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実用的な体の使い方を知りました。そして素敵な人を知ってしまった #ほぼ日の學校

「ほぼ日の學校」アドベントカレンダー15日目の授業紹介は、
二重作拓也さんの『強くなるとは、可能性をつくること。』です。

授業紹介・視聴動機

強くなるとは、可能性をつくること。
二重作拓也 (格闘技ドクター)

脳のなかでイメージを変えると、身体のポテンシャルが引き出される。腕相撲、パンチ、サッカー…格闘技ドクターと体を動かし、ことばを交わしているうちに「その人の強さ」が変化していく。スマホを置いて、からだを動かそう。
公開日:2021.06.28

二重作拓也(ふたえさくたくや)
格闘技ドクター

スポーツドクター、リハビリテーション科医師。格闘技医学会代表/スポーツ安全指導推進機構代表。1973年、福岡県北九州市生まれ。福岡県立東筑高校、高知医科大学医学部卒業。8歳より松濤館空手をはじめ、高校で実戦空手養秀会2段位を取得、USAオープントーナメント日本代表となる。研修医時代に極真空手城南大会優勝、福島県大会優勝、全日本ウェイト制大会出場。リングドクター、チームドクターの経験とスポーツ医学の臨床経験から「格闘技医学」を提唱。「強さの根拠」を共有する「ファイトロジー・ツアー」を世界各国で開催している。また音楽家の来日時のツアードクターとして、プリンスファミリー、P-FUNK、タワー・オブ・パワー、ジェフ・ベック、キャンディ・ダルファー他をサポート。世界発売されたプリンスの書・英語版『Words Of Prince』はamazon.com(USA)のソウル・ミュージック部門でベストセラー1位を獲得。著書・主演作に『Dr.Fの格闘技医学』『KOの解剖学DVD』『反射と重力DVD』『Words Of Prince Deluxe Edition』などがある。

強くなりたいと思っていたことがありました。私はその気持ちと向き合うことが今はもうありませんが、息子は小学3年生。武道やスポーツもやっておらず、体を使うことでの達成経験も少なければ、大きな敗北感もありません。でも強さへの憧れはあるようです。時々、週末の晩、寝る前の取っ組み合いが、息子と向き合う大事な時間。少しでも息子との取っ組み合いで、息子に何かを伝えたく、こちらを視聴しました。

二重作拓也さんの言葉

体を使うことの脳内イメージ

重いものを持つイメージだけで、筋肉の使い方が変わる話。

僕がお二人にお伝えしたのは
ことばだけですけども
みかん リンゴ メロン スイカ
10kgのお米と伝えるだけで
筋の出力に違いが生じた
脳は 意図的な運動をするとき
運動イメージを前頭葉の一番前にある
「前頭前野」で作っている
それが今の変化の
おおもとになります

脳は 意図的な運動をするとき
運動イメージを前頭葉の一番前にある
「前頭前野」で作っている

脳のイメージが筋肉の使い方を知る方法として、これは息子に最初に伝えてみようと思います。

あとここには引用してませんが、腕相撲のコツの話はすごくよかった。もう腕相撲する機会もあまりないけど、覚えておいて、どっかで使いたいと思います。

そして、実際にパンチを打つイメージ

ゴムチューブがかかっていて 狙うところから
ぐぐーっと引っ張ってきます
思いっきり引っ張ってきて
向こうにいきたいけど
今止めて頑張ってる
これをポンと解放するとどうなるか
脳の運動が違いますね
さっきはペットボトルを前に出す
今度は相手から引っ張ってきたのを
出すイメージ
ペットボトルだけじゃなく
身体全体が対象に向かって
ついていく変化が得られますね
最初はペットボトルを
バーンと突き出しましょう

肩から腕の力に集中する
ゴムで引っ張るイメージは
全身に力が籠められる
反動で体全部が動く

これはいいなぁ。息子に体の使い方の一つとして教えてみよう。

インタラクティブファイト

体をうまく使う練習として、インタラクティブファイト(※)のご紹介。

※左手前で相手に向いて、左手(肘上)だけを使って、相手を押して、相手のバランスを崩すゲーム(手押し相撲の半身、片手版)

今回インタラクティブファイト(※)を
皆さんに紹介したのは安全という部分がすごく重要だから
1回やるたびに骨が折れたとか目が潰れたとかなると
2、3回目…の失敗ができなくなる
まず安全を確保すること
それからどんどん失敗を乗り越えていくのが自分でも
実感できた方がおもしろいと思います
運動は前頭前野で想起される
運動イメージからスタートするとお話ししたんですが
前頭前野で生まれた運動イメージは
小脳にも実は情報がぴっといきわたります
小脳はAとBを比較して
ずれていると タイムラグをもって
修正してくれる性質を持つ
運動に関してはどんどん失敗して
小脳に修正させることが重要になります

