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公園の「注意書き」を9ヵ月観察してわかったこと

あれ、公園の注意書きって、こんなこと書いてあんだっけ?

隅田公園(墨田区)

この看板で引っかかった文は「物の売り買い」のところだ。公園によって、クレームになりそうなことを適当に書いてんじゃないの? と思った昨年5月から街で公園を見かけると、注意書きの写真に撮るようになった。

いろんな公園を見てわかったことは、基本、公園を管理する自治体が、公園に関して守ってほしいルール・マナーをまとめておく看板があるということだ(グランドルール)。それだけじゃ足りなくて、公園固有に発生しやすい問題は、別看板になっていたりする。

自治体が掲示するグランドルール

メインは、自治体にある「公園課」のような部署名が書いてある大きな看板だ。
「ボール遊びはいけません」
「ペットを入れないでください」
「夜は静かにしましょう」
などが書いてある。

阿佐ヶ谷西公園(杉並区)
礫川(れきせん)公園(文京区)
崇元寺(そうげんじ)公園(那覇市)

個別にお願いしている看板

さらに、大きな看板に記載がない、公園ごとの注意書きもある。

阿佐ヶ谷西公園(杉並区)
花川戸(はなかわど)公園(台東区)
三河台公園(港区)
緑ヶ丘公園(那覇市)
崇元寺公園(那覇市)

ホームレスの方が昔多かったり、花見の時期に荒れたりする公園には、それっぽい文言もあったりする。

隅田公園(台東区)

その他の看板

観光地であってもあまり見ないが、英語、中国語、韓国語表記の看板がある公園もあった。実際、結構な数の公園を意識的に見るようになっても、外国語表記がほとんどないということは、苦情の原因は、日本に住む日本人が作っているのだろう。

花川戸公園(台東区)

都市公園の目的

公園は、憩いの場というだけでなく、都市環境をよくするもの、災害時の避難場所、火災時に延焼を広げない役割などがある。加えて、地域の住民活動を活発にする機能(ラジオ体操など)がある。

横川公園(墨田区)
花川戸公園(台東区)
向島百花園児童遊園(墨田区)

公園の看板について思うこと

一部のクレームを出す人がいるから注意書きが増えるのではない。そもそも地域住民の誰もが快適に利用できないといけないものなのだ。子どもを持つ親からすれば、ボール遊びくらいさせてやれよ、と思うが「うるさい」「危ない」と感じる住民が利用できないと、それは都市公園の目的に適っていない。そして、ボール遊びをする目的だけの公園を作れるわけではない。街の緑化、災害の避難場所という意味もあるので、必要な場所に、必要な公園を立てることしかできない。

だから、せめて、利用する際には、ルール(条例等で定められたこと)やマナーを守って、なるべく安全に使うしかない。今、子どもが安心して遊べている公園は地域の方々のご好意で許されているのだと思って、感謝しつつ利用したい。実際に、何とか利用してもらおうと、ただ禁止にはせず、工夫して使ってね、という「注意書き」もある。

(杉並区)

(飲酒はしてもいいけど、大人数ではしないでね、という注意書き)

柳北公園(台東区)

(ペットを公園に入れてもいいけど、砂場には入れないでね、という注意書き)

花川戸公園(台東区)

でも、ボール遊びに関してだけは、OKな公園の数が少ない。予算がある自治体は、一部のエリアを高いネットやフェンスで覆うなどして、ボール遊びができるようにしてくれると嬉しい。親としては子どもが大きくなる前に、遠慮なくボールくらいは投げたり、蹴ったりしてほしいので。

(墨田区)

引き続き、公園の「注意書き」は撮っていこうと思う。そのうち、おもしろい「注意書き」に出会えるかもしれない。これを書いておくとみんなが利用しやすいかもしれない、という答えも見つかるかもしれない。どうか、みんなが安心・安全に公園を利用できますように。

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