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【ポケカ構築記事】イルカマン+プテラ構築

 今回は投稿主が使っていたお遊びデッキ……ではありますが、天才的なかみ合わせを生み出したギミックを搭載したデッキを紹介します。
 なお、このデッキを使っていたのが黒炎の発売後すぐくらいだったので、現環境にかみ合うかはわかりません。あらかじめご了承ください。


1)イルカマンの問題点

 イルカマンめっちゃ簡単に火力出るやん!

 黒炎のカード情報が出そろい始めた頃にポケカの対戦に復帰した私は、イルカマンの火力がものすごいことに感動していた。

 一度ポケカから離れていた時期があり、その離れる直前まで【連撃ウーラオス】のデッキを使っていたので、しっぷうづきと似たような性能をしつつ火力が210出るイルカマンの技を見たとき、度肝を抜かれました。
 デッキ組もう!となってさっそく仮組みしてみた……のですが……

 連撃ウーラオスのしっぷうづきが強かったのは、スタジアム『みずの塔』でにげエネが0になるからだったり、道具『ふうせん』や『エスケープボード』が現役で、中継役のジラーチやミュウの逃げエネすら0にできることだったわけで……。

 また『ベンチからバトル場に出す』行動を【自分のターンに行う】のは実は結構面倒なのである。
 というのも、こういった技でよくある『前の相手の番に自分のポケモンがきぜつしていれば』のテキストと違い【自分のバトルポケモンが倒されたのでベンチのポケモンを前に出す】という行為は『相手ターン最後のポケモンチェックのタイミング』で行うからである。
 このタイミングのズレのせいで、出していたポケモンがきぜつしたタイミングでイルカマンを出してジャスティスキック!ができないので、一度別のポケモンを中継役として出す必要があるのである。 

 うーむ困った…。ポケモン入れ替えや穴抜けは採用するとして、これらをヒットしやすくなるふしぎなしっぽミュウも採用する………。
 一応にげ0のポケモンも何匹か採用するとして……。
 うーむ……。

 この時、周りは黒炎環境真っただ中。ピジョットexやリザードンex等の進化exが環境を闊歩しており、HP210よりも耐久のあるポケモンがうじゃうじゃいる。ある程度こいつらに対抗できるカードも採用したい……。

 問題点は以下3つ
 ①イルカマンは「自分のターン中」に入れ替え手段を使って前に出す必要があること
 ②あくまでイルカマンの構築を歪ませない、邪魔にならないカードであること
 ③アメ使用の進化環境に一矢報いることができる対策カードの採用


 これらの問題を解決できつつ、イルカマンの技もちゃんと発動できる、なんてそんな都合のいいカードがあるわけ………。



2)化石ギミックへの到達

 皆さんは化石カードの『なんのためにこのテキストついてるの?』の一文をご存じだろうか?その一文とは…

「自分の番の中でなら、場に出ているこのカードをトラッシュできる。」

 実際ポケカプレイヤーの人は、そもそも化石カードを使った方が少ないだろうし、ましてやこの効果を発動したことすらない人のほうが大半でしょう。
 事実、化石デッキであれば、自らカードをトラッシュして進化元を減らす行為は自滅そのものであり、化石デッキ以外で化石カードが採用されることなどゼロに等しいので当然である。

 だ っ た は ず な の だ 。 こ の 日 ま で は 。

 この構築においてこの一文は非常に重要な役割を持っている。
 というのもこの効果、このカードを出したターンでも発動ができ、さらに発動する場所を問わないのである。

 前述した問題点である「前の相手の番に倒された後に出す」の中継役として化石カードのこのギミックは優秀で、バトル場にいようが好きなタイミングでトラッシュし、実質ポケモンいれかえを使うも同然の効果を発動できるのである。
 デッキに採用できる5枚目以降のポケモンいれかえと思ってもらうとわかりやすいだろう。

 また化石カードは「場に出るまではトレーナーズ扱いのグッズ」のカードであることで、ふしぎなしっぽミュウの特性によってヒットした場合、手札に加えられるという点も構築と非常にマッチしているのだ。

 しかしこれだけではない。
 上記画像から察せられる方もいるとは思うが、わざわざ「古びたひみつのコハク」を使った理由。
 それは言わずもがな・・・・・・

プテラマーーーーーーーーン

 にげエネ0で進化ポケモンにめっぽう強いプテラに進化できるからである。

 ・化石ギミックのトラッシュ以外にも、そもそも進化してにげ0になれるという点。
 ・技に必要なエネルギーが無色であるので邪魔にならず、アタッカーとして採用できる点。
 ・ふしぎなアメに頼り切った進化デッキばかりの黒炎環境に、たいかこうせんというあまりにもかみ合いすぎた技を使える点。

