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BRM128松阪600 に参加してきた

恐怖の前日移動


2023年は4年に一度のブルベの祭典、パリ~ブレスト~パリが開催される。そのせいか、松阪発のワンウェイルート、真冬の600kmという認定完走を目指すには厄介な条件がそろったブルべにも関わらず、30人以上の申し込みがあったBRM128松阪600。その参加者の中に三船さんがいたので、前日移動や走行計画について事前に情報交換を行う。自分がブルべに参加する切っ掛けの一つが、三船さんのブルべのレポートだったので、今回のようなブルべは絶好のチャンスだ。そして、満を持して迎えたブルべの前日はまさかの吹雪

ブルべよりキツかった?前日移動

前日までは軽く雨に降られるかな?くらいのつもりが大阪を抜けると雨は雪に、白くなっていく路面。道中のコンビニで一時避難すると三船さんからメッセージが届く、車の少ない道、雪が降り積もる前の時間を狙って亀山方面から松阪入りする予定のようだ。正直、電車は普通に動いていたので輪行で移動しようかとも思っていたが、三船さんも走っていると思うと俺もまだまだ行けるんじゃないか?二人ともディスクブレーキやし、28Cのタイヤやし、最新のDi2のコンポーネントやし(今回の三船さんは試乗車のDAVOSのD-309)、あと滑り知らずの関西人やし(笑)と、根拠のない自信が湧いてくる。

伊賀を越えたあたりで雪が一番強くて、長野峠は完全に真っ白になる直前に越えることができてギリギリのタイミングで津まで抜け出すと、雪は小雨に、松阪に近づくと晴れ間も見えるようになった。肝心のブルべのスタート前の大ピンチを切り抜けて何とかチェックインする事が出来た。

せっかくの松阪なので前夜祭は肉

カンパがやって来た

一夜が明けて始まったBRM128。紀伊半島一周はブルべでも個人的なツーリングでも幾度となく走っているのでイージーなものになるかと思いきや、スタートから所々に凍結があり、信号待ちで滑る参加者も。そして、パールロードに出るまでは我慢だなぁ、と思っていたらまさかのパールロードで凍結( ゚д゚)

凍結した路面を器用に押し歩く三船さん
歩きながら滑ってこけた私

三船さんからはフロントブレーキに頼るな、そして、歩くときは路面は滑るので道端の凍った雪をストッパーにするというアドバイスが投げかけられる。私だって人並み以上にサイクリングの経験は積んできたが、まさかここに来て凍結した路面でのサイクリングのレクチャーを受けるとは思わなかった。やはり三船さんの引き出しは広く深い(笑)

私はWILIERのZERO SLとレーシングバイクだったのに対し、三船さんはツーリングバイク

今回は二人とも300kmから400kmのどこかで仮眠を取る予定だったが、当然のように宿はとっていない。スタート時間とルートの組み合わせが悪くて、新宮や串本で宿をとると滞在時間が極端に短くなったり、チェックインする時間がシビアになる。最悪屋外でも風が除ければ休憩できるように、マミータイプのエマージェンシーシートと輪行袋を携帯して走っていたが、三船さんはガッチリと寝るつもりで枕とシュラフをフロントフォークのバッグに収納していた

予定より早めに道の駅にチェックイン。仮眠どころか4時間ばっちり休憩をとる事に

約束された爆風と予想外の展開

ブルべでは速く走る事を追求しないが、速く走れることは有利だ。20時間を超える走行をする際に、十分な休憩や、安全なライドを続けるための睡眠をとる事だってできる。夜中の走行の場合、オーバーナイトで疲れ切った場合と、今回のようにしっかり休んだ場合では段違いだ。道の駅から再スタートすると目が冴えてきて、体温を上げるために積極的に前に出て三船さんを牽引する。このまま行ったら夕方には間に合うんじゃないか?と思ったら徐々に向かい風が強くなってきて、残念ながら体重53kgの非力マンはここで限界、というか足が売り切れ状態で、この後は三船さんの後ろに着かせてもらう時間が続く。

今回は三船さんと一緒に走る時間が長かったので、走り方やライド中の所作を観察したり、世間話から業界話?まで中身の濃いライドが続いた。ゴールまでこのペースで行きたかった所だが、残り50kmほどのところで終盤のアップダウンでペースを維持できそうにないので、三船さんに先行してもらう事に。気持ちを切り替えて一人旅を楽しむが、海南市に入ってから急に気分が悪くなって、一旦自転車を下りて10分ほど休憩をした。おにぎりを食べると不思議に力が湧いてきて、何でだろう?と思っていたらその先のトンネルを抜けた先で交通事故発生。車3台がからむ結構な規模の事故で対向車線も通行止めに。地元の方に誘導されて現場を迂回してルートに復帰できたが、もし直前に休憩をしていなかったら私も事故に巻き込まれていたかもしれない。虫の知らせ、というのはあるんだなぁ、と思いながらゴールまでしんみりとした気持ちで走行した。

三船さんに遅れる事30分でゴール

久しぶりの真冬の600kmで不安もあったけれど、三船さんのおかげで色々と勉強をしつつ楽しんで走る事ができた。道中で話をしていたけれど、三船さんがPBPでファーストランをするのは2023年は最後、その後はもう少し楽しみ方を変えるとか。今回のコースでは紀伊半島一周で今まで自分が素通りしていた場所も細かく走っていて、新しい魅力に気付かされた。厳しい天候で色々と気を揉んだであろう主催者に感謝である。可能なら三船さんの還暦祝いでまた紀伊半島600kmを走りたい、I田さんには引き続き良コースの開拓を期待しています。その時は600km全部私が前を牽けるように精進しよう(;'∀')

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