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私のソウルフード、今日も「餃子会館の餃子」が食べたい

私が好きな餃子といえばホワイト餃子。

私の中で正確な表現をすると「餃子会館の餃子」だ。さらに正確に言うと、好きというより、無性に食べたくなる餃子が「餃子会館の餃子」ということになる。

私は、佐賀県武雄市に育った。

そこに「餃子会館(もしもしラーメン)」というお店がある。そこの餃子を時々、どうしても食べたくなる。

高校を卒業した18歳に佐賀県武雄市を出た。

通っていた予備校のあった福岡にいる時、「あれ、何か足りないぞ」と思った時に、思い当たったのが、餃子会館の餃子だった。

物心ついた時から、時々、出前で食べていた。

「晩ごはん何がいい?」と母が聞いてきた時、あれも違う、これも違うとごねた末、「もしもし(ラーメン)にする?」と聞いてくることがあった。もしもしラーメンなら文句がない、と答えることが度々あった。

後になって思えば、ずいぶんと料理の上手な母だったが、暴飲暴食が常だった男子にとって、母の料理では物足りない日があった。

どんなに少なくても、一人で2パック(16個)は食べた。あの分厚く、香ばしい皮に包まれたアツアツの餡が堪らない! 口の中に幸せが広がるといった表現は、餃子会館の餃子があってこその表現だと疑っていない。

いつのころからか、帰省のたびに餃子会館で餃子を食べるようになった。

しかし、社会人になって帰省する回数がグッと減ってからは「餃子会館の餃子」を心の奥底にしまい込むしかなくなった。

「餃子会館の餃子」との再会

20年ほど前になるだろうか。

仕事で横浜に行った時、お客さんが、
「いつも行く餃子屋さんがあるんですよー、ランチはそこにしましょう」
と言ってきた。

"餃子"というワードに、久々に餃子会館の餃子を思い出した。
(あー、餃子会館の餃子が食べたいなー)と思いつつ、お客さんについて行った。

「ここは餃子だけなんですよー」

当時、餃子はラーメンと一緒に食べるものという認識をしていた私は、
「へー、めずらしいですね」と言って、おそらくサイズしか違いのなかったメニューの中から、スタンダードな「餃子定食」を注文した。

へー、餃子だけで食べるんだ。いいなー、餃子会館の餃子だけでご飯を貪るように食べたいなー。餃子会館の餃子を思い出しながら、喉の奥に唾を溜めて、餃子会館と違う餃子を待った。

そして、出て来たものがなんと「餃子会館の餃子」だったのだ!

その日の午後、お客様先では気もそぞろに過ごした。スマホがなかった当時、帰宅してからネットで検索し、餃子会館の餃子がホワイト餃子であることを知った。あの餃子は、武雄市だけにあるものではなく、「ホワイト餃子」という餃子で、餃子会館(もしもしラーメン)は、その提携店の一つだったのだ。
(横浜の店舗はもうないそうだ)

ホワイト餃子を食べに行く

「餃子会館の餃子」が「ホワイト餃子」というものであることを知ってから時々、ホワイト餃子を食べたくなった。が、なかなか生活圏には店舗がない。だいたい、ちょっと繫華街からも外れたところにある店舗が多い。

いろんな美味しいものが溢れている東京に住んでいても、時々、食べたくなって、一時間以上かけてホワイト餃子を食べに行くことがあった。行動原理はよくわからないが、一日に一人で2店舗を回ったこともある。

でも、何か物足りなかった。そうだ、あのラーメンと一緒じゃないとダメなんだ!!

昔は、餃子だけでいいと思ってたんだけど… どうもそれだけじゃなかったようだ。

餃子会館でホワイト餃子を食べたい

ラーメンを一緒に提供してくれるホワイト餃子の店舗はあまりない。ラーメンがメニューにある巣鴨のファイト餃子に行った時、ラーメンを注文しようとしたが、コロナ禍でラーメンの提供を自粛していた。でも、この時、ラーメンが提供されていても、きっとダメだったろう。武雄に住んでいた当時は当たり前で匂いすら感じなかったが、あのくっさいラーメン(癖のあるトンコツ臭)じゃなきゃダメなんだ!


昨年末、父が亡くなった後、叔母と妹と餃子会館に行った。

店内に充満するトンコツ臭がすごい。その日は、上着の匂いが取れなかったくらいだ。でも、このラーメンと一緒に食べないとダメなんだ、と、心で理解した。

もう武雄には、父の法事以外で帰ることはない。

でも、心が叫ぶ。

「あー、餃子会館の餃子が食・べ・た・い!!!
(ついでに、もしもしラーメンも!)

また実家に法事で帰った際は絶対に行こう。


もし佐賀県武雄市に行くことがあった時には、ぜひ、食べてくださいね。

ホワイト餃子とくっさいラーメンがセットです。

長崎に行く途中で立ち寄るのもいいと思います。

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