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「ドーハの悲劇」から「ドーハの歓喜」へ

「ドーハの悲劇」のことは、テレビで何度も放送されなくてもしっかり覚えている。当時、高校生だった。引き分けた瞬間を見ていたわけではないけれど、試合の翌朝、何度も、テレビで流れた。

「あ、これでサッカー人気がなくなるかも」と思ったことを覚えている。

私は小学校と高校の時、サッカーをしていた。中学は、バスケをやり、バスケは途中でやめた。小学校の時、サッカーを始めた理由は簡単だ。「キャプテン翼」をテレビでやっていたから。

じゃあ中学は、「スラムダンク」ですか。
いや、バスケを始めた時、まだ「スラムダンク」の連載は始まってなかった。何でも漫画で人生を決めてきたわけではない。友達がバスケをやると言い出したから始めた。結局、自分で決めたわけではない。

本筋に戻そう。小学校の時、サッカーをしていた。

当時、サッカーは人気がないスポーツだった。アニメでは「キャプテン翼」をやっていたが、現実のサッカーというスポーツに、人は集まらなかった。

小学生の時、小学生のサッカーの試合より、隣のグラウンドでやっている陸上の練習のほうがずっと観客が多かった。

「ドーハの悲劇」の翌朝、あの閑散としたサッカーコートを思いだした。
スポーツが得意なほうではないし、自分がやってきたスポーツすらろくに観戦しない。だから、あれだけ時間を使ったサッカーに対しても、そんなに愛着はなかった。

それでも、Jリーグがはじまり、一気に一般の人にまで人気が届くようになり、サッカー選手が人気の職業の中にも入ってくるようになると、自分がやっているスポーツに周りの人間も興味を持っているという感覚があった。

正直、人気がなかったスポーツ選手だったくせに、テレビで浮かれるように見えたサッカー選手をかっこいいとは思わなかったが、でも、まだちょっとしか浮かれていなかったのに、それを彼らから取り上げるのか?

きっと、次のワールドカップまで、4年も人気は持たないぞ… と思った。
「ドーハの悲劇」と聞くと、佐賀県総合運動場のあの閑散としたサッカーコートのイメージがついて回る。

実際には、その後、きっと多くのサッカー関係者、サッカーファンがサッカー人気を支えて、今の日本のサッカーがある。

「キャプテン翼」でも翼くんはワールドカップ優勝を夢見ていたが、あれは漫画の中の世界。天下一武道会と変わりがない。現実にワールドカップなんてものは、大会すらずっと遠くにあるものだった。それが今や、ワールドカップに行くことは当たり前で、いかにベスト8の壁を破るか、なんて話をしている。いつかきっと日本が優勝する日も来るかもしれないと思う。

日本サッカーが、ワールドカップで優勝するまでの歴史、その過程で、「ドーハの歓喜」なんて言葉が生まれるとしたら、間違いなく、優勝までの歴史の中でポイントとなる事件だろう。大会の中で強豪国を倒す経験が自信になったと、のちのサッカー選手は語るだろうから。

それでもサッカーにそんなに興味はないので、どれだけ応援するか、わからないのだけれど。でも、「ドーハの歓喜」を楽しみにしています。


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