成田悠輔は柄谷行人チルドレン?

【ログイン不能だったnote の復活を記念して駄文を草す】

3月から週1回の朝のラジオ収録をしている。
このときに話をしたのは、成田悠輔、斎藤幸平、鈴木健など、DXやら人新世やらポスト資本主義やらで変容しつつある現代社会に対するクリティカルな洞察で耳目を集める人たちのことだった。
いずれも、柄谷行人の影響圏から出現しているところが興味深い。

グレタ・トゥーンベリが声をあげている様子を、テレビやインターネットで見たときに思い起こしたのは、20世紀最後の年である2000年に出版された『倫理21』の中で柄谷行人が言っていた「未来の他者への倫理的責務」のことだった。
環境問題などについて、いま生きている者が合意するだけではだめで、まだ生まれていない未来の他者との合意が必要だという趣旨の話に、なるほどと深く頷いていた私は、グレタ・トゥーンベリが登場した時、彼女こそが柄谷行人が言っていた「未来の他者」ではないかと驚嘆した。

『マルクスその可能性の中心』や『可能なるコミュニズム』などのタイトルが示唆する思想軸には、現実の共産主義国家とはまったく次元を異にする可能性が見いだせる。
壮絶な失敗と評価されることもある社会運動『NAM』も、マネーの変容が始まっている今となっては、むしろその先駆性こそが失敗の要因だったとすら言えそうな気がする。

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