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見る人がいるとき、見られている人もいる

熱狂的に、とは言えないのですが、お笑いさんを見ることはとっても好きです。

お笑いさん、と呼んでおりますが、一般的にはお笑い芸人という呼称が多いのだろうと思います。すごいひねくれ理論ですが、お笑い芸人って、なんだか不思議な呼び方だな、と思ってしまいます。芸人、という言葉は広くありますが、そこに"お笑い"を付けて括ることって、分かり易いようでわかりにくいな、と思うのです。Wikipediaを見ると、お笑い芸人は「お笑いタレント」の項目の中に書かれていたので、実のところ、そこの区別は今でも曖昧なんだろうな、というのが、自分の感想です。

漫才もコントも、落語も漫談も、どんなジャンルのお笑いも好き、という意味で"お笑いさん"という呼称を用いますよ、と最初に断っておきます。

さて、どうしてこんな書き出しになったのか、というと、今回はこちらの記事についての感想を書こう、と思ったからです。文春オンラインさんの記事です。

週刊誌で特に多く見かける気がするのですが、ゴシップや時事ネタで「関係者の話しでは...」なんて表現がありますよね。関係者って誰なんだ、と、そもそもそれは言ったもん勝ちでは?とも思ってしまうのですが、この記事のように関係者のプロフィールが分かったうえで聞く分には、とても素直に聞くことができるように感じました。これから、関係者は語る、のような記事を書かれる方は、参考にして頂けると個人的にはとてもありがたいです。捏造したい、等の背景がある場合には別ですが...。

モダンタイムスのお二人の語りを拝見していて、実にたくさんのお笑いさんの名前が挙がっていたのが印象的でした。おそらく、インタビューだからと、世間的に名が知られている方々の名前を出しているのだろうと思いますが、そうでなかった人たちも含めると、モダンタイムスのお二人が見てきたお笑いさんの人数はとんでもなく多いのだと思います。

事務所に所属した、テレビに出た、売れた、等々、ステージは色々あることと思います。そのうち、どれが正解かなんて無いと思いますが、そこを通った人は確実にいたわけです。その通っていった様子を見ていた方のお話しだから、余計にリアルに聞こえてくるように感じました。

しかし、サラッとお話しされていましたが、"昔はこうだった”話しはとても興味深かったです。

結成当初のマヂカルラブリーもすごいネタやってたよね。たとえば、「東芝の社員当てゲーム」とか。
酒井以外の2人が組体操して、サングラスをかけた酒井がそれを傍観してる。それで、たまに酒井がお客さんに「どう? オーディエンス。すごいっしょ」って言うだけのネタ。それがドカーンッて、めちゃくちゃウケる。

アルピー酒井さんのこのネタはぜひ見てみたいですね。叶わないとわかっているからこそ余計に見たくなるのはなんていう現象なんでしょう、袋とじ理論、とでもしておきましょうか。

Youtubeはじめ、TiktokやInstagramなどの映像、動画系の媒体が盛り上がっていますが、テキストだからこそ、妄想の余地がある、と思います。酒井さんの「どう?」はどう言ってたのかな?テンションは?声は張ってる?などなど、想像すればするほど、面白かったんだろうな、と思えてきてしまいます。袋とじ理論、あるかな、無いですかね。。。

永野さんにしろ、脳さんにしろ、変えた当初はすごくファンに怒られたと思います。「そっちに行っちゃったか」って。でも、2人の場合はそういう声を無視して売れましたよね。

変わった後しか知らないので、その「ファン」の人たちの想いを感じることはできません。でも、これって、お笑いさんだけではなく、どんな業界でチャレンジする人にとっても、起こり得ることだと思います。

「変える」ことって、とても勇気が要ります。

停滞気味の時に何かを変える。上手くいっている時に何かを変える。

同じ「変える」でも、心にかかる負荷は全然違います。

そういう意味で言うと、永野さんや脳さんが"怒られた"のは、想像するに、どちらかと言えば上手くいっていたからこそなのではないかな、と思います。

中途半端に上手くいっている時が一番シンドイ、と何かで読んだことがあります。前に自分が書いたような気もしますが、それは全くその通りだと思います。「いま、しんどいなぁ」て思っている人は、大方、本当にどん底か中途半端か、どっちかではないでしょうかね。正直、どこがどん底か、なんて、振り返ってみないとわかりませんが。

そう考えると、いつだって「いま」は中途半端なんでしょうね。

中途半端は中途半端なりに、悩んでもがいて苦しんで、でもそれでいいじゃないか。いろんな人がいて、いろんな形、人生がある。そんなことをモダンタイムスのお二人のインタビューを読んで感じました。

マヂカルラブリー、これから見るとき、ちょっと印象変わってくるような気がします。

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