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コロナ禍における不動産売却の最適解。

2020年7月27日現在、全国で新型コロナウイルス感染の「第二波」が広がっており、感染者数の比較では緊急事態宣言時を超え外出自粛が余儀なくされています。そのような状況下でも不動産売却ニーズは多く存在しますが、内見を懸念する買主の増加、景気悪化による収入減を懸念した購入意識の低下など、不動産売却にも新型コロナの影響は存在しています。

また、売却活動を開始したものの仲介で内見がなかなか入らない、いつ売れるかわからないという心理状態から、私たちが運営する日本最大級の不動産買取マッチングサイト「インスペ買取」にも、不動産売却を検討されている売主さんが駆け込んで来ていただいているため、改めてコロナ禍での不動産売却のあり方をまとめました。後半に最適解をまとめていますので、基礎知識が不要な方は飛ばしてお読みください。

不動産売却の基礎知識

まず、一般的な不動産売却の方法は2種類あります。個人の買主を探す「仲介」と、買取会社が直接買い取る「買取」があります。それぞれの特徴は以下。

仲介と買取

売却を急いでいない方、築年数が浅く住宅ローンの残債が多い方、内見対応に柔軟に対応できる余裕のある方などが「仲介」を選択し、「買取」については、住み替え先の家が決まって早く売りたい方、相続した物件を早く処分して財産分与したい方、離婚や近隣トラブルで誰にも知られずに売却したい方、内見対応が難しい方などが「買取」を選択されます。

「仲介」での売却フローとコロナの影響

仲介(個人の買主を探す)を選択された方は、下記の流れで売却を進めていきます。各ステップでのコロナによる影響があるときは(コロナ)に記載しています。

■STEP1. 売却相談
仲介会社に売却理由や希望額など相談を行います。

■STEP2. 媒介契約を締結
仲介会社による査定が終了し、売出価格と売出方針(ポータル掲載するか、目標売却期間など)を決め、方針が決まれば媒介契約を締結します。
(コロナ)購入検討者の購入意思低下や内見が入りにくくなる可能性を鑑みて、より高く売るための売出価格のチャレンジ性は減少傾向にあります。

■STEP3. 売却活動
仲介会社は業者のみ閲覧できる物件情報サイト「レインズ」に物件情報を登録し客付けを行います。また、HomesやSUUMOなどの買主が集まるポータルサイトにも掲載する場合もあります。

■STEP4. 内見対応
物件に興味がある購入検討者が出てくると仲介会社に連絡が入るので、清掃などを行い内見の準備を行います。
(コロナ)購入検討者の購入意思低下や外出自粛により内見数が減少傾向にあります。

■STEP5. 購入申込み、売買契約の締結
前向きに購入検討が進むと買主から購入申込書を受領し、価格や引渡し条件など最終調整を行い、両者で合意に至ると売買契約を締結します。
(コロナ)景気悪化が進むと住宅ローンの審査が厳しくなる可能性があり、買主が資金調達できない可能性があります。

■STEP6. 決済、引き渡し
残代金の受領が完了すると、鍵の引き渡しを行い売却手続きは終了です。仲介会社には、仲介手数料(取引価格の3%+6万円*)を支払います。
*3,000万円の物件の場合、96万円の仲介手数料の支払いが必要

「仲介」で売却する際の新型コロナの影響まとめ
仲介の場合、個人の買主が見つかれば売却となりますが、買主側の景気悪化を危惧した収入減少の可能性や内見による三密懸念、住宅ローン審査の厳格化兆候などの影響もあり、購入検討者の購入意欲が低下傾向にあるため、仲介での売却期間長期化は避けられない状況だと業界関係者の間では共通の話題となってきています。

「買取」での売却フローとコロナの影響

買取(買取会社が直接購入)を選択された方は、下記の流れで売却を進めていきます。各ステップでのコロナの影響があるときは(コロナ)に記載しています。

■STEP1. 売却相談
買取会社に売却理由や希望額など相談を行います。

■STEP2. 各種調査
買取会社が、現場調査や登記事項調査、役所調査などを行い、買取額を提示します。
(コロナ)買取会社によっては、先行き不透明な状況を懸念して買取を停止している会社もあります。

■STEP3. 条件の調整
買取会社から提示された買取額に合意した場合、引き渡し条件などの調整をします。

■STEP4. 売買契約の締結
両者で合意に至ると売買契約を締結します。

■STEP5. 決済、引き渡し
残代金の受領が完了すると、鍵の引き渡しを行い売却手続きは終了です。買取の場合は、仲介手数料は不要です。

「買取」で売却する際の新型コロナの影響まとめ
買主が法人(買取会社)ということもあり、少数の買い控えをしている会社はあるものの、多数は積極的に買取を行っている傾向にあります。内見についても、買取の場合は買取会社のみとなるため仲介のように購入検討者を何度も招く必要はありませんし、住宅ローンの心配も買取会社がキャッシュで購入する(銀行融資もある)ため、資金調達への懸念もない状況です。

コロナ禍での最適な売却方法は?

