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都留文科大学で最初に担当したゼミ生のインタビュー記事が―Googleとロイロと野中ゼミ

「GIGAと Google とわたし」シリーズvol.14 生徒の「学びたい瞬間」を逃さない

 2016年に都留文科大学に着任した私は、担当したゼミにiPadを持ち込み、 ロイロノート・スクールデビューをさせ、チームごとに反転授業の動画教材をつくるプロジェクトに挑戦させました。
 教科書とノート、黒板とチョークのイメージで「国語教育」を学ぼうとしていた学生たちにとっては、とんでもなくクレイジーな授業だと感じられていたに違いありません。
 後期からは、大学と交渉してGoogle Classroomも使い始めました。
 これからはEdTechだと信じていたものの、学生たちにはなかなか私の思いが伝わらなったようです。
 当時、3年ゼミ生だった卒業生が、そのときの学生たちの気分をこんなふうに語っています。

最初に触れた Google のツールは Google Classroom で、この掲示板のようなツールが授業にどう生かせるのか全く想像ができなかったことを覚えています。
野中先生からは「すでに授業や教育活動に利活用している学校もたくさんある」と聞いても、半信半疑であり、
確かに「便利そうだな」とは感じたのですが、ゼミの仲間たちとも「とはいえ、これはどうやって使うのか?」と話題になっていました。

「GIGAと Google とわたし」シリーズvol.14 生徒の「学びたい瞬間」を逃さない

 一斉授業で「手をひざ、口にチャック」で教室内の規律を守るべくしつけられた子どもは、なかなか自分の意志で自由に学びに向かうことができません。
 5年ほど前のことですが、映画『みんなの学校』で知られる大空小学校の元校長・木村泰子さんが「幼稚園で“しつけられて”入学してきた小学1年生のリハビリには1ヶ月かかる」とぼやいていました。その話を受けた千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長(当時)は、「いやいや、中学の新入生は、小学校の6年間でさらに“しつけられている”のでリハビリに1年かかりますよ」と苦笑いをしていた。

 その話を聞いた私は、「それでは、小学校、中学校、高等学校と、12年間にわたって“しつけられた”大学生は、いったいリハビリに何年かかるのだろう」と暗澹たる気持ちになったものでした。

 しかしながら、短い期間で見事に時代の変化を察知し、自ら学びに向かう行動原理を身につけてくれる大学生が少なからずいることはたしかで、その1人が「GIGAと Google とわたし」シリーズvol.14 生徒の「学びたい瞬間」を逃さないというインタビュー記事に登場している佐藤邦享さんです。

 いつも都留文科大学のゼミでの体験を肯定的に語ってくれる、得難く、有り難い卒業生です。
 そして、考えて動き、動いて考える。歩みをとめず、変化をいとわない生き様は、なかなか見事です。

 現在の職場にいられるのもあと4年ほど、こういう卒業生がもっともっとたくさん巣立っていくように、微力を尽くさねば…と改めて思った1日でした。


        未


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