パフォーマンス・レビューって何？

パフォーマンス・レビューは日本語では業績評価と訳されています。これは上司が従業員の仕事ぶりを評価する査定のことで、外資系企業などで一般的に行われるアセスメント手法です。

💡パフォーマンス・レビューは、個人であらかじめ定めていた自身のパフォーマンスの計画と実績を比較し、分析をし、今後の対策を考えいくことを目的としています。

私の働いている会社もクリエーティブ・チームが成長するにつれて、効果的なスキルと考え方を構築する必要性も高まりました。プロダクトデザイナーとして働くためには、UX/UIデザイン以外にもいろいろなスキルを身につけなければなりません。パフォーマンス・レビューはこれまでの業績をチェックインし、設定された目標に対してチームメンバーがどのように追跡しているかを確認するのに絶好な機会なのです。

またこれは、チームメンバーとマネージャーが、得意、または苦手なスキルについて話し合ったり、フィードバック、またはサポートについて話し合うための会話を行う機会でもあります。
個人のパフォーマンスを包括的に評価することで、企業は従業員に関する貴重な情報を得ることができます。

例えばマネージャーはサポートやパフォーマンス改善を必要とする従業員を特定するのにも役立ちます。これは、マネジメントの重要な要素であるとも言えます。

パフォーマンスレビューは包括的に評価することが大切です。
・あなたは広い視野をもって業務のプロセスを構築できていますか？
・あなたはビジネスに関する知識を持ち、それを活用出来ていますか？
・あなたががマネジャーの立場でしたら、しっかりとリーダーシップを発揮できいますか？
などといって、あなた自身に関する貴重な情報を得ることができます。このパフォーマンス・レビューを正しく行うことで、現状の問題点を発見することができます。以下の質問を問いかけましょう。
・現状あなたが改善したいこと
・あなたの目標がビジネスニーズに合っていますか？
・あなたの目標が全社やチームの方針に合っていますか？
問題が出てきましたら、マネジャーと改善策を一緒に見つけていく必要があります。しかし、パフォーマンス・レビューを正しく行うには、企業の組織全体として、綿密な計画と調整が必要だと言われています。

パフォーマンス・レビューのプロセス

パフォーマンス・レビューの簡単なプロセスをご紹介します。

1. 自分自身で自己申告をします。
2. 自己申告をあなたのマネジャーがレビューします。
3. あなたはマネジャーとミーティングを実施します。
4. マネジャーはミーティング後、あなたの成績や能力、業務に対する姿勢などを考慮と査定をさらに進めます。
💡マネジャーは、あなたの申告内容を確認していき、それに対して評価していかなければいけません。また、あなたが評価に納得しなかった場合は、納得ができるようになるまでミーティングをして、各自の同意が必要になります。

従来の１対１の評価方法だけではなく、近頃は、仕事上の関わりを持つ先輩や同僚、部下などが従業員を評価する「360度評価」を導入している企業が多くなってきています。

パフォーマンス・レビューのメリット

では、このパフォーマンス・レビューを導入すると、マネジメントにどのような効果が得られるのでしょうか？

→ いつでも軌道修正ができます。
マネジャーはあなたのパフォーマンス・レビュー分析の結果をあなたとシェアすることであなたの目標達成に向けた取り組みについて話し合うことができます。もしあなたの目標や実績が思わしいものでないと、次回に向けた改善を一緒に考えていくことで、いつでも軌道修正をすることができます。

→ あなたの功績を称えることができます。
チーム・ビルディングの手法として、メンバーの表彰が挙げられます。パフォーマンス・レビューによって実際のパフォーマンスを適切に評価することで、マネジャーは日頃のあなたの努力と功績を称えることができ、メンバーのプロジェクトに対するモチベーションを高めることができます。あなたのモチベーションが高まれば、ますますパフォーマンスが向上することが期待できます。

→ あなたとマネジャーの連携を強化できる
パフォーマンス・レビューを行うことであなたとマネジャーの連携を強化することができます。定期的にパフォーマンス・レビューを行うことで、コミュニケーションが活性化します。マネジャーは日頃からコミュニケーションを取ることで、あなたに悩みが出た際に他のメンバーに相談しやすくなるでしょう。その結果、マネジャーは色々な視点からあなたにアドバイスしやすい環境が得られます。また、パフォーマンス・レビューによってあなたの目標達成に向けた意識を共有でき、結束を促す作用もあります。

自己申告の書き方

自己評価はパフォーマンス・レビューにおいて、組織があなたの能力や適性を把握する重要な判断材料のひとつです。また、あなたが自発的にパフォーマンスや組織への貢献度を見直し、ステップアップの目標を設定する手段として非常に有効です。自己評価の書き方はフォーマットが決まっておらず、社員の独断で書かれやすいもです。

