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文系のプロンプトエンジニアリング―非構造化データとしての「オブジェクト」

対話型生成AIとのやりとりを始める際、通常は何らかの「プロンプト」と呼ばれる文字情報を投げかけます。この「プロンプト」は、AIが持つ膨大なデータセットに対する「オブジェクト」としても機能します。この「オブジェクト」がAIとの対話において重要な理由は、それが新たな意味や価値を生成するキッカケになるからです。

対話型生成AIの前にプロンプトとして差し出された文字列は、オブジェクトと見なしてみましょう。
ただの文字列としてのオブジェクトが触媒として機能する背景には、対話型生成AIがすでに膨大な言語的データセットを持っていることがあります。個々の「プロンプト」や「つぶやき」が、このデータセットとの関係の中で触媒となり、新たな意味や価値を生み出します。

"データ"と聞くと、多くの人々は数字やグラフ、表といった形式的な情報を思い浮かべるでしょう。しかし、その幅広い領域には、形式が定まっていない非構造化データも含まれています。それは、一見するとデータらしい形をしていないものであっても、対話型生成AIのような高度な技術が持つ膨大な言語的データセットに照らし合わせると、その価値が明らかになるのです。

例えば、「つぶやき」といった些細な表現や思いつきも、この非構造化データの一例です。個々の「つぶやき」は一見、単なる感想や気まぐれに思えますが、それが対話型生成AIに与えられると、膨大なデータセットを基にした意味の生成が行われます。言い換えれば、それぞれの「つぶやき」は、触媒として働く存在なのです。

「今日はいい天気ですね」などという他愛のないセリフから始まる日常的な会話が、「AIの可能性は無限大ですよね」といった興味深いテーマへと遷移する過程においても、新しい「オブジェクト」が次々と投入されることで、対話がより創発的なものになることが期待できます。

このような視点から、プロンプトの設計や対話の進め方について考えることを「文系のプロンプトエンジニアリング」と呼びたいと思います。対話型生成AIに興味を持ち始めた人々にとって、このようなアプローチは非常に魅力的であり、AIの活用において新たな地平を切り開く可能性を秘めています。

どのような「オブジェクト」が価値を生むのか、その可能性への人間の洞察が、AIとの対話や人々とのコミュニケーションを新たな次元へといざなうでしょう。だからこそ、非構造化データの持つ無限の可能性に目を向け、その深層を探求することが、これからの知的生産活動において重要なのです。

対話型生成AIに興味を持ち始めた人たちにとって、非構造化データとの交差点であるこの視点は、知的生産活動に新たな地平を切り開く可能性を持っています。

  • 文書生成のプロセスを共有。一連のシリーズ記事でのやりとりを公開しているChatGPTのログはこちら!



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