そう、いつも息子と取っ組み合いしてると、思わぬ場所に当たったりして、怪我しそうになることもある。体の使い方を学ぶのはこれでもいいかもしれません。

一回一回のふりかえりで言語化する

一戦一戦自分の修正ポイントを
ちゃんと言語化していくこと
言語化すると次の戦略を練られる
戦略としては今こういうところが
自分の問題であったと
じゃあ広くみたら動きが変わったし
勝利につながりましたね

そして、インタラクティブファイトの後、言語化することをしてみよう。繰り返せば、体の使い方について息子は言葉を獲得して、自分で考える、見直すことができるようになるでしょう。

インタラクティブファイトの具体的な工夫

余裕があれば避けられるわけですけども
身体が反った場合どうしましょう
ここからどうやって
リカバーしましょうか
いわゆる死に体になっています
どうするかというと
股関節とひざ関節と足関節を
がくっと屈曲するんですね
そうすると僕らは重力を
そのまま使えるんですね

重力に対して逆らってる筋肉を
ぽーんと腰を落とすような感じで
膝と股関節と足関節を
瞬間的に曲げてください
あぶねー!と思ったら曲げる
これめちゃくちゃ使えます

勝井さんは僕の左肩を押そうとしています
僕がもし左足に体重を乗せていたらどうなりますか
こうなるしかない
ルールは両足がついてればいいけど
それぞれ体重50%ずつじゃなくて
100:0でもいいわけですね
押してきたら反対の足にシフトします

そしたら扉みたいになる

よくあるのは
このトレーニングをすればこうなる
ウェイトをすれば力がつく
もちろんそれはそうなんです
筋力もつくんですが
それを柔道に使う 空手に使う
キックボクシングに使うのは
やっぱり違うんですよね

これもインタラクティブファイトを気に入ってくれたら、具体的な方法として教えよう。

格闘技と他のスポーツの違い

野球はやっぱり「野球がうまくなりたい」でしょ
バドミントンはバドミントンがうまくなりたい
サッカーはサッカーがうまくなりたい だけど
空手は違うんですね
「強くなりたい」なんですよ
若干違うんですよね
もちろんうまくなること
スキルを上げることは強さの一要素
でも強さの全てではないんですよ

例えば思いっきり足蹴られてるのに
平気な顔してるのも強さなので
例えば野球でエラーしたら
エラーはエラーですよね
どんなに言い訳しても
空手の場合 エラーが根性で
ひっくり返るというか
エラーがエラーにならない部分がある

強くなりたいという思いは
すごく当時あった
当時プロレスブームだったんで
昼休みには みんな
マットで戦ったりしますけど
体の小さい自分はどうしても弱かった
強くなりたいという気持ちは
すごく強かったですね

自分が例えばワンツーから
ハイキックが得意だったとしますよね
でも相手はワンツーからハイキックに
対してカウンターをとるのが
得意かもしれない
自分が得意なものだけを
相手にぶつけても良くないと
その中で相手がどういうものを嫌がるのか
どういうものを好むかを戦いの中でサーチしていく
ということを格闘技ではやらなきゃいけない

技術、相性、どうやって工夫するか、「強くなる」だけの話ではないですよね。これは親子で一緒に考えてみてもいいかもしれない。こんな話が親子でできるようになるといいなぁ。息子と一緒に成長を続けたいと思います。

まとめ

日常、普段の練習で、スポーツがうまくなるには、スポーツに出てくる動作がうまくなるようにすればいいんですね。そして、安全に失敗を重ね、毎回、ふりかえりして言語化する。これはスポーツだけじゃないですね。

このnoteでは、強くなるために役立ちそうなことばかり抜粋していますが、二重作さんの子どもの頃の経験、父への思い、子どもや選手への関わり方、いろいろとこの人はいいな、と感じることができる授業でした。いい人を知ることができてよかったです。一つ一つの経験を学びに変えれる人ですごいですね。もちろん、紆余曲折も逡巡もあったでしょう。だから簡単に「すごい人」とラベルをつけるだけで終えたくないので、二重作さんの本買ってみようと思います。あ、新作本は、Kindle版があるといいな、もうちょっと待つと出ないかなぁ。


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