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寝て起きて食べて仕事して、「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」をするために生きている。

※軽度なネタバレあり。確実に購入する方は、すぐにプレイするのをオススメします。

「神ゲー」「ゲーム史に残る傑作」。最高に感動したゲームを語るとき、こういった言葉はよく使われます。誰もが自分の推したいゲームを大げさに表現してしまうことってありがちですが、今回「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」をプレイして、正直“歴史的傑作”という言葉すら生ぬるいと思ってしまいました。

僕にとって前作「ブレスオブザワイルド」は、間違いなく人生で1番面白かったゲームでした。広大に広がる大地、発見とひらめき、温度まで伝わりそうなハイラルの空気感……。遊んだのは僕自身いろいろ弱っていた時期でもあり、ブレスオブザワイルドに救われた部分は多々ありました。

だからこそ、ティアキンの事前情報にはいまいちピンときませんでした。空が追加されようと、結局は前作のマップの使いまわしじゃないかと。初めてハイラルを駆け抜けた感動には到底届かないんじゃないかと思ってました。……が、実際に遊んでみたら、それまでの予想はすべて覆されました。

何もかもが違う。慣れ親しんだハイラルの姿も、ゲームを遊んだときの手触りも。ちょっと進んだだけで見たことのないものが次々と目に入り、ギミックを駆使して謎を解く。やってもやっても、“あとちょっとだけ”遊びたくなってしまう。気がつけば数時間が一瞬で溶ける。こんな感じで、明らかにブレワイの感動を超えた体験がありました。

このゲームを何より面白くしているのは、間違いなく「ウルトラハンド」の存在。オブジェクトを移動・回転させ、もの同士をくっつけることが出来るとんでもない代物です。クラフトゲーは今でこそ珍しくはないですが、ティアキンの「ウルトラハンド」でのクラフトは、ものを動かすためにある“動的”クラフト。謎を解くため、マップ上のオブジェクトを組み合わせ、装置を作ることを目的としており、上手くいくかどうか試行錯誤する様子は学校の科学実験に近く、まるで子どもに戻ったかのようにワクワクさせられました。

ただでさえ出来ることは多いのに、「ゾナウギア」の組み合わせでパターンは爆発的に増えており、前作以上に発想の縛りがなく謎解きに挑めるようになっています。自由になった分、祠で悩むことは増えましたが、ゲームに慣れると「これが出来るならこれも出来るんじゃないか?」というアイデアが生まれ、遊べば遊ぶほど視野と可能性が広がります。これを1本のゲームで成立させているのはあまりに衝撃的でした。

そして、空の飛行。前作もパラセール滑空という形で飛ぶのを楽しんでいましたが、今回ははるか上空の雲の上まで行けます。これは例えでなく、ゲーム内に雲が流れ、その上まで行けるんです。空を飛ぶ方法もパラセールはもちろん、フライングボード、気球、鳥望台からの発射、オブジェクトにロケットを付けて飛ばすなど多種多様。

しかも空にはしっかりと謎解きがあり、地上とはまた違ったバリエーションなのが見事。帰りはスカイダイビングし、空から見つけたものを辿ってまた地上を冒険するサイクルも楽しいです。

ここまでで十分ヤバいですけど、それだけで終わらないのがティアキン。ただでさえ空マップで縦に馬鹿広いのに、まさかの地下世界まで用意しているとは。暗闇に覆われた地下は先が見えず、光る実を地面に植え付けながら、慎重に進んでいく必要があります。結構高低差があり、踏み外すと落ちてしまうような場所も。地上や空にはない魅力があり、光を灯す拠点を見つけたときの安堵感など、探索の楽しさを再確認させてくれます。

他にも、武器に大半のオブジェクトを引っ付けられる「スクラビルド」、オブジェクトの時を戻す「モドレコ」、天井を通過できる「トーレルーフ」といったキーアイテム。祠とは別に追加された小規模なダンジョンやバリエーションが増えたマモノ。パターン豊富なイベント。語りたいことは山のようにありますが、話したらきりがないので省略。あまりにも凄すぎて、あのブレワイすら「案外、普通のオープンワールドだったんだな」と錯覚してしまうほどです。

最近はゲームを遊ぶモチベーションが落ちていたのにもかかわらず、一度始めてしまったら熱中してしまい、発売1周間は寝不足で不調をきたしてしまいました。生活の一部にティアキンが差し込まれてしまったら、自律神経が破壊されてしまう、末恐ろしいゲームです。

言葉の理屈より実体験がすべてのゲームなので、とにかく前作プレイヤーは絶対やって欲しいです。このゲームをスルーするのはあまりにもったいない。今後これより面白いゲームは、自分が生きている間、金輪際現れないんじゃないかと危惧してしまうほどの傑作だと思っています。本当に、生きている間に遊べて良かった。

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