 というシナジーによって、この構築は爆誕しました。

 これにより、たねex、Vはイルカマンでワンパン、倒し損ねた相手のポケモンはジェットパンチで狙撃、アメを使った進化ギミックデッキはプテラで破壊、というややこしいくせにやりたいことはわかりやすいという、なんとも変態的な構築が完成しました。

3)デッキ紹介

主が実際に使った構築。採用枚数をいじったりしてたりはするが。

 ということでイルカマン+プテラの2軸で戦う、プテラマン構築。
 基本的にはイルカマンで戦うのでイルカマンの一般的なデッキを構築し、余った枠にプテラと化石を採用した、という形になる。
 あと、投稿主のいつもの悪い癖で「極力Eレギュレーションのカードは採用したくない」という理由でネストボール4枚採用しているが、このデッキにおいてはバトルVIPパスのほうが強いに決まっているので、ガチ構築にするならパスを採用したほうがいいです。
 とか言いながらふしぎなしっぽミュウとかレベルボールとかキバナとか採用してるので主のコンセプトはめちゃくちゃ。

 基本的にはふしぎなしっぽミュウで手札に入れ替え札を抱えつつ、イルカマンの準備ができたら入れ替え札を使ってジャスティスキックしていく。
 またイルカマンが水タイプであり、コハクがグッズであることから、サポート「カイ」がとにかく重要で、イルカマンとコハクを同時に手札に加えられる札として優秀。

 また、イルカマンもプテラも1進化ポケモンであるため、スタジアム『レッスンスタジオ』による恩恵をどちらも受けることができるのがさらなるシナジーを生んでいる。
 特にイルカマンのジャスティスキックが210点しか出ないため、ギリギリ倒せないHP220のexポケモン(パオジアン等)をちょうど倒せるようになるほか、プテラのたいかこうせんでの対処可能範囲も広がる。
 また、このデッキを使っていた当時の環境では、悪リザードンexが流行っていたこともあり、HP70のヒトカゲ(水弱点)をジェットパンチでギリギリ倒せなかったところを、レッスンスタジオによって打点補強して倒せるようになるという奇跡のかみ合いも。

 このデッキを使用するうえで注意するのは「コハクをトラッシュから回収する手段がないこと」は意識して戦うこと。
 相手のデッキタイプによっては、そもそもプテラが刺さってない場合がある。
 その場合はトラッシュしても問題ないのだが、プテラを立てて戦いたい相手に対して、ハイパーボールや博士でトラッシュに送ってしまうと、化石の回収手段がないため、プテラを立てにくくなることは覚えておかないといけない。
 イルカマンの火力を出したいがためだけにトラッシュ効果を使ってボコボコにされました…となるくらいなら、普通に穴抜けや入れ替えを使ったほうがいいのは言うまでもないので注意しよう。

 イルカマンとプテラ以外の採用カードの説明。
・ナミイルカ(3-1)
 ゆうきのしんかは1枚採用。基本的に先行をとるに越したことはないので耐久があるほうを優先。地味にHP90もある。

・ピィ1
 にげエネ0かつ手札補充できるワザをエネなしで打てるため採用。
 ARカードがキレイだったから入れたなんて浅はかな理由ではない。

・ミュウ(ふしぎなしっぽ)2
 言わずもがなこのデッキのエンジンポケモン。入れ替え札、化石を引き込むためのカード。サイド落ちケアのため2枚採用となっているが、主の運があまりにも悪く、2枚ともサイドに落ちてた試合が何度もあったのでキレそう。

・ミュウex
 手札消費が激しく、ピィ以外で手札補強する手段として採用。またこいつもにげ0なので中継地点としても。技を使うことはほぼないが、一応水エネ+ダブルターボで起動はできることは覚えておいて損はない。

・各種ボール
 上記でもふれたがネストボール4よりもVIPパス採用したほうが、ミュウがいることも加味して絶対いい。みんなはちゃんとパス採用しよう。

・穴抜け3、入れ替え2
 基本的には穴抜けで相手の出方をうかがいつつ、にげ0ポケモン(または化石)を前に出してからイルカマンを出すため多めに採用。
 いれかえ2はここまで散々説明した通り、コハクが実質いれかえと同じ効果のカードとして扱えるので少なめの採用。普通のイルカマンの構築なら3以上は入る。

