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『蒼海』9号掲載6句


吾は穢れたりきや春の水に問ふ

藤棚の濃きも淡きもみつしりと

内見の窓開け放ち初夏の風

郭公やひとりで住まふ2DK

消毒に慣れし手指へ南風吹く

ひなげしや単線路沿ひどこまでも

          南波志稲


 今年4月~5月の初めころ、ステイ・ホームで外出もままならなかったころの句です。

 前号からのつづきになりますが、国立の15平米ほどのワンルームは狭いだけでなく諸事情で洗濯機を置くことができなかったため、感染対策も考慮して引っ越すことにしました。暮しはじめてまだ4か月目でしたが。 

 不動産屋さんでの相談も、一度来店した後はメールで図面などを送ってもらい、内見は現地集合、または一人で行って電話で鍵のありかを教えてもらうといった手順でした。車で案内してもらうより、駅からの道などもじっくり確認できてむしろ良かった気がします。5月の半ばに無事転居を済ませることができました。

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 都心への通勤も週に1~2回に制限された中で引っ越しの荷をまとめていたわけですが、隣のアパートは解体工事、やがて新たな建築が始まったりしていたので騒音を避けて昼間は駅前のコメダに避難したりもしてました。あとは近所のウォーキング。市境を越えて恋ヶ窪のあたりまで行っていました。付近は今でもお気に入りの場所のひとつです。

 …などと、のほほんと記事を書いていますが当時はもしかしたら自分も感染?とせっぱつまった気分だったと記憶しています。あれから約半年。なんとか生きのびたな、、、と。なんだかもう、それだけでいい気がします。