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私の心を分かってくれる本との出合い

 中学2年生の時、生徒会本部役員をしていた。中央委員会というのが定期的に開かれた。各委員会の委員長と本部役員の会だ。
 その会が開かれる前に生徒会の顧問の先生から「本部役員は一つだから、会長の提案には賛成をしないと、本部役員がバラバラではダメだ」と声をかけられた。

 中学3年生のとき、社会科の授業で政治を学んだ。「個人か政党か」という問いに、クラスのみんなは「政党」と答えた。「個人だよ」と答えたのは私一人だけだった。「個人で発言しても政党としての提案にはならない」と言われた。

 それから長い年月が過ぎ、「勝海舟の人生訓」(著:童門冬二)を読んでいた。この本の中で勝海舟がアメリカに行く前に苦しめられていたこととして「人を集めて党を作るのは、一つの私ではないか」「能力があっても派閥に属していなければ認められることは少ないし、やりたいことは何もできない」などが書かれていた。また「組織と個人は別だ」とも。

 この本と出会い、私の心が晴れた気がした。ますます本が好きになった。

 この世の中で、一冊でも私の心がわかってくれる本と出会うことができるなら、私は幸せだ。

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