と或る談話室にて

Lusan: (中略)それで、私達はかのエレシュキガルから核を分け与えられたのだと…貴方はそう言うわけ？

Drevo: 間違いない。僕にはその冥王様の意思を感じる事ができるんだ

Zapheiri: 物質次元を超越した存在を証明した者は未だかつていた訳ではない。少なくとも僕が存在している処では。しかしそれにしても、君が我々もその冥王から分け与えられたと言った下りは即ち、意思を感じる事ができる事とも深い関わりがあるのだと言うのかね？

Drevo: 感覚によるものだから巧く説明できないんだけど、明らかに纏わりついた空気と言うか、五感から伝わる気配が多くの人に見られるそれと違うよ。僕も、貴方達も。あちこちで語り継がれた文句にもあるでしょ？冥王、愛王との諍いの末に、13体の小宇宙のうち1体に、自身の核を送り込み、賭けを興ず…と

Lusan: 何だい、別々の次元の惑星に居ながらこうも語り継がれる物語が似ているなんて。私の家系の宗教では神と称して伝承された訳だけど、このような機会が無ければ決して交わり合う事もなかっただろうに

Zapheiri: 確かに。奴さん方、人間臭さもある割には、それと無く用意周到と言うかね。(深い熟睡に耽っているCoreyを見ながら)と、それよりも、あの白髪の三つ編み。あいつ、あのままにしていていいのかね？

Drevo: (Coreyを一瞥してから、Zapheiriに)あ、その人、今はそっとしておいてあげて欲しいな。貴方達と比べ物にならない程怠惰な性質である可能性も極めて高いんだけど、何だろこの人は…少しだけ、雰囲気が冥王様に似ているから。もしかするとあの方から受け取るものも、僕とは比べ物にならないくらい強烈で、疲れ易いのかも知れない

Lusan: 申し子にも色々と違いがあるのね

Corey: (傍白)お腹すいた(寝返りを打ち、再び眠る)

イェコーン叙事詩、並行宇宙戯曲パロディ"死神様の写身達"より、一部抜粋
作　Jørn Kurt Småge(ヨルン・カート・スモージ)
訳　Xin Noir
編　R. Noxini
出版　Nox-0
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