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【エッセイ】推しを追う日々を愛してる 〜推し活のススメ〜

推しのいる人生はすばらしい。私の人生に推しがいてくれて本当によかった。

ここ数ヶ月で急に推しにお金を使う機会が増えた。これが本当に楽しい。推し活は「いつも通り」の代わり映えしなかった私の世界を一変させてくれた。

推しは世界を救う」本気マジである。1人でどこかに行くことに抵抗がない人や、新しいことを始めたい人は、ぜひこの機会に推し活をしてみて欲しい、ということでこの文章を書くことにした。

※ほんの少しだけ『イナズマイレブン』と『ワールドトリガー』のネタバレを含みます。気になる方は、ぜひ作品をみてから読んでみてください。

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初めての推しができたのは、中学2年生の頃だった。超次元サッカーアニメ『イナズマイレブン』の立向居勇気たちむかいゆうき宮坂了みやさかりょうというキャラクターだ。

『イナズマイレブン』を知っている人は、分かるかもしれないが、どちらもかなりマイナーな人物だ。立向居というキャラクターは、主人公がゴールキーパーのためサブゴールキーパーでありつつも基本ベンチ要因だったし、宮坂に至ってはもはやサッカー部ではなく陸上部に所属するキャラクターだった。

因みに、他に好きかもと思ったキャラクターたちも、メインではなかったためか次々にレギュラーから外されてゆき、物語の終盤には闇落ちして再登場していた。いや、なんでやねん。


「推し」という存在ができてからは、頻繁に『pixiv』や『占いツクール』といったイラストや漫画、小説の創作・二次創作に特化したサイトにログインするようになり、「このセリフは解釈一致だ」とか「これは解釈違いだ」とか言いつつ、自分なりの推しの解釈に心血を注ぐ日々だった。

授業中、誰にもバレないようにこっそりと机の下で推しのイメージカラーのミサンガを編んだりしていたりもした。おそらく当時は1日の3分の2を推しに費やしていたと思う。

それでも推しにお金をかけたことは、ほとんどなかった。バイトをしていなかったため自由に使えるお金が少なかったこと、「二次元オタクは変」と友人に言われたのを気にしていたこと、そもそも好きなキャラがサブ要因すぎてグッズが販売されないなど、理由はいろいろとあった。

『イナズマイレブン』以降も、いくつかハマったアニメや漫画はあった。それでも、どれもグッズにはギリギリならないキャラクターだったり、元々公式グッズがほとんどない作品だったりで、結局お金をかける機会が訪れることはなかった。

なかなか課金勢になることがなかった私は、長い間、見るだけ専門のオタク生活を送っていた。

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そんな私が公式グッズを買った。『ワールドトリガー』に登場する「お好み焼き かげうら」という店のガラスコップだった。

私には大学で知り合った見た目はギャル、中身はオタクガチ勢の友人がいた。痛ネイルや痛バック、推しのバースデーパーティーといった、彼女のきらびやかなオタク生活に感化され、湧き上がった「お金を使った推し活もしてみたい」という小さな好奇心から、私は購入を決意したのだった。

元々推し単体をでたいというよりは、推しの生活の一部を体験したい、共有したいという願いの方が強かった。なので、キャラの姿が印刷されたグッズではなく、推しのいる世界にあるものを再現しているものを購入した。

購入時、好きなコンテンツに対してお金を出すことがこんなに尊いことなのかと心の底から思い、興奮したのを覚えている。

帰宅後、私はコップを慎重に箱から取り出し、水を注ぎ、机の上に置いた。今まで心の中でしか推したことがない私にとって、形として推した証があることは、とても新鮮で、今までよりもより「推しを推せた」気がしていた。

しばらく眺めたのち、両手でコップを包み、口へと運ぶ。水を飲む時間は本当に幸せだった。水だけで人はこんなに幸せになることができるのかと衝撃あまり声を出して笑っていた。


コップを使うことにも慣れてきた頃、推しが物理的に日常生活に介入することの良さを私はじわじわと感じ始めていた。その頃には、推しの好きな食べ物を食べたり、好きなことをやってみたりもするようにもなっていた。

ところで、この文章を書いている1月3日は『ワールドトリガー』の|東春秋《あずまはるあき》というキャラクターの誕生日だ。彼もまた私の推しの1人である。

25歳の大学院生、肩くらいの長さのストレート部屋に重ための瞳という容姿は、正直なところ初見時は「あれ、君エヴァンゲリオンにでてなかった?」という感想しかなかった。因みに、好きなものは釣りとキャンプと天ぷらと刺身、好きな焼肉の部位はギアラ。

……ギアラ??

「ギアラ」とは別名で「アカセン」と呼ばれ、牛の4番目の胃らしい。少し脂っこい部位ではあるが、案外これが美味しい。といっても、彼のことを知るまで食べたこともなければ、その存在すら知らなかったのだが。

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推し活を始めてから、世界が格段に広がった気がする。食べたことのない物を食べるようになり、それが案外美味しいことを知り、聖地巡礼やライブのために訪れたことのない土地に行き、お気に入りのお店を発見したりした。

最近だと、『ヒプノシスマイク』というラップコンテンツにもハマったのでラップのリリックや巻き舌の練習もするようになった。音楽トラックの制作にも挑戦したいとも思うようにもなった。

積極的な推し活は挑戦の連続だ。やったことのないことを新しく始めることは不安だけれど、その度に推しが背中を推してくれる。推しとならば、どこまででも行ける気がした。できないことができるようになることは嬉しい。だからこそ、私は推し活が大好きだし、これからもできる限り続けていきたいと思うのだ。


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