のーないすこうぷ

ドック・健診、特に血液検査結果をもとにした栄養相談や乳がん検診を業務の中心としています…

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ドック・健診、特に血液検査結果をもとにした栄養相談や乳がん検診を業務の中心としています。 乳がんに限らず女性のための総合健診医へと転進を図っているところです。マンモグラフィ読影AS認定医、乳房超音波講習会A合格。

最近の記事

乳がん検診の「精密検査」と「生検」

乳がん検診で要精密検査となったときに読む話 https://note.com/nonaiscope/n/n69e5ac71e380 前回の続きみたいなものです。 乳がん検診を受けたあなたの結果は「要精密検査」でした。 知人やネットなどを頼りに、ここならというクリニックを見つけました。 ところで「要精密検査」の「精密検査」は何をしているか。 今回はそんな話です。 乳がん診療における一般的な精密検査の流れ1:視触診で乳房所見を確認 2:マンモグラフィーや乳房超音波検査の再検

    • 乳がん検診で要精密検査となったときに読む話

      こんにちは。今日も頑張りましょう。 ここまでいくつか乳がん検診の話を書いてきて、そろそろ検診前のネタも尽きてきたので、検診を受けたあとの話をしたいと思います。 乳がん検診結果を読むための知識 https://note.com/nonaiscope/n/nbe3495021257 上記でも書きましたが、がん検診における「要精密検査」とは「診断が必要だから、専門病院(専門科)を受診してほしい」を意味しているにすぎません。必要とされるその診断には、異常なしも含まれます。決して

      • マンモグラフィ「高濃度乳房(デンスブレスト)」が抱える様々な問題

        平素より大変お世話になっております。 のーないすこうぷでございます。 今回はマンモグラフィ検診で最近話題に上る「高濃度乳房」についてです。例によって法的にクリアとなっているマンモグラフィ画像を持ち合わせていないので、参考画像に乏しいです(誰か提供してくれませんか? 「高濃度乳房ってなに?」という方は以下のサイトもご参照ください。 高濃度乳腺~デンスブレスト~って?  (くまもと森都総合病院 乳腺センター) ※本当は高濃度乳腺ではなく「高濃度乳房」を使うよう通知されてい

        • 乳がん検診結果を読むための知識

          検診結果はレポートで送られてくることも多いと思いますが、今回は検診結果の解説をしたいと思います。 所見を見る前に心構えとしてまず知ってほしいことがあります。 そもそも乳がん検診の目的はなんだったか。それは「乳癌死リスクを減らす」ことです。具体的には「外来受診しなきゃ、などとは露程にも思っていないでしょうけど、あなたは受診してくださいね」という人を探すことです。 言い換えると、 ・検診が行っていることは「診断ではなく」、「専門病院(専門科)を受診してほしい人を選別」する

        乳がん検診の「精密検査」と「生検」

          あなたに乳がん検診を受けてほしい理由をもうちょっと

          前回の続きみたいなものです。 前回のエントリーでは乳がん検診の基本である「2年に1回のマンモグラフィ」がどのようなエビデンスを経て決まったかを紹介しましたが、果たして心動いだだろうか。おそらく微動だにしていないはずだ。 いや、動いていてほしいのだけれど、「乳癌死を減らす」と言われても、遠い未来すぎて今の動くきっかけになりづらいのもまた事実。 乳がん検診で「乳癌死を減らす」と「早期発見(・早期治療)」のすき間 これは勝手な推測であるけれど、乳がん検診を受ける方の期待は

          あなたに乳がん検診を受けてほしい理由をもうちょっと

          正しい乳がん検診とはなにか

          このエントリーでは「結局のところ乳がん検診はどうしたらいいのか」の解説を目指します。 乳がん検診はどのような人がどうやって受けるべきかいきなりお願いで始まりますが、そこにいらっしゃる「無症状」な「40から74歳までの女性」、どうか無症状なうちに「乳がん検診」を受けていただきたい。 別エントリー(https://note.com/nonaiscope/n/n1f9211a9ec6e)で詳しく解説していますが、検診は無症状なうちにうけることが大切です。 特に最近の乳がん検診

          正しい乳がん検診とはなにか

          乳がん疫学に関するあれやこれや

          講演会用のまとめです。 なお、グラフ、数字については注意して計算しましたが、解釈間違いがあったらそっと教えてください。 乳がんはどれくらい増えているか乳がん年齢階級別罹患率(高精度地域) 資料:国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」 期間:1985年-2012年、3年ごと 点線=2000年まで 実線=2000年以後 高精度=山形、福井、長崎各県 1985年の割合を1とした場合、2012年では何倍に増加しているか 資料:国立がん研究センターがん対策情報

          乳がん疫学に関するあれやこれや

          プロフィール

          のーないすこうぷ 内視鏡診断含めた総合内科からキャリアをスタート 上部消化管内視鏡検査のバイトを続けながら乳腺外科医に転向 マンモグラフィ認定医合格を機に上部消化管内視鏡検査のバイトを終了し、地区内で一次検診から、手術、薬物療法、終末期緩和ケアまでを一貫して担当 現在は都内健診施設に移籍。より現状が把握しやすい説明と、個別化された次につながる提案ができる健診施設を目指しています