不倫や離婚の記事を読む。所詮は他所の家庭話ですので勝手にしてくださいと思う。でも、やたらと出てくる「子供の為に」という言葉が引っ掛かる。本当に子供の為の場合もあるでしょうし、本気で子供の為と思っている場合もあるのでしょう。でも私は引っ掛かってしまいます。

私には子供がいません。ですから子を想う親の気持ちは本質的には解らない。そんな私が親の立場である人に物を言う資格はないのだろうとは思う。でも私にも子供だった時代はある。そんな私が子供だった頃の気持ちとして物を言うくらいの権利はあるだろうとも思っています。但し特異な感情の子供だった可能性はあります。自身としては至って普通の感情を持った子供だったと自負していますので、その判定は皆様にお任せしたいと思います。

「お父さんとお母さんがもし離婚したら、お前はどっちに付いていく？」

私が10歳の時、唐突に父から聞かれた質問です。そして父は、その質問が終わらぬうちに必死になって急ぎ打ち消していました。

「ごめん！無し無し！お父さんが悪かった。今のは忘れて。」

母は健在ですが生涯に渡り円満夫婦だったと思われる我が両親。この当時、父にそんな気持ちがあったのか、テレビでも観て単純に聞いてみたくなったのかは判りませんが、私は後者だったと思っています。でも打ち消されたとて質問はされてしまった。瞬間的に浮かんだ答えも抱いた感情もあります。ただショックだったかと問われたら全く、全然。このことだけはハッキリと憶えています。

浮かんだ答えとしては時代性もありますが「男なのでお母さんに付くのだろう」です。ただ質問者が父なのでどう答えたものかと瞬時に困ってもいました。そして抱いた感情といえば「そんなもん、知らんがな」です。

小学４年生の私。両親が離婚すると決めたら、それはもう仕方がない。やりようもない。どっちに付くかも決めてくれです。ただ仮に「子供の為に」と思ってくれるのであれば「離婚せずに仲良く今まで通り育ててください」の一択です。それ以外は「知らんがな」です。「大人お得意の事情と都合があるんでしょ」としか思わない。良いも悪いも知らんがな。私は子供なのですから自立が出来るまでは影響を受けるのみ、抗いようがないのです。

だから「子供の為」と言うのだけは無しにしてほしい。勝手に別れるのですから耳障りの良い理由づけに利用しないでくれと思う。ましてや世間への免罪符として使わないでと。親が自分の人生を歩もうとしただけ。悪い事とは思いません。但しその選択は、自分の責任、自分の覚悟として行ってほしい。親の選択によって受ける影響は仕方がない。それがその家庭に生まれた運命です。でも、そこまで。望まぬ選択をされたのに、それが子供の為だったなんて堪ったもんじゃない。そんな勝手な言い分だけは、私が子供であっても認めはしません。

当時の父に対して「何を聞いてんの？」「何を慌ててんの？」「何を必死で謝ってんの？」と平然としていられたのは両親が円満だったからかもしれません。「知らんがな」とショックも受けずに一蹴出来るほど平和な家庭に育ったのだと感謝しています。所詮は他所の家庭話。他所の子供からしたら「そんな昔の子供の気持ちなんて知らんがな」と一蹴されることと思いながらも投稿いたします。

【追記】
この投稿を書き終わった後で福原愛さんのニュースを見ました。昨今の芸能ゴシップを読んでの感想くらいの気持ちで書いていましたので、少し困りました。何かとリンクしますものね…
日本外国特派員協会まで出て来るような難しそうな話については、私は知らんがなという状態で書きましたことを追記しておきます。