不動産業界でビジネスを行っている私の意見としては「まずは買取査定、希望額に届かなければ気長に仲介で売却活動」が最適解です。これは、私たちが不動産買取プラットフォームを展開しているから集客を狙って言っているわけではありません。不動産業界の構造や各プレイヤーの状況、売主メリットを最大化させることを考慮した自分自身が売却するときに選択する回答です。理由は以下です。

なぜ、買取査定から始めるべきなのか
結論から言うと、仲介先行で希望の期間内に売れずに買取に変更する場合は、受取額が確実に安くなるのでおすすめしません。理由は、仲介を先に進めるということは、仲介会社がレインズに物件情報を掲載し、業者内に広がった情報となります。また一般向けにも売り出しも行うことで「売れなかった相場価格」が世に広まることになります。買取会社からすると、なかなか売れない物件であるという印象はもちろん、素晴らしいリフォームを行ってもその相場価格付近でしか売れないという認識になり、仕入れ価格は抑える傾向にあります。例えば、3,000万で1年間売れなかった物件を買取するときは、リフォームを行って3,000万ですぐに売れる保証はありませんので、仕入れはかなり安くなります。しかし、世に広がっていなければ、リフォーム後に3,200万で売却できる可能性もあるため、仕入れ価格は上がる傾向にあります。どこにも出ていない物件情報にはプレミアの価値があり、買取会社はこぞってそれを狙っています。もうひとつの理由は、仲介先行で買取に変更の場合、仲介会社経由で買取会社に売却をするため、売主と買取会社は仲介会社への仲介手数料の支払いが必要となるため、おのずと受取額は安くなります。仲介により希望額で短期間で売れることが一番良い方法ではありますが、地域や物件の属性によってはコロナ禍で売りづらい状況となるため、仲介で売出しする際のリスクを考えて、買取査定を行ってから判断すべきと考えています。

買取査定を行う上でベストプラクティスは?

上記理由から、買取査定を先に行う意義はお伝えしました。ここからは少し宣伝ですが、本当にベストプラクティスですので、ぜひお読みください。

まず、買取査定を行うにはいくつかの方法があります。

★☆☆ 一括査定サイトに登録する
不動産の査定をする際に一括査定サイトを利用される方も多いと思いますが、すべての一括査定サイトに共通することは「仲介会社をネットワークしている」ので、買取査定ができる会社は限定的です。また、一括査定サイトに登録すると、物件情報と個人情報を複数の不動産会社に送客するため、電話が連続してかかってきます。

 大手買取会社に相談する
大手買取会社に相談する場合は、複数社の比較をしなければ損をするイメージは払拭できないため、売主の負担も大きいです。大手買取会社は、仲介に出していると直接買い取ることができず(仲介会社とのつながりを優先したい)、仲介会社経由の買取となるケースが多いです。

 インスペ買取に登録する
私たちが提供している日本最大級の不動産買取マッチングサイトインスペ買取には、全国の不動産買取に積極的な買取会社が730社以上登録しており、買取予算は6,700億円を超えています(2020年7月27日現在)。また、売主様の個人情報を守るべく、登録いただいている買取会社に対して、まずは物件情報のみ公開し入札してもらいます。入札結果は売主様に運営から連絡し、直接買取会社と交渉したいと希望された場合のみ、買取会社に個人情報を公開する仕組みになっていますので、個人情報保護の視点でも安心して買取査定を行っていただけます。
インスペ買取はこちら https://www.insupekaitori.com

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不動産売却は、人生の中でもかなり機会が少ないイベントということもあり、事業者と売主様との情報の非対称性は拭えません。新型コロナウイルスにより外部環境や各プレイヤーの心理状態は間違いなく変化しているため、平時と同じ売却方法では損をする可能性がありますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

私たちは、コロナ禍でも最適な不動産売却活動を実現できるようにあらゆる環境にも順応し、売主ファーストを追い求めて進化してまいります。長文のお付き合い、ありがとうございました。


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