・エネルギー転送1
 投稿主の運があまりにもクソなせいでエネルギーが全く引けない事故が多々起きたため苦肉の策で採用したカード。
 カイやミュウでサーチすれば実質水エネサーチとしても使えるので、終盤に山札を掘る手段が減った時に役立つことがあった。
 …が、普通の人はこのカード採用するくらいなら、エネのそもそもの枚数を増やしたほうがいいのは言うまでもない。

・釣り竿1
 対戦相手の方との感想戦でよく言われたのが、釣り竿2のほうがよくないすか?でした。
 たぶん1は少ないです。エネルギー転送抜いて釣り竿2にしろ。

・げんきのハチマキ1
 レッスンスタジオの説明でも記述したが、ジャスティスキックの火力を220にできるので、パオジアンexをギリギリワンパン可能に。
 またレッスンスタジオと併用すれば230まで見ることができる。
 そのほか、生き残ればの話にはなるが、レッスンスタジオ+ハチマキがついた状態でジャスティスキック+ジェットパンチの火力が280点になるのでギラティナVSTAR、ルギアVSTAR等をぎりぎり2パンにすることもできる。
 非ルールデッキなのでサイドレースは逆転することを意識したまけんきハチマキの採用でもいいかもしれない。

・カイ3 博士3
 最初はカイ4、博士2で回していたのだが、カイ4はかなり過剰に感じ、かつ博士やナンジャモが引けずにデッキが回らないことが多かったため、3-3に変更した。
 カイは序盤ではサーチ手段として優秀だが、ミュウのサーチもあるので4は過剰だと思うことが多かった。
 とはいえ博士3は、化石をトラッシュしてしまう危険性もあるので、余裕があるならナンジャモ4やシロナの覇気採用でもいいかもしれない。

・キバナ2
 手張り+キバナの加速でジャスティスキックの準備ができ、サーチによって紐や入れ替えを直接持ってきてジャスティスキックが打てるため採用。
 同じ理由でプテラも起動できるためその点でも相性がいい。

・リバーサルエネルギー1 ダブルターボエネルギー2
 イルカマン、プテラの両方に対応しており、キバナでサーチすれば起動もできるのでリバーサル1採用。
 ダブルターボは基本的にはプテラにしか貼らないが、ごくまれにイルカマンのにげエネ確保のためや、ミュウexの技を使うためにも使用するので2採用。

4)使用感、まとめ

 まず、この化石ギミックを使った際、対戦相手の方には「テキスト確認させてください」をめっちゃ言われました。そらそうじゃ。全然浸透してないですこのルール。

 で、テキストを確認した後にみんな言うのが「えぇ…すごいな……こんなギミック思いつくなんて変態天才かよ」でした。
 
 そしてそのあと冷静にイルカマンを処理されてだいたい死にました←((((

 言ってしまえばこの構築。動きは面白いけど、決して強くはない構築です。
 2エネ210点というコスパと高打点にあこがれて作成したものの、今のポケカ環境、210点って絶妙にいろいろと足りないです。
 パオジアン等のHP220のたねex、Vが素で倒せないことや、逆にこちらのHP150はワンパンされやすい環境であること、プテラのギミックが進化しないデッキには刺さってないことが理由ですね。
 また対非ルールデッキ相手にもジャスティスキックをしていくしかないわりに、相手からはばんばん150点以上の打点が飛んでくるので、わざわざ入れ替え手段を用いないと火力が出ないというのは、結構煩わしかったです。

 とはいえ、この「化石をトラッシュする効果」をいい方向に使える構築を作ったのは、私が初めてではないかと思っています。
 さらに、それに加えてプテラという、あまりにもイルカマンとシナジーがある組み合わせにたどり着いたのも、誇りたいと思っています。

