別にまあ…

中学3年の夏、通っていた塾が主催する夏合宿に参加した事がある。
その合宿は3泊4日で山中湖辺りのホテルに泊まり込み、朝から晩まで、食事と風呂と睡眠時間以外は勉強するという、なかなかハードな合宿であった。
事前受けたテスト結果で、AからDくらいまでクラス分けがされ、さながらNSCのような実力による階級社会が設定されていた。
階級を意識させる目的なのであろう、食事のおかずのグレードがクラスによって違い、上のクラスになるにつれ少し豪勢だった。
多分階級を可視化して何クソというハングリー精神を焚き付けようというのが狙いなのだろう。
ある日のおかずが上のクラスは美味そうな二切れのステーキだった、僕がいた下のクラスのおかずはさぞ涙を流したくなるような慎ましい物なのだろうと思ったが、実際出たのはそれなりに美味い豚カツだった。

確かに選べるならステーキが良いのは確かだ
「でもまあ…別に豚カツも美味いし」と思った

やはり階級・競争社会は徐々に影を潜めているのだろうと今になって思う。

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夏の思い出

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