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断る理由を人は求める・前編【昔のこと】

私、子供の頃に一度だけ引っ越しをしました。10歳だったと思います。
引っ越しといっても隣の学区に移っただけでしたが、所変われば色々変わる訳で、越した翌日から近所の子供達が大勢で誘いに来た。

1、2歳差の小学生が多く居る地域で特に私の学年の人数が多かった。皆、活発な子供のようで、とにかく外で遊ぶ。とりわけ柔らかいボールとプラスチックバットで野球をするのが好きな子供達の集まりでした。

私はインドア派。しかも球技が大の苦手。家で一人で居ても苦では無く、というよりは外に出るのが苦なので家に居るといった子供でした。とはいえ新参者が誘いを断るのは忍びない。母も本当なら外で元気に遊ぶ子供を望んでいたようでしたのでこの誘いは大歓迎で、仕方なく知らない子供ばかりの中で苦手な球技をさせられるという時間を過ごしました。

初日は野球で最悪。空振りに次ぐ空振りで、皆も期待が空振った新参者に明らかな落胆顔。勝手に期待して誘い出しといて、その顔はないよねーと内心思いながら、私は来る球 来る球を空振り続けた。
潮目が変わったのが二日目。あれほど空振ったのだから誘われないと踏んでいたのですが「定時です!」と言わんばかりに同じ顔触れが誘いに訪れた。この日はドッチボール。野球よりはマシだけど、種目を変えてなんか試してんの?って気持ちになりました。ちなみに私、ドッチボールを受けるのだけは得意。手だけで取るのは下手なのですが腹で受けるのであれば強い球でも取れた。そもそも鈍臭いので逃げるのが遅いのか、鈍感だから逃げる気ないのか、下手に逃げずに真正面で受け止めるので取れちゃうんですよね。この唯一の特技が発揮されて、2歳上の一目置かれている子の強い球を受けちゃった。前日の空振りがあるだけに周囲がどよめく。まぐれかもしれないということで、こぞって皆が狙ってきた。ただ明らかに狙われる方が腹で受けやすい。この日は調子も良かったのでことごとく取れた。最後に2歳上の同じ子の二度目の強い球を受けた所で、これは本物だと集中砲火がようやく終わりました。まあ当然、この評価もほどなくして無くなりアイツは真正面しか取れないと横から狙われることになるのですが、この頃にはもう運動音痴を口達者でカバー出来ていましたので、危うくイジメという憂き目には合わずに済みました。

※書いていたら思い出話が長くなってしまいました。言いたいことは明日書きます。二日に跨ぐような話でもないのですが毎日投稿なんてことを自分に義務付けてしまったもので…
(明日に続く)

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