5)応用編

 最後になりますが、今回の構築の応用編、および「化石ギミック」を使った応用編をご紹介しようと思います。

 まず今回の構築の応用編。今回の構築ではコハク、およびプテラを採用しましたが

 「古びたかいの化石」と「オムナイト」を採用したデッキもあり得ます。
 いやいや、オムナイトじゃなくてオムスターでしょ?と思ったあなた。
 大真面目に・・・オム"ナイト"です。
 イルカマンが水タイプであり、水エネ要求であることから、同じ水エネ要求の水タイプの化石ポケモンであるオムナイト系統は、大真面目に検討できます。
 この場合プテラと違い、ワザ「しょくしゅでもどす」の効果で相手のエネルギーをひたすら戻して遅延することができるので、その間にイルカマンを育てることができます。
 言わずもがなレッスンスタジオで火力補強もできるため、地味~~~~に50、60打点を刻むことができ、ジャスティスキックの補強にもなります。
 また、オムスターを採用するのももちろんあり。

 オムスターも2エネで攻撃できるほか、相手のバトルポケモンが逃げられなくなるので、確実にジャスティスキックを決めたい相手を逃がさず、さらに技によって相手のベンチに30点を2体までばらまくことができるというジェットパンチの強化版のような技も使えるので相性が本当にいい。

 現状使用できる水タイプの化石ポケモンがオムナイト系統しかいないのでこれ以上の発展は望めないが、記事投稿時点でまだ出てないアバゴーラ系統・アマルルガ系統、ウオノラゴン、ウオチルドン、パッチルドンには期待できるかもしれない。

 次に「化石ギミック」の応用編。いつでもどこでもトラッシュできることの利点。
 これは単純に「ベンチの数を参照するワザ」と相性がいいのは思いつくところでしょう。
 ●●ロンド系の技を持つ3犬Vのようなお互いのベンチの数を参照するカードとは特に相性がよく、またいつでもトラッシュできることを利用して、不必要になったらトラッシュしてベンチを開けることができる。
 また、トラッシユに落ちている化石カードはグッズとして扱うため、やまびこホーンによる呼び出しの影響を受けない点でも優秀。

 そのほか面白いところだと、ストリンダーの技「ミックスラウド」のタイプの傘増しにも利用できます。
 化石ポケモンは場に出ている間、無色タイプのたねポケモンとして扱うので、化石を数枚だけ採用してタイプを増やし、また化石の進化先をキチンと採用することで別のタイプにもなれるというギミックを仕込むこともできたりする。
 この場合は古びた各種化石よりも「なぞの化石」を採用して「アーケン」「ズガイドス」「アノプス」「タテトプス」あたりを採用することでも実現できるので、面白デッキくらいにはなるかもしれない。

 そのほか、個人的に少し組んでみたいと思っているのが
「化石採用型キリキザンデッキ」

 つい先日投稿したばかりの「ゴージャスマントについて考える」記事にて少し触れた、マント採用型キリキザンのデッキに組み込むとかいう土地狂った考え。

 大口の沼を貼った状態で化石を出すことでダメカンが乗る
 →乗ったダメカンをダメージポンプでコマタナに移動させる
 →化石をトラッシュしてベンチを開ける。

 とすることで、ベンチ枠を圧迫せずにダメカンを貯めることができるというムーブができるのだ。空いたベンチスペースにまた別のポケモンを出すことでさらにダメカンを貯めることができ、キリキザンデッキにおける「ベンチがコマタナで圧迫している」問題を地味に解決する手段にもなっている。
 これも「場に出したばかりでもトラッシュができる」ことと「場に出るまではグッズ扱いであること」の2つがかみ合ってできるワザであり、化石にしかできない動きでもある。
 ただ、大口+化石+ダメポンという要求値がめちゃくちゃ高いコンボであるので、ロマンの域を出ないのは確かだろうが……

6)最後に


 以上で今回の記事は終わりとなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 イルカマンを使いたいという考えから発想が飛び、化石カードの「トラッシュ効果」をうまく利用したデッキが何かできないだろうか…という発展に至ったのは我ながら頭おかしいと思います。

 この記事を書いている現在、E~Gレギュレーションでまだ未登場の化石カードがいくつか存在していて、それらのカードにもおそらく特性やトラッシュ効果がつくものだと思うので、その時はまた構築が大幅に変わる可能性がありますね。
 個人的には過去に出ていたパッチルドンやウオノラゴンあたりが非常に強力な特性を持っていたので、化石採用しつつワンチャン進化先も採用できるようなカードが出た場合は、新しい構築が爆誕するかもしれませんね。

 それでは最後に一言。

 ルギアVSTARのアッセンブルスターでアーケオスを非合法にベンチに並べているそこの君。
 今すぐ化石をデッキに入れなさい。アーケンも入れなさい。ストレージで泣いているゾ。

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