1. まずはべースラインとなるスケジュールやゴールを作成します。
パフォーマンス・レビューは基準となるベースラインを作成することから始まります。あなたのマイルストーンまでの目標、また一年間の目標を書き出します。ベースラインは自己評価の根幹であるため、変更する場合は細心の注意を払うことが大切です。

2. 定期的にレビューを行う
パフォーマンス・レビューは、１年中に１～２度、義務的に行うだけでは効果を発揮しません。例えば、マイルストーンに設定したタスクやアクティビティが完了した時点でパフォーマンス・レビューを行うなど、定期的に実施することで、プロジェクトの軌道修正をしていくことができます。

3. 比較・分析した結果をもとに次のアクションを考える
パフォーマンス・レビューを行ったら、その結果を受けて次なるアクションを考えていきます。

こちらの記事で短期目標の立て方とSMARTゴールについてご紹介しましたが、SMARTゴールを使うと目標を達成することが容易になります。

ポイント

期初目標に対して記載
成果だけを書きがちですが、期初に立てた目標に対してどこまで達成できたか、またそれに向けてどのような努力をしたのか説明します。期初目標と対比することによって、達成した成果に対して評価しやすくなるでしょう。

数値で表現する
成果について数値で表現できることは、数値で表現します。
数値で記載することで、漠然とではなく度合いをはっきりと伝えられるでしょう。内容が曖昧にならないよう注意します。

過少過大評価しない
自己評価は主観的にならず、できるだけ客観的な視点で記載します。自分をアピールすることは大切ですが、実績以上に誇張してしまうと本来の良い点も正確に伝わりません。かといって謙虚に自分を過少評価することもＮＧです。

未達成のことも報告
失敗に終わっている、未達成のことも記載するようにしましょう。プロセス上でどう努力したか、また今後どのように改善していくかを併せて記載します。自己評価の正当性が上がるとともに、業務プロセスでの努力や今後の目標への意欲が把握しやすいでしょう。

能力や自己啓発をアピール
業務上必要なスキルや能力についても記載します。
業務で役立てられる資格を取得した場合には、具体的に報告しましょう。

また、現時点で受講中のセミナーやオンライン学習、勉強中の資格がある場合もアピールします。

部下への指導状況
中堅社員など部下がいる場合には、部下への指導についても評価します。部下に対して効果的な指導を行っているかも評価の大切な観点です。
部下が安心して成長できる場を提供できているか振り返ります。

他部署・同僚とのコミュニケーション
仕事をする上で、ひとりで仕事が完結することはまずありません。必ず他部署や同僚と連携を取りながら、それぞれの役割を果たしながら仕事は進みます。円滑にコミュニケーションがとれているかについても、記載すると良いポイントです。

自己評価を社員がステップアップツールとして利用する方法
「自己評価」を行う際、社員は以下の点を意識することで、ステップアップツールとしての効果が期待できます。

自分の強みと改善点を認識する
既に達成した、あるいは達成できなかったゴールを見直し、自分の強みや改善点を認識します。原因とともに今後どのように強みを活かし、課題に取り組むかを考察します。ここでのポイントは、改善点を「弱点」ではなく「ステップアップのチャンス」とポジティブにとらえること。リアリティーチェックを行い、非現実的にならない範囲で強化・改善計画を立てましょう。

ステップアップのチャンスを探す
改善したい、あるいは新しいスキルを習得したい領域を概説したら、そこに到達するための計画を立てることが次のステップです。関連性のあるトレーニングやプログラムなど自発的に参加できる機会を探すとともに、組織からサポートを得られる機会についても積極的に質問してみましょう。

コミュニケーションスキルを見直す
自己評価と上司によるパフォーマンス評価の結果が、完全に一致するとは限りません。両者が大幅に食い違う場合、コミュニケーションの欠落が原因である可能性が考えられます。コミュニケーションスキルを磨くと同時に、是正措置や調整をより頻繁に行う機会をもてるよう、働きかけてみましょう。
苦手だった自己評価も、ポイントをしっかりとおさえることで、自分のモチベーションだけではなく周囲からの評価も変わってくるはずです。

私は、ビジュアル・デザイナーをバックグランドに持ち、数年前からプロダクトデザインの役割に移行して成長してきました。今は以前より多くのUXと関連した課題と責任を引き受けています。数年前にIDEOでの学習と開発を通じて、毎日行う仕事に適用できる優れたベースラインビジネス戦略レンズを構築してきました。

次回は、私の働いている会社で行われるパファーマンス・レビューのために英語で書いた自己評価の例文をご紹介します。

参考資料

私も色々勉強中なので、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。