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「オトナ帝国の逆襲」をみて、大人になったと感じた今日

久しぶりに書きたくなりました。

2022年がはじまりましたが、前回投稿から1年経過しても、よくなるどころか厳しい現実をみせられることが多々ありますね。
爆発的な感染状況で外に出かけることも「自粛」を強要される今だからこそ、Netflixで久しぶりに映画をみてみました。

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

2001年公開で、まさに21世紀がはじまった当初に公開された映画でした。まだまだ幼いときに私もDVDをレンタルして、この映画を見た記憶がありますが、大人になった今でも、たまに見たくなる瞬間があるんです。
その度に思いがけない発見をすることがあるな…としみじみ感じています。

・主人公のしんちゃんよりも、しんちゃんを支える愛されるキャラクターに視点がいくようになったこと
・今回の敵キャラであるケンとチャコの「懐かしの過去に戻りたい」という気持ちがわかるようになったこと
・回想シーンや家族一丸となって立ち向かうシーンで涙が出てしまうこと

この映画はもちろん子供向けのアニメであることから、要所要所でちゃんとギャク演出も数多く散りばめられているのですが、
しんちゃんが「帰ってくるな!」と言われた両親ですらも、助けたいと思い、カスカベ防衛隊の仲間たちと20世紀博に向かうシーンや、大人たちを「子ども」にしてしまう「匂い」の拡散を止めるためにタワーを登りながらしんちゃんに後を託すように、みさえとひろし、シロが追ってくる敵キャラを足止めするシーン(この辺本当に涙が溢れた)など挙げきれないほどの名場面が数多くあります。

それと、未来に光を見いだせない(おそらく過去には楽しかったこと、思い出せば元気になれることがあったんじゃないかな…と)ために、「匂い」を用いて時間という秩序に変革を起こそうとするある種のテロリストである「ケンとチャコ」の気持ちもだいぶわかるようになりました。
まだまだ私も「大人」なりたてですが、凹みきれないほど失敗したこともあり、明日からの未来に希望を見出すこともできなくなりそうになりました。その度に、楽しすぎた、愛にあふれた「懐かしい思い出(過去)」を振りかえり、戻りたいと思うこともあります。

昔は涙することなんて考えもしてませんでしたが、ある種「大人」になれた瞬間なのかも…と感じてます。しんちゃんがひろしに靴の「匂い(大人)」を嗅がせ、ひろしが今に至るまでの回想シーンもだいぶ自分事に捉えられるようになってきました。
仕事して、相手先に挨拶して、報告書書いてたら急にパソコンが消えて凹んで。そんなことがあっても、帰れば「家族」が待ってる。この「家族」とならば、先の見えない未来であっても歩いて行ける、そんなことを教えてもらえているように感じました。


長々と書きましたが、感想をみていて、これ良かったな…と思う言葉を書き留めておきたいと思います。

〇「あの頃に戻れたならな」と考えてしまうのは人の常です。本作においてしんのすけは、未来を象徴しています。そのしんのすけがボロボロになりながらも家族と自分自身のためにタワーを駆け上るクライマックスシーンを観ているとき、未来を生きていく上での難渋、それでも前へ進むことの意義、過去への執着・未練といった様々な考えが頭の中でごった煮になり、涙を流さずにはいられませんでした。

〇この作品、「心の葛藤」こそが真のテーマなのではないかと。
しんちゃんも「ケンカしたり頭にきたりしても一緒がいいから」と言っているが、彼ですらケンカや頭にくることがあるたびに家族や自分の立場を棄ててしまいたい衝動に駆られることがあるのだ。
だからこそラストでケンとチャコが葛藤していくことを放棄しようとした時、しんちゃんは叫んだのだ。
「ずるいぞ!!!」と。葛藤していくことを受け入れることこそが「生きていく」ということ、というメッセージだと僕は受け取った。決してくだらなくなんかない、素晴らしい作品です。

〇コミカルに見えるが、その場にいる誰もが全力を尽くして目標に向かっている。家族と幸せになるためには、みんなと幸せな生活を営むには大きな努力が必要となる。しかしその先でこそ誰もが笑っていられる未来があるのだと教えてくれる。なんだか安っぽい感想に思えるかもしれないが、本当にそう思えた。


最後に、私もこの映画を子どもや奥さんと一緒に見て、面白さを感じながらも「家族とは」を知ってもらえるような「大人」になれるように、明日もがんばってみようかな。


何かの縁があって、みてくださった方、ありがとうございます。


https://twitter.com/kadikadisake/status/1007246727965900802?s=20&t=8VMS2upS-eQNRpCtVNP5DA 「平成が終わる年」