権が存在します。
マイナーと取引所です。
クリプトエコノミーの健全な発展にはこれら2大中央集権をいかに早く壊せるかがカギとなります。
取引所の方では分散型取引所の出番になりますが、これらを使用するにはまた別のWebインフラ(MetaMask等のChromeの拡張アプリ)が必要だし、EtherDeltaを狙ったフィッシング詐欺もありました。
既存のwebシステムは安全な部分と安全でない部分のパッチワークによってできているので、大変不安定というわけです。
そこで出てくるのがatomic swapとクロスチェーンです。
今のところatomic swapはビットコインとライトコインの組み合わせでしかできませんし、クロスチェーンもまだまだこれからの技術ですが、これらがあらゆるコインで可能になると世界は変わります。
3. クリプトエコノミー
ビットコインは通貨になり損ねました。
もっとゲームのように日常生活で用いられないと難しいですね。
ただ取引所で法定通貨と交換できる以上、資産蓄積の意味合いが強くなってしまっているため、そこがさらに法定通貨から仮想通貨への移行を妨げているような気がします。
クリプトエコノミーで生活できるようになるのはいつになることやら。。。
4. キラーアプリ
いくらイーサリアムが開発者用プラットフォームとして発達しようとキラーアプリが出てこなければ我々最終消費者には何の関係もありません。
インターネット時代におけるキラーアプリはメール、チャット、Webページでした。
これらは全て人々が物語を伝えるためのものです。
人々はサルのころから噂話をしており、それが発展して物語を生み出しました。そしてその物語を生む力が人類を地球の支配者たらしめました。
まぁ要するにインターネット時代におけるキラーアプリ同様、クリプトエコノミー時代でもキラーアプリの性質自体は変わらねーんじゃねーの?ってことですね。
ただし、インターネットもそうだったように最初の起爆剤はエロとかゲームになるでしょうが。笑
5. 法整備と教育
ある意味、最も大事と言っていいかもしれません。
今はエンジニアだけがわかっていればいい領域も、ビジネスマンや政府関係者も理解し、健全な発達が求められます。
弁護士にも法律だけでなく、ブロックチェーンを始めとする技術の知識が必要になるでしょう。
ブロックチェーンに関する知識ゼロの最終消費者をどう教育するのか?という課題はありますが、おそらくこれは最終消費者が何も考えずに使えるようになるまで技術やサービスの発達を待つしかないという回答になりそうです。
6. その他もろもろ
【スマートコントラクトの整備】
最近もbatchOverflowと呼ばれる問題が起きました。
とはいえ、今回の事件がイーサリアムに与える影響は極めて限定的でしたが。
ただ、勝手に拡張して作った全ての関数の安全性までコミュニティは面倒見切れないし、今後こういうのも増えるとイーサリアムの発展には障害となりそうです。
このへんのルール作りみたいのも進むと思われます。
【ステーブルコイン】
今のような荒れ相場ではなく、金融商品としてキャズムを超えるにはヘッジにふさわしい安定した資産も必要になるでしょう。
Tether以外にもステーブルコインに取り組むスタートアップはありますが、この分野にこそ既存の金融機関が参入する余地がありそうです。
今日はこんなところで。
それでは良い仮想通貨ライフを!
【参考資料】
The Five Keys to Crypto